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「心がいっぱいになる」ということ。

この夏ずっと書きたかったことがある。
だいぶ温めたけどまとまらなかったので、今日はこのまま書いてしまおうと思う。

この夏は、これまでの人生で一番、穏やかな気持ちで過ごしていた。

コロナについてはかなり怖くて慎重になっているし、就活中でもあるけど、今までで一番、心に余裕がある感じ。いっぱいにはならない。

よく言えば穏やか。いつも平気でいられる。
悪く言えば、なにかが足りない。

これがずっと不思議で、どっちがいいとか決められなくて、わからないなあと思っていた。

なんというか、いつも大丈夫な範囲に収まっている感じなのだ。
心をコップにたとえることがあるけど、いいことも悪いことも、あふれない。全部自分のコップに収まっていて、なにかがこぼれそうになることはない。


就活は自分のペースでがんばる。
必要だと思ったことはとことんやるけど、「やったほうがいいのかな」には、できるだけ引っ張られない。

朝寝坊しても、無条件に「起きれなかったな」とは思わない。
ああ、起きなくていいんだな。起きなくても大丈夫な日なんだなと思った。

アニメやドラマを一気見したら、ああ好きなものに思い切りひたれて、幸せだなと思った。

今まで「こうでなきゃ」と思ってたもの、案外なくても大丈夫だったし、今まで「大した意味はない」と思っていたけど、やっぱり大切だって思うものも見つけた。

ほんとうに欲しいものだけ欲しがる。ほんとうに欲しいもののためだけに、「がんばる」を使う。

こんなに不安じゃない日々は記憶にあるなかでは初めてで、
1年前の自分と比べても、ずいぶん自由になったと思う。



だけど最近、ふとした瞬間に、いろんなことを思い出す。

たとえば、久々に、朝ドラの主題歌の(BUMP OF CHICKEN)を聞いたとき。

気仙沼にいた頃の、いつも心にいっぱいになっていたいろんな気持ちが蘇ってきた。

いっぱいいっぱいだったから、ちょっとのことで苦しくなったし不安になった。

でもたぶん、いっぱいいっぱいだったから、海を見ても空を見てもBUMPを聴いても、小さなきっかけひとつで、いろんな気持ちがこぼれてきて、それがすごく豊かで、生きてるって心で感じられる毎日だった。


真っ暗な山道や凍りそうな真冬の道路。恐る恐る自分で運転してたから、怖くて毎日緊張してたけど、そんなふうに一生懸命だったから、BUMPが沁みたんだと思う。

初めての一人暮らし。物音で眠れなかったりごはんも微妙だったりしたけど、自分を自分で生かしている感じがしたし、食べ物に、お隣さん。いろんなものに生かされているなとも感じた。

いろんな人にたくさん憧れてたから、勝手に自信をなくしてたし、関わりたいのに関わるのが怖かった。
でもだから、こうありたいとか、こうなりたいとかたくさん見つけることができたし、今わたしは、とっても素敵な場所に生きてるなと思ってた。



ほんと、振り返るとなかなか大変だったなあと思うけど、いっぱいいっぱいだからこそ感じられていたことがあったんだな。

もちろん、心に余裕があるからこそ、できること、感じられることもあるのだけど。

最近はなんとなくBUMPも聴かない。あんな一生懸命で必死な気持ちでは聴けない気がして、感動しなかったらと思うと怖くて。

noteも、思えば苦しい気持ちを消化するために、なりたい自分になるために、一生懸命書いていたのかもしれない。

最近の平気な感じが、寂しくもある。



だけどやっぱり、また苦しくなること、いっぱいいっぱいになることは怖くて、わざわざまた、がんばらなきゃって思うのはいやだとも思う。

そんなだから、どうしたいのかずっと保留にしていた。

でも今日、なんでかわからないけど、大事なことがわかった気がした。

頑張る頑張らないの話ではなくて、自分以外のなにかと一緒に生きたいんだ。

心がいっぱいなときは、「ちょうどいい」からはみ出したいろんな人や環境、出来事に触れているとき。

自分にちょうどいい、自分だけの世界(自分の実家、自分の部屋、ひとりで観たいドラマだけ見るとか)にいたら、起こりえないことが起きるからこそ、感じられることがある。

そういう、ひとりでは感じられないことを感じたい。


もうだいぶ休めたから、そろそろまた、心がいっぱいになっても大丈夫かもしれない。

もう前みたいな、がんばらなきゃ、こうあらなきゃモードに戻る必要はないけど、もうちょっと、誰かと一緒に、世界のなかにいたい。

いいことばっかりじゃなくてもいい。思い通りじゃなくていい。

心がいっぱいになってこぼれてくる気持ちを、また味わいたいから、
もう少し、自分の世界から出て行ってみたい。


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