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現状維持症候群

何か、自分の日常を大きく変えたいと思うけれど、

そう考え始めるとどうしても良い結果を期待してしまって、

思ったようにならなかったら、と思うとできない。

それに、

良い結果が得られなかったとしたら、それは周囲の人にも影響するかもしれない。

もし仕事を変えて、収入が減ったら?人間関係に悩んだら?

どこかへ引っ越して、住環境が悪くてまた引っ越す羽目になったら?

どんな理由にしろ、結局前の方がよかった、なんて考え始めたらどうしよう。

そう思うと、現状維持したいと思う自分に負けてここから動けない。

でもここから動きたいと思う自分もいる。

どっちの方が強いのか考えても、わからない。

タイミングによってどちらかが上回るけれど、すぐにそれが入れ替わってしまう。

だから、何もできていない。

こうしているあいだに過ぎていく時間がもったいない。

だけど焦ってもきっと良い方には転ばない。

それなら、

こうやって考えているしかない。考えているのかもよくわからないけれど。

ここにいる方が良いのかもしれない。

単に理想を描いてそれを実現可能と勘違いしているのかもしれない。

変わるのは怖い。

それでもなお、変化させたいと思うほどになるまで待つべきか。

そんな日が本当に来るのかどうかもわからない。

わからないことだらけだからいけないのか。

もっと自分を知るべきか。

でも自分の中を探っても、見つかるのは不確かな形をした願望の破片ばかり。

ちゃんとした塊としての願望は見当たらない。

いったい自分は何を望んでいるのだろう。

混乱。


いやもしかしたら、

こうやってうだうだしているのが好きなのだろうか。

何かに向かっていきたい、けどいけないなあ、みたいな自分が好きなのだろうか。

一昔前は恋人のいない孤独な自分が結局のところ好きだった。

どこへ行ってもカップルや家族連れを見ては羨んだけれど、一方で満たされた。

自分の孤独こそクールなのだと思っていたのだ。

今はこうして意志の定まらない不安定な自分を気に入っているのだろうか。

まるで真剣に自分と向き合っているがゆえに悩んでいる、みたいにも思えるし。

そう考えてみると、何だかそんな気がしてきた。

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