視覚障害者はプログラマーとして生きられるか 書式とドキュメント情報から文構造を把握する

こんにちは、土田淳也(@mocoatuya)です。
網膜色素変性症という目の病気により視覚障碍者となりながらも、プログラマーとして生きていくために考えたこと、実践したことなどを綴る記事です。

前回の記事にて「スクリーンリーダーの読み上げでは、文字のサイズや色、文字が配置されている場所、文字が書かれている箇所の背景色などによって表現されている情報(文の重要度や前後の文との関連性など)を得ることができません。」ということを書いたのですが、スクリーンリーダーNVDAには書式とドキュメント情報という設定項目があり、設定をすることで文字のサイズや色などの情報を読み上げさせることができるということをtwitterにて教えていただきました。

今回の記事では書式とドキュメント情報の設定項目の中で、設定しておくとコーディングがしやすくなったり、ドキュメントを読みやすくなったと感じた設定について書いていきたいと思います。

結論を先に書くと、フォントサイズ行インデントの読み上げは重要で、ほかは好みで設定をするとよいのではと思いました。

環境

OS:Windows10
スクリーンリーダー:NVDA
音声エンジン:JTalk
音声:tohoku-f01
ブラウザモード1行の最大文字数:60
エディタ:VSCode
ターミナル:Windows Terminal #更新

フォント名

設定項目にチェックを入れるとフォント名が切り替わったときにフォント名を読み上げてくれます。
例:MS Gothic, Segoe UI 

個人的にこの設定はコーディングやドキュメントを読む際にはおすすめできません。

理由としては、フォント名を知ったところで得られる情報が少ないこと、読み上げに時間がかかること、英語のドキュメントを読む際に本文の内容なのかフォント名なのかの区別ができずに混乱する(慣れの問題もあると思います)などがあげられます。

フォントサイズ

設定項目にチェックを入れるとフォントサイズが切り替わったときにフォントサイズを読み上げてくれます。個人的におすすめの設定です。
例:17pt,  22.5pt 
フォントサイズそのものの情報も重要だと思うのですが、フォントサイズが切り替わるタイミングで文内容の切り替えが起こることは多く、文全体の構造を知る良い手がかりとなります。

以下のリンクはtypescriptのドキュメントなのですが、文中にコードが挿入されています。
https://www.typescriptlang.org/

このドキュメントでは本文の内容からコード部分に読み上げが移った際に、フォントサイズを読み上げてくれます。このように本文と埋め込まれたコード部分ではフォントサイズが異なることが多いので、フォントサイズの読み上げをさせることでどこからコードが始まるのかといったことが分かりやすくなります。また読み上げにかかる時間も短いためおすすめです。

フォント属性

この設定によりどのような読み上げがされるのか詳しくは分かっていませんが、太字、太字なし、下線あり、下線なしといった読み上げを行ってくれることは分かりました。私は設定をオンにしていませんが、読むドキュメントの種類次第で大きな情報をもたらしてくれる設定なのかもしれません。

設定項目にチェックを入れると文字の色が切り替わったとき文字の色を読み上げてくれます。また背景色が切り替わったときも読み上げを行ってくれます。
例:非常に暗いグレー, 淡いレッドオレンジの色, アクアブルーの色の背景

色は何かしらの情報を含んでいるものだとは思うのですが、コードが埋め込まれたドキュメントなどを読む際にはおすすめできない設定です。コードは色付けされていることが多く、頻繁に色の切り替えが起こるので、色の情報が読み上げられる回数が多く、時間をとられます。

行インデント(読み上げ)

設定項目にチェックを入れると行インデントの数が切り替わったときに行インデントの数を読み上げてくれます。
例:4スペース, 8スペース

Pythonなどの言語ではインデント数の把握が必須となってきます。また行インデントからは多くの情報が得られるので必須の設定項目と言えます。

他の設定

他にも多くの設定項目があります。設定の良し悪しは個人に依るところが大きいと思うので、いろいろ試してみてご自身にあった設定を見つけていただきたいと思います。

NVDAキー+fで書式情報を表示できるショートカットもありますので活用してみてください。

まとめ

前記事のように誤った情報であったり、最適でない設定の紹介をするなど至らない部分が多く大変申し訳ないのですが、記事を読んで視覚障害があるけどプログラマーを目指してみよう、何かに挑戦してみようと思っていただけると嬉しいです。そのように思っていただけるようにこれからも記事の投稿をしていきたいと思います。

また、記事を読んでアドバイスをしてくださる方々、大変励みになります。
意見やアドバイスなどございましたら、Twitterにてメッセージをいただけると幸いです。

記事を読んでいただきありがとうございました。


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