天皇と終戦工作を見た

昭和天皇は退位すべきと主張していた人がいたんだと知った。

番組を見ていて思ったけど、日本という国のシステムは天皇によってまわっていたし、今もなお重要な決定事項や、国民への多大な影響力を要する決断は天皇なしには動かせないんじゃないかとも思える。
とはいえ、この番組を見ている感じだと、原爆が使用されていなければ、敗戦を受け入れる「聖断」がなされていたか、実に微妙だなと感じた。開戦のときの御前会議でも、ある種なし崩し的に開戦が決まった。おそらく日本は、今でも開戦も終戦も決断が自分たちだけではできないと思う。

さらに見ていて思ったのは、やはりいつの時代も知識人は、きちんと冷静にモノを見ようとしているんだなと感心した。のちの東大総長となる南原繁や当時のヨーロッパの外交官は、アメリカの内部やヨーロッパの各国にも、日本の天皇制護持派がいることを掴んで、英米と直接交渉をすべきと考えている点もすばらしいなと思った。

そして、昭和天皇に対しても、きちんと道徳的責任を取って退位すべきと進言しているあたりも、すげぇなと思った。
昭和天皇も退位を間違いなく考えただろうし、アメリカの意向で統治には昭和天皇がいた方がいいと判断があったのだと思う。
しかしもし、昭和天皇がみずから退位の意志を持って、天皇が交代していたら、戦後の国民の道徳観にもけっこうな影響があったのではと思わされた。


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