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「状況が整えば自分はうまくいく」を諦めない -ストレングス・トーク感想-


Clubhouseをきっかけに出会った本

ストレングス・トーク 行動の問題をもつ子供を支え・育てる
著:井上祐紀/日本評論社 

図1


本を読んだことをツイートしたら著者本人からこんなお返事が。。。

Twitterって思わぬ出会いがあるから最高です(笑。


私の本の読み方


本を読むだけで終わりではなく、読んだ個所に付箋をつけて、なぜその言葉が印象に残ったかを記すようにしています。

今、自分に必要な言葉は向き合うべき課題であるから。

そんなわけで「ストレングス・トーク」の言葉とその深堀りを記していきます。


「ストレングス・トーク」とは?


本の中で出てくる「ストレングス」は当事者の可能性、自主性、健康さなどのポジティブな要素と定義しています。


ここからは「ストレングス・トーク」の本の中の言葉を抜粋していきます。ただこれはあくまで私が印象に残った言葉で、本の内容すべてを網羅したものではありません。そこには正しい理解ではない、あくまで自分で都合の良いように受け取った解釈もあるかもしれません。

「ストレングス・トーク」に興味を持った方は是非直接に手に取って読んでみてください。本の中にはワークショップ編として実践できる説明が詰まっています。


ストレングス・トーク抜粋ことば集①「ネガティブをポジティブに変える」


網掛けの言葉が本の中の言葉です。そのあとに私がピックアップした理由を書き記しています。


ストレングス・トークでは、子どもの発達を促進するとか、発達障害の特性を改善するなど、子どもを変えることは目標にしていません。子どもと大人がポジティブに遊びを展開できることそのものに意味があると考えています。

「他の子どもと比べる」ということを取っ払って親子の関係改善を図る。まずはそこから始めることが家族の幸せになるんだと。「家族の幸せ」という当たり前の姿を忘れていたことを教えてくれています。


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子ども:(新幹線のおもちゃを大人に渡す)
大人:あら。ありがとう。これでもパパも新幹線で遊べるよ!
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子どもの行動の環境への良い影響を説明することで、子どもたちは自分の行動が良い行動なのかどうかを知るだけではなく、自分の行動が「なぜよいのか」について学習することができます。※一部文章を繋いでいます。

「なぜ」を知る機会を、意識的に日々の会話の中に入れることで学習に繋がる。


学校活動のルールに乗り切れない子どもたちは、”指導という名の批判”を受けることになります。・・・※文中一部略 ”指導という名の批判”が、行動の問題の解決のためのプロセスを生み出すような具体的なアイデアについてほとんど取り扱わないことが多いのが最も気にかかります。

井上先生の「気にかかります」という言葉はあえて柔らかく表現していますが、これは警鐘だと私は捉えています。日常の指導(=批判)が積み重なることで本人の強みがかき消され、生きる自信すら失ってしまうリスクがある。


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〇君:どうしよう、運動靴忘れた!遅刻する!
母親:大丈夫。あわてない。ちゃんと自分で気づいて戻ってきたから、今日のドッチボールの練習に参加できるね。
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隠れた強みはわかりやすい成功体験のみならず、失敗を体験しているまさにその時にこそ発動されており、混乱を収拾し、問題を解決する際の原動力となるのでしょう。

我が子に対して失敗を咎める言葉をかけてしまった過去の反省を込めて。失敗してしまった!という子どもに乗り切る体験させることで逆に強みになるは覚えておきたいことです。反面教師はのび太くんのママです(笑。


子どもが困った状況にある時の会話こそ、強み①本人への良い影響を探すように話してみます。子どもがつらい状況にある時こそ、「状況さえ整えば自分はうまくいく」ということをあきらめてほしくないからです。

この「状況が整えば自分はうまくいくをあきらめない」を肝に銘じたい。あきらめない声掛けを習慣にすることで子どもはもっと生きやすくなれるはず。


感情にフォーカスするということは、子どもから差し出されたほんのささやなかな手がかりをみて、大人の中にポジティブな感情が生まれるゆとりが必要です。

子どもの「隠れた強み」を見つけるための必要な大人のゆとり自体がどこにも足りていないのではないか。家庭、学校、病院、療育現場にゆとりはあるか大人はまず「ゆとり」探しが必要なのかも。


特別な努力をしているわけでもない、子どもの普段通りの行動の中にこそ強み ①本人への良い影響 と 強み② 周囲への良い影響 を見つけるヒントが隠されています。このような会話を増やすことで、子どもは日々当たり前の行動をとっているだけで周囲の大人たちから「根拠のない自信」を高めてもらえるわけです。

これは「褒めて伸ばす」「甘やかす」とは違う発想です。日々の指導=批判によって強みを見失う親子にとって自信を高める習慣づけが必須だと思います。うっかりすると失敗ばかりに目がいき、自信のヒットポイントがなくなり、生きづらさしか残りません。


ストレングス・トーク抜粋ことば集②「親の目線や視野を変えるのが第一歩」


不登校の状態にある子どもは小学生では0.54%、中学生で3.25%と見積もられており、不登校のピークも中学生の時期にあります。怒りや攻撃性の高まりと学校での生きづらさがまさにピークに達するということになります。

まさに我が家に当てはまる、中学生になってからの不登校。不登校が生きづらのサインであるとするならば無理に学校に行かせることは生き場を奪うことにもなりかねない。


どういうわけか「思春期の子どもにナメられてはならない」という信念をもつ支援者や教師に多く出会います。

昭和生まれの私には、先生に従順であるべきだという経験が刷り込まれています。従順であることに疑いを持つことすら許されなかった時代と今は違います。まずはそのことに気付くことが親としての第一歩なのかもしれません。


大人と子どもはどうしても縦関係になりやすく、教える側/教えられる側、注意する側/される側という一方向的な関係性が固定化しやすいのですが、子どもの関心事への質問は、これを良い意味でひっくり返す機能があります。

親が子へ質問する→子が親に答えるが子どもの自己肯定に繋がる。このことを意識すれば自然と子どもとの会話、接し方も変わってくるはずです。もちろんそのためには親には「ゆとり」が必要。


■不器用な対処の新しいゴールと対処の例
古いゴール:嘘をつくことが良くないことだと教える
新しいゴール:正直に言ったほうが良いことがあると教える
新しい対処:「30分以内に本当のことを言えたら褒めてもらえます」と伝える

「良くないことだと教える」のではなく「良いことがあると教える」として伝えるだけで子どもの発想が180度変えられる。どれが正しいのではなく、子どもの特性に合わせることが大事。


ストレングス・トーク抜粋ことば集③「家族の未来探し」


ストレングス・トークで探そうとしている”隠れた強み”は能力探しにはこだわらず、子どもと環境または子どもと未来を繋ぐためのポジティブな手がかりに着目します。

「できないことばかりのネガティブな視点」から「ポジティブな手がかり探し」に変えてみることで世界は変わるのだと勇気を貰える言葉です。


発達障害の早期診断をもとに必要な支援が届く仕組みは大切ですが、発達障害をもつ方々のポジティブの側面を過小評価してはなりません。発達支援の世界でこそ、隠れた強みを活かしてくださる方が増えてほしいと願っています。

ひとに自慢するような強みでなくても、親子の関係だけで成り立つ強みはあるはず。まずは他人と比べないこと、過去の自分と比べないこと、発達支援はそこから始まるんじゃないかな。


まとめ

ここまで読んでくれてありがとうございました。合計3,000文字以上になりました。

1.「ストレングストーク」は精神症状や問題行動が支援者にとって行きづまりとなっている今、当事者のネガティブな側面でなく、ポジティブな要素に着目
2.できないネガティブをできるポジティブに発想転換する
3.状況さえ整えば自分はうまくいくを諦めない
4.親や教師の「従順」、縦関係を疑う
5.良くないこと教えるのではなく、良いことがあるで伝える
6.ポジティブな側面を過小評価しない


改めて気になった言葉をピックアップすると、自身の脳に刻み込んでおきたいルールなんだと気づきます。

「学校に行くのは当たり前」「親や教師が言うことは絶対」これまで育ってきた価値観や過去を疑ってみることは簡単なことではありません。なぜなら自身が疑ってこなかったからです。

親である自分自身が不思議に思わなかった「当たり前」を我が子は真剣に考え向き合い、それを実行するかしないかは自分で決めている。それだけでも十分な強みだといえるのだと思います。




最後に井上祐紀さんの本では

「学校では教えてくれない自分を休ませる方法」もおススメです。これは我が子の愛読書でもあります(笑。

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