見出し画像

「皆の前でほめないで下さい」から学ぶ自己肯定感の必要性

タイトルで思わず、手にとってしまう一冊。

「ジェネレーションギャップ」と思うなかれ、大学教授である著者の学生と接する現場の「若者」の声と、「大人」の認識齟齬が言語化されています。


本で気になった1文

上記気になった一文を網掛け、以降自分なりにひっかった理由を書いていきます。


いい子症候群とは


世間ではよく、今の若者のことを「素直でいい子」「まじめでいい子」と評する。と、同時に「何を考えているのかよくわからない」「自らの意思を感じない」と言う。実はこれらは、別々の若者のことではなく、1人の若者を違う角度から見ただけでのことだ。本書ではこのような若者を「いい子」と称し、一見不可解な彼らの気質と愛すべきと特徴を軽いトーンで描いていこうと思う。

本書では「いい子症候群」は大学生から20代半ばまでを想定しています。


自己肯定感の低い若者たち


「ほめ」は「圧」という図式

現在の大学生の多くは、自己肯定感が低い。故に褒められたとしても逆にプレッシャーにつながる。


あなたは自分の頭で考える例題を示してあげていない

「自分で考えてやらせてみる」ことにおいて、例題を示さないぎり「やったことがないからできない」になってしまう。それは立てたハードルが高すぎるので、低く設定してあげることが必要かもしれない。


情報化社会の弊害


一方通行メディア(マスメディア)の問題点は「消費者が受け取った情報を自分で解釈しなければならない」ことだと考える。、、、いったん「球を持たされる」ことに現在の若者は抵抗を覚える。

情報が多い、イコール選択肢が多ければ余計に選べない。選べないというよりは頭が混乱していると解釈してもいいかもしれない。SNSなど使いこなしているように見えて、実は情報化社会が若者を混乱させているのかも、


大人側が自らの「してあげたい欲求」を封印すること、それに尽きる。

そんな若者に対して大人はどうすればいいか。手を差し伸べるにしてもすべてをやってあげるわけにはいかない。そもそも自己肯定感が低いのだから「やってあげてしまう」と余計に自信を失ってしまう。マネジメントの難しさがここに詰まっている。


「安定」の分解


周りがガシガシしていない感じ。上司とか先輩がガンガン来ない感じ。ルーチンな感じ。お前は何がしたんんだ、とかまだ若いんだから、とか言われない感じ。つまり安定したメンタルで働ける、というニュアンスを含めての「安定」人気なのである。

2022年大学生の企業選択の理由の1位が「安定している会社」だそうだ。ただその「安定」の定義も広く捉えようは多種多様。

そうか、今の若者は安定志向なのかと腹落ちするのではなく、何をもって安定なのかを因数分解する必要がある。


「積極的ワークライフバランス派」は大人が作った虚像にすぎない。「自分の時間を大切にしたい」なんて私から言わせればとも前向きだ。いい子症候群の若者は、むしろ「〇〇したくない」という思考が中心となる。リスク回避志向とはそういうことだ。

「将来なりたい職業」という聞き方ではなく、「将来絶対になりたくない職業」の消去法から考えていると捉えるとわかりやすいかも。


若者の仕事観4か条


1.とにかく人目が気になるし競争もしないけど、自分の能力を活かしたい
2.そこそこの給料をもらい残業はしないけど、自分の能力で社会貢献したい
3.自ら積極的に動くことはないけど、個性を活かした仕事で人から感謝されたい
4.社会貢献といっても、見ず知らずの人に尽くすとかではなくて、とにかく「ありがとう」と言ってもらえるような仕事がしたい

ありがたいことに著者は簡潔にまとめてくれています。ここに押さえておくべきは「○○だけど」の部分、大人はこの前提を見落とさないように注意が必要!


いい子症候群の若者にとっての社会貢献とは何か。、、、それは誰かに「貢献する舞台」を整えてもらった上での貢献を意味する。

この表現がすべてを捉えていると思う1文。お膳立てさえあれば行動を起こせる、そのお膳立てが実はもっとも大変なことだったりするという気づき。


日本だけでの特徴として、「知識・能力・経験の自己認識が高い人たちの方が、失敗への脅威を強く感じている」という結果が明らかになったのである。逆に知識が能力が低いと認識している人ほど、失敗を怖がらない傾向にある。(国際比較調査より)

日本という国が世界的に見ても「自己肯定感の低い国民」なのかもしれない


若者への警鐘


指示待ちとは、究極のところ「答えを教えてくれることを待つ」状態を意味する。つまり、指示を出すほうが答えを知っていて初めて成立する。、、、今の世の中で、明確な「指示待ち」ができる状態があるとすれば、それはごく少数の恵まれた環境の場合だけだ。そのことを若者は理解していない節がある。

「0→1」や「1→n」以前に、答えありきを求められると指示を出す立場からすると辛い。やってみないとわからないことがあるをどう伝えるか、そこは組織としての心理的安全性も関わってくること。


私が考えるいい子症候群の最大の課題は、彼ら自身が単体で何の付加価値も生まないことだ。

最後に著者は以下のような警鐘を鳴らしています。「いい子症候群」の因数分解を「大人」に伝えるとともに、「若者」への注意喚起は是非本書を手に取って感じてみてください。頭で理解するのではなく、カラダで感じ、行動が必要。それは「大人」も「若者」も。


本noteはあくまで私の気になったワードを解説したに過ぎません。この記事で本書を読んだ気にならずに是非自身の目や耳で体感してください


以下私の読書録note。良かったら「いいね!」やフォローをお願いします。「いいね」やフォローは普通にうれしいので大歓迎で、次の書くモチベーションにも繋がります。




この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?