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表参道「Hotel's」に行ってきた話。

sioの鳥羽周作シェフが手掛ける「架空のホテルのレストラン」をコンセプトにしたHotel’sに初めて行ってきた。以前から、鳥羽シェフが目指す「おいしい」だけでない「感動」をいつか体験したいと思っていたが、やっと念願叶いランチの予約が取れた。

今回は予算の都合もあり、ランチのショートコース(5品)での予約だった。結果的に、別注文でデザートも頼んだので通常のコース(8品)にしておけばよかった。ハンバーガー美味しそう。スライダーというらしい。


入店

表参道駅から少し歩いた路地の先「ののあおやま」の2階にHotel’sがある。ちゃんとしたフレンチを食べるのなんか初めてだから期待感と合わさりめちゃくちゃ緊張していた。

店内に入ると丁寧でありながらもフランクに迎えてもらい、目の前でサラダやステーキを調理しているカウンターに案内された。店内の色味が明るい白っぽい木のテーブル・イスとネイビーの窯をベースに組み立てられていることもあり、店内は朗らかな雰囲気だった。スタッフはめちゃくちゃ多いし若い。


布石スープ

今回のランチショートコースはスープ・サラダ・スフレオムレツ・パスタ・薪火焼きステーキの5品。

最初のスープは人参の冷製スープ。人参をバターでよく炒めて甘さを引き出して最後に少しだけオリーブオイルをかけただけのシンプルなものだった。

人参の甘味とほんの少しのバターの香りと塩味は感じるが全体的に薄味にまとまっていた。ただ、少しだけかかっているオリーブオイルがめちゃくちゃおいしい。よく有名なシェフがオリーブオイルは調味料だとYouTubeとかで言っているがこれのことか!いつも家で使っているオリーブオイルは油だけどこれは完全に調味料だ。人参の優しい甘味とスープの冷たさが常温のままかけられたオリーブオイルを際立たせていた。

このスープが布石なんだよなあと内心ニヤニヤしながら味わった。


爆発チョップドサラダ

暑い東京の街から店内に入って冷たい繊細なスープを飲んだ次は20品目の食材を使ったチョップドサラダが出てきた。案内されたカウンター席の目の前で作っていたものだ。今回は旬ということもありカットされたイチジクが添えられていた。

種類が多すぎて入っているものすべてを把握することはできなかったが多分、トマト・きゅうり・グレープフルーツ・イチゴ・キウイ・ドライイチジク・リンゴ・パプリカ・砕いたナッツ(なにかわからない)・クミンシード・コリアンダーシードとかは入ってたと思う。最後にパルミジャーノがかかっていた。

いろんな種類の食材が混ざっているからどこから食べたらいいかわからなかったが、下の方からスプーンで掬って食べた。グレープフルーツの強い酸味や苦味、イチゴやドライイチジクの甘味が舌に一気に押し寄せる。さっきのスープで繊細になった舌には強烈すぎるインパクトだった。二口目は違うところから掬う。今度はフルーツや野菜の甘味や酸っぱさの上からクミン・コリアンダーを噛んだ香りの爆発が鼻に突き抜ける。どこから食べても何度食べても違う味・香りの組み合わせで味覚と嗅覚を無理やり起こされる感覚を味わった。


わかりやすく感動を味わえるオムレツ

サラダで味覚と嗅覚が刺激された後、温かいスフレオムレツが運ばれてきた。ふわふわのオムレツ、中には2種類のチーズ、クリームソースとオムレツの上にははちみつが少しかかっている。

スプーンでオムレツとクリームソースと蜂蜜を一緒に掬って食べる。ふわっとしたスフレの触感とソースと蜂蜜のうまみ・甘味が最初に襲ってくる。噛むとトリュフのような香りが鼻から抜けチーズのおいしさが口の中に広がる。
口に入れただけでニヤニヤが止まらないくらいおいしい。さっきのサラダの酸味と甘みから一気にうまみと塩味に口の中が切り替わり、よりオムレツやチーズの味の輪郭が際立ったある意味暴力的なおいしさだ。今回食べた料理の中で一番わかりやすくおいしかった。チーズとオムレツ相性が良すぎてシンプルにおいしい。毎朝朝食で食べたい。


食べたときはトリュフオイルがかかっているのだと思っていたが、多分チーズの香りだった。2種類のうち一つはパルミジャーノだと言っていたのを覚えているがもう一つは全然聞いたことがなかったからチーズの種類をまったく覚えていない。聞き直せばよかった。


さっぱり系アツアツパスタ

次が口直しかつ主食のトマトとバジルのシンプルなパスタ。口直しなら夏ということもあり冷製パスタかと思ったが、アツアツのうちに食べてほしいとのこと。

運ばれてきた瞬間に冷製ではなくアツアツで提供される理由がわかった。パスタの上に少しだけかけられたレモンオイルの爽やかな香りが、チーズやクリームで少し重くなった口の中をすっきりさせてくれる。
パスタはアルデンテの状態で出てきた。食べ進めるうちにちょうどいい硬さになるような絶妙な茹で加減だった。
トマトソースがこれまたおいしい。フレッシュさが強めのトマトの酸味やバジルの香りが際立ち、あえて乳化させていないオリーブオイル(おいしい)と絡まりおいしかった。
通常50gでの提供のところ大盛80gに変更してよかった。


期待通りのステーキ

当初の予定では最後に提供されるアンガス牛の薪火焼きステーキ。
カウンターの正面にある暖炉のような窯で直火焼きされていた。

薄くした味がつけられた赤身の肉は表面は薪火の香ばしさとゆっくり火入れされたしっとりさとがおいしい。脂の甘さを引き立たせる岩塩と肉のうまみを引き立たせるビール塩とで食べ比べもできる。
何もつけない状態でもおいしかったが、岩塩と一緒に食べた時のじんわりと感じる脂がおいしかった。赤身の肉汁がワインとの相性がいいので是非ワインと一緒に食べてほしい。


まろやかで爽やかなアイス

ショートコース自体はステーキで終了だが、スタッフの方に勧められデザートを追加注文した。デザートはプリンとアイスで選択でき、冷たいものが食べたかったのでアイスを選択。

アイスは自家製のミルクアイスにマジョラムを少し混ぜてさっぱりした風味にまとまっている。肉料理を食べた口の中をマジョラムのシソ科のスッとした香りとミルクアイスの甘い冷たさが綺麗に整えてくれる。マジョラムは食後に摂ると消化促進作用もあるらしく、デザートにちょうどいい。アイスの下には砕いたクッキーみたいなものが敷かれ食感も楽しい。


フルコースを食べたい

今回はショートコース(5品)+デザートの6品とワインのペアリングを楽しんだが、フルコースだと肉が大きくなり、スライダー(ハンバーガー)が追加されるなどHotel’sのおいしいものがさらに味わえる。ランチショートコース6,600円、ランチフルコース8,800円の差であれば絶対にフルコースの方がおすすめ。あとHotel’sは朝定食もあり、パリパリの焼き鮭など最高の朝食が食べられるので是非行きたい。

フルコースももちろん食べてみたいが次はおすすめされた兵庫のyokoyamaかyoutubeを見て行きたくなったSALONE2007に行ってみたい。

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