見出し画像

物語の2つの因数分解に見る、お笑い芸人・マーケティング・プレゼンの共通点

今回は、物語についてです。

聞き馴染みがないかもしれませんが、「Narrative (ナラティブ) 」 というものを取り上げます。

この記事でわかること

・Google 在籍時代の Narrative の思い出
・物語の2つの因数分解とは?
・お笑い芸人はなぜおもしろいのか?
・マーケティングやプレゼンへの応用

こんな疑問に答える内容を書きました。

この記事でわかるのは、魅力的な物語とは何かです。

Narrative (ナラティブ) という物語の考え方をご紹介し、人にどう影響力を発揮するかを書いています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。

Google 在籍時代の思い出

2018年9月末に、5年半いた Google を退職しました。

Google にいた時に、それまであまり聞かなかった言葉の1つにナラティブというものがあります。

Narrative の辞書的な意味は、「物語」 「物語文学」 です。

Google にいた時に目にしたナラティブの使われ方は、例えば、YouTube marketing narrative です。最初は、YouTube のマーケティングの戦略ストーリーという意味で捉えていました。

しかし、後から気づいたのは、この理解は正確ではありませんでした。

だんだんと使われ方やニュアンスがわかってくると、ナラティブの意味するところも理解できるようになっていきました。

では、ナラティブとは何でしょうか?

Narrative (ナラティブ) とは

Narrative とは物語です。2つの要素があり、ナラティブは 「物語内容」 と 「伝え方」 の両方があります。

Narrative = 物語内容 + 伝え方

ここが Story との違いです。

Story には前者の物語内容のみです。ナラティブにはさらに 「どう伝えるか」 まで含みます。ナラティブという言葉は日本語ではあまり使われませんが、ナレーションやナレーターがあります。

物語を、内容と伝え方に分ける考え方は、色々な気づきを与えてくれます。

例えば、お笑い芸人です。

お笑い芸人のおもしろさ

芸人の人が見ていておもしろいと思うのは、言っている内容もさることながら、言い方とタイミングが絶妙なことです。

1つ例を挙げると、漫才では話の内容自体は日常のありふれた1コマだったりします。

しかし、言葉のチョイス、話すスピードや間のとり方、ボケとツッコミのタイミングなど、コンビ2人のかけ合いによって、つまり 「物語内容」 だけではなく、「伝え方」 によって漫才は思わず笑ってしまう物語になります。

物語の 「内容」 と 「伝え方」 の因数分解は、マーケティングにも当てはまります。

マーケティングへの応用

では、ナラティブはマーケティングにどう応用できるでしょうか?

内容と伝え方はそれぞれ、「売りもの」 と 「売り方」 です。

マーケティングの 4P は、Product は売りもの、残りの3つ Promotion, Place, Price は売り方です。

同じ機能や特徴を持つ商品でも、マーケティングコミュニケーションからの伝え方、先ほどのお笑い芸人の例を続けると、「言い方」 や 「タイミング」 によって、魅力に思ってもらえる度合いは違ってきます。

マーケティングで大事なのは、誰に向けてなのかです。ターゲットを絞って顧客像を設定し、内容である売りものをどう伝えるかがマーケティングナラティブの肝になります

プレゼンへの応用

ナラティブの考え方は、プレゼンにも応用ができます。

プレゼンでは、発表資料という物語内容はもちろん重要ですが、内容をどう伝えるかによって、オーディエンスが興味を持って聞いてくれるかが変わります。

伝え方は例えば、以下です。

プレゼンの伝え方
・情熱を持って話す
・最初に話す目的やゴールを示す
・一人ひとりに語りかけるように話す
・問いかけを入れる
・あえて話さない 「間」 をつくる
・重要なところはゆっくりと大きな声で
・重要なキーワードは繰り返す

プレゼン内容と伝え方の2つを合わせて、どれだけプレゼンのナラティブを磨き込めるかです。これによって、相手を動かしたり、影響力のあるプレゼンにできます。

まとめ

今回は、ナラティブという物語の考え方をご紹介しました。

ストーリーではなくナラティブという 「物語内容」 と 「伝え方」 の両方を意識することは、仕事でも応用がききます。

最後に今回の記事のまとめです。

ナラティブ
ナラティブとは 「物語」 。「物語内容」 と 「伝え方」 の2つの要素がある。
ここがストーリーとの違い。ストーリーは前者の物語内容のみで、ナラティブにはさらに 「どう伝えるか」 まで含む。
お笑いの例
お笑い芸人が見ていておもしろいと思うのは、言っている内容に加え、言い方とタイミングが絶妙なこと。
漫才では話の内容自体は日常のありふれた1コマだが、言葉のチョイス、話すスピードや間のとり方、ボケとツッコミのタイミングなど、「伝え方」 で思わず笑ってしまう。
マーケティングへの応用物語の 「内容」 と 「伝え方」 の因数分解は、マーケティングにも当てはまる。「売りもの」 と 「売り方」 。
マーケティングで大事なのは、誰に向けてなのか。ターゲットを絞って顧客像を設定し、内容である売りものをどう伝えるかがマーケティングナラティブの肝になる。
プレゼンへの応用ナラティブの考え方はプレゼンにも応用できる。
発表資料という物語内容はもちろん重要だが、どう伝えるかでオーディエンスへの影響が変わる。内容と伝え方の両方からプレゼンのナラティブを磨き込み、相手を動かしたり、影響力のあるプレゼンにする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?