つばさ

長野県出身、鳥取県・智頭町在住。林業3年目。 「東北食べる通信」でのインターンを通じ、…

つばさ

長野県出身、鳥取県・智頭町在住。林業3年目。 「東北食べる通信」でのインターンを通じ、畑や海の現場に飛び込み、その魅力に惹かれる。 幼少期、森の幼稚園に通った経験も影響し、京都大学卒業後、新卒で林業の世界へ。 林業を広く知ってほしいと、林業ライターを目指し、noteを始めました。

マガジン

  • 日記・コラム・雑文

  • 道づくりの技術 ー林業の技術・各論

  • 【商品開発】木のモノづくり、実験中

  • 【連載コラム】林業家はなにをつくるか

  • 【読書録】森林・林業、その他(自分の中で)関連性のある書籍

最近の記事

【日記・雑文】溶接に挑戦してみました。

今日は、雨が降りそうな雰囲気だったので、 午後から山を下りて、溶接仕事。 丸太を運ぶのに何年も使ってるユニック。 その荷台がめげて、だんだんと前に倒れてきてしまったので、 金棒を溶接して、支えにします。 ※「めげる」って、鳥取に来て、よく使うようになりました。 「めげる」=「壊れる、ダメになる」は、一般的かもしれませんが、 「めぐ」=「壊す」という他動詞でも使います。(壁をめぐ、など) 方言なのでしょうか。 溶接をしよう、と言いながら、 唯一やったことのある親方

    • 【コラム】山から感じる、人びとの思い

      8月ころから、智頭町の板井原という地区の山で、 道づくり、間伐作業に入っています。 同じ智頭町内でも、地区によって、谷によって、土質が全然違うと、 話では僕も聞いていたのですが、 これまで2年半ほどは、ずっと真砂(まさ)土の山ばかりでした。 いわゆる「砂」で、サラサラとして、転圧しても固まりにくいです。 さらさらの砂 真砂は雨が降ると流れやすく、道が崩れやすい。 公園の砂山なイメージがいいかもしれません。 しかし、板井原は、粘度のある土に、適度に礫(小さな石)

      • 道づくりの技術③ 「道幅 / 地山勾配の違いによる、切土の変化」

        道づくりの技術・図解。第3弾。 ①②では、「盛土と切土」の基本について書きました。 ●道づくりの技術① 「盛土と切土」 ●道づくりの技術② 「段切り段盛り -盛土と切土」 はじめに 今回は、道幅(=機械の大きさ)と、地山勾配(=山の傾斜)を変え、 道がどう変化するのかを図にまとめました。 【注意書き】 書いていて、なんか切土の高さが、計算通りにいかないなぁと思ったのですが。 「そうだ、傾斜が緩くても全切りすれば切土は高いし、傾斜が急でも盛土を多くできれば切土は低くなる

        • ヒノキの香水 〜木のモノづくり、実験中

          ヒノキの香水を、つくってみました。 結果から言えば、一度目はそんなにうまくいきませんでした。でも改良したらうまくできるかも。 先輩から「この本に香水のつくり方が載ってたよ」と教えていただき、簡単そうだったので早速トライ。 ①香りを抽出したいものを細かくする。 ②ウォッカを注ぐ。 ③人肌で1時間温める。 ④コーヒーフィルターで濾過する。 と、こんな感じでつくりました。 材料は、ヒノキのチップと、わしゃわしゃ。 途中香りを確かめてみたら、けっこう良かったので、いけるかな

        【日記・雑文】溶接に挑戦してみました。

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        • 道づくりの技術 ー林業の技術・各論
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        • 【商品開発】木のモノづくり、実験中
          1本
        • 【連載コラム】林業家はなにをつくるか
          3本
        • 【読書録】森林・林業、その他(自分の中で)関連性のある書籍
          1本

        記事

          伐る木を見る林業、残す木を見る林業 【連載コラム】林業家はなにをつくるか③

          連載コラム「林業家はなにをつくるか」3本目。 前回、「林業家は、山をつくる」と書きました。 今回は、それをもう少し詳しく深掘ります。 林業にも、いろいろな形態がある どの業界にも、きっとある話だと思いますが、 一口に「林業家」と言っても、様々な形態があります。 漁業に、一本釣りから、延縄漁から、底引き網まであるように。 農業に、ハウス栽培から、有機農業、無農薬、自然栽培があるように。 あるいは、建築に木造日本家屋から、高層ビルがあるように。 ※どれかに優劣をつけた

          伐る木を見る林業、残す木を見る林業 【連載コラム】林業家はなにをつくるか③

          【読書録】日本人は、森を大切に守ってきたという幻想

          『日本人はどのように森をつくってきたのか』コンラッド・タットマン著。 アメリカの歴史学者によって書かれた日本の森林史の本です。 特に、飛鳥・奈良時代(600年頃)〜明治時代(1900年頃)までの歴史を扱っています。 育成林業(いわゆるいまの人工林林業)、木材生産のために、人が苗を育て植林を行ない、草刈りや枝打ち、間伐などの手入れを施す形態が、全国に広がったのは、江戸時代後期から明治時代(18世紀、1700年代半ばから)と割と最近で。つまりは、この本では、育成林業が拡がって

          【読書録】日本人は、森を大切に守ってきたという幻想

          【コラム】排水処理。それから、語る主語を変え、ローカルに思考し、試行すること

          ●排水処理先週、ひと現場の道づくりを終えました。 今日は、止水ゴムを入れ、水の処理を考えていきました。 「道をつけることは、水道(みずみち)をつけること」 という旨を、岡橋先生の作業道の講義で聞いたことがありますが、まさにその通りだなぁと実感をしています。 降った雨は、道を通り、集まり、速度を増し、道を削り、土砂を流していきます。 それを防ぐために、尾根(水の集まらない地盤の固いところ)で、道から水を流し、1カ所に集まらぬように分散排水をしていきます。 道か

          【コラム】排水処理。それから、語る主語を変え、ローカルに思考し、試行すること

          【日記・雑文】新見の道づくり、完了。

          いまの現場の道づくりが終わりました。ひとつずつ、成長させてくれた現場でした。 ヘアピンをつくりました。尾根沿いに道をつくりました。途中、尾根を割って、掘割りの道をつくりました。盛り土の法面が、最初に比べてきれいになってきました。自分で判断して、木組みを入れてみました。事前に決めた路線にこだわることなく、全体を見て、ちょっとだけ自分なりに路線を変更してみました。 適所で、先輩にアドバイスをもらいました。なるほどなぁ、そういう視点があるのか、と気づかせてもらいました。

          【日記・雑文】新見の道づくり、完了。

          林業家は、山をつくる 【連載コラム】林業家はなにをつくるか②

          前回の記事より続き。 【1から10までつくれない ー林業家はなにをつくるか①】 林業家は、山をつくる結論を言ってしまえば、 林業家は、山をつくっていると思います。 前回、いまの林業家は、 木材の6~8までしかつくれない、と書きました。 ただし、それは木、一本一本の話、 そして、林業を木材生産のためだけのものと考えたときの話です。 林業家は、木を伐り出し、生産することしかしていないのか。 きっと、そんなことありません。 道をつくり、間伐を行ない、木を搬出する。 そのなか

          林業家は、山をつくる 【連載コラム】林業家はなにをつくるか②

          1から10までつくれない 【連載コラム】林業家はなにをつくるか①

          いまの林業のメイン仕事「間伐」いまの僕の仕事は、間伐作業。 それは、日本全国の林業でもそう。 主には間伐作業をしています。 それというのは、戦後、国の拡大造林という政策によって、 全国各地で植林が進んだ山林が、50~60年という時間が経って、 伐期(※)を迎えているから。 出典:https://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/koutai.php (齢級とは、木の年齢の表し方。1~5年生を1齢級として数える。 表で突出する9~12

          1から10までつくれない 【連載コラム】林業家はなにをつくるか①

          【日記・雑文】木を挽く休日

          製材と一言でいえど、出てくるものは板や角材だけではありません。 木の皮(バーク)、おがくず、藁状の削りかす(わしゃわしゃ、名前なんだろう)。板になりきれない端材。 木一本から、板や角材だけとるのはもったいなく、また量も半端ではないので、どうにかせねばと使いどころを考え中です。 板材で、本棚や木箱にカッティングボード。 バークは、小屋の屋根材。 おが屑は、木質堆肥。 木のわしゃわしゃは、梱包資材と入浴剤。 端材は、薪か炭に。 先輩がつくったヒノキの下駄箱は美し

          【日記・雑文】木を挽く休日

          道づくりの技術② 「段切り段盛り -盛土と切土」

          ※本コラムは、まだまだ未熟ないち林業家が、諸先輩方からの教えや、自身が仕事する中で気づいたことを、まとめたものです。多少なり、勘違いや間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。もしよろしければ、教えてくださると嬉しいです。 前回、道づくりの技術①「盛土と切土」を書きました。 最後はこんな図で終わっていたのですが。 公開したところ、いろんな方々からフィードバックをいただき、 もう少し深く、実践的な内容を。 段切り段盛り上の図では、地山にそのまま土を持っている風ですが

          道づくりの技術② 「段切り段盛り -盛土と切土」

          道づくりの技術① 「盛土と切土」

          ※本コラムは、まだまだ未熟ないち林業家が、諸先輩方からの教えや、自身が仕事する中で気づいたことを、まとめたものです。多少なり、勘違いや間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。もしよろしければ、教えてくださると嬉しいです。 道づくりの技術を図説していきます。 最初は、盛り土と切土について。 本当に基礎の基礎から、こまめにまとめていきます。 山を横から見たらこんな感じ。 この斜面に、水平の道をつくります。 必要な道幅は機械の大きさによって違いますが、 ここでは、僕の勤

          道づくりの技術① 「盛土と切土」

          見えないものを観る仕事

          山仕事をするなかで、大事だなぁと思ったこと。 観察、想像、そして創造。 この3つ。 想像力、仕事を安全に行う。仕事は段取り8分と言うが、 林業も例に漏れず、シミュレーションがとても重要になる。 シミュレーションとは、「ここをこうしたら、こうなる」という思考のこと。 山の中で想像通りに物事が進まないことは、 そのまま命の危機に直結する。 木が狙った方向に倒れなかったら、 自分が木の下敷きになってしまうかもしれない。 止まると思った丸太が、転がり始めたら、 仲間に激突してしま

          見えないものを観る仕事

          自分が思う、現段階の林業ライターの方法

          昨日、「林業ライター」として仕事をもらいたい、 ということを話しましたが、 具体的にどうするのか、をもう少し詳しく。 林業ライターを名乗る理由基本的には、いままでやってきたこと(Facebookでの投稿)と、 あまり変わりません。 現場の技術や、仕事の中での気づきを、 できるだけわかりやすく、言葉に換え、伝えていくことです。 ただ、「林業」や「自然」や「社会」という大きな枠組みで話すことは、 意識的に控えていました。 まだ自分には早いと思っていたことと、 それよりももう少

          自分が思う、現段階の林業ライターの方法

          林業を、伝える。次の時代を、描く。

          結論。林業note、始めます。 理由は2つ。自分のためと、誰かのため。 —————————————————————— まず一つ目は。 コロナの影響が、じわりじわりと林業にもきています。 材価は下がり、原木市場が開かれなかったところもあると。 そんななかで山(原木丸太)の収入だけに頼るのはやばいと、 弊社でも、薪をつくったり、自社製材をすることで、 「木」に付加価値をつけようと、工夫してきたつもりであります。 一方で、それは自分にも言えて、 林業事業体からの給料だけで

          林業を、伝える。次の時代を、描く。