道づくりの技術③ 「道幅 / 地山勾配の違いによる、切土の変化」
道づくりの技術・図解。第3弾。
①②では、「盛土と切土」の基本について書きました。
●道づくりの技術① 「盛土と切土」
●道づくりの技術② 「段切り段盛り -盛土と切土」
はじめに
今回は、道幅(=機械の大きさ)と、地山勾配(=山の傾斜)を変え、
道がどう変化するのかを図にまとめました。
【注意書き】
書いていて、なんか切土の高さが、計算通りにいかないなぁと思ったのですが。
「そうだ、傾斜が緩くても全切りすれば切土は高いし、傾斜が急でも盛土を多くできれば切土は低くなるんだ」と、途中で気付きました。
なにを言っているか伝わらないかもしれませんが、要するにまだ不十分なイラストでした。すみません。
いつ半切り半盛りできるか、いつ全切りしなければいけないか、はまだまとめられていないですが。
地山勾配と道幅によって、どう変化するかの、あくまで一例として、見ていただければ幸いです。
一つ、大事な視点が「切土の高さ」。
これが「山をどれだけ削り、負荷をかけているか」の一つの指標であり、
高ければ高いほど、崩れやすくなります。
うちでは、機械でも小型のものを使い、
切土を1.5~2mまでにとどめたいと思っています。
(ヘアピンは例外で、どうしても切土は高くなってしまいますが、
崩れにくい尾根につくるようにします。)
では、イラスト図解と、写真とともにどうぞ。
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【地山勾配20°】
地山勾配20°がこれくらい。歩きやすく、作業しやすい。
【地山勾配30°】
地山勾配30°、半切り半盛り。
実際はこの計算もう50cmくらい、切土が高いことが多いと思います。
普段は、7切り3盛りくらいってことかなぁ。一例として。
地山勾配30°、実際の写真。赤白ポールの棒で測っています。
これで道幅2.2mくらい。切土の高さは1.3mくらいあります。
これぐらいが標準的な傾斜かなぁという、個人的見解。
【地山勾配40°】
地山勾配40°、全切り。もう少し低い切土になることが多いです。
普段は、8切り2盛りくらいってところかなぁ。一例として。
地山勾配がキツくなれば、盛土はしにくかったりします。
切土の高さが、2.5mや3mを超えてくると、切土を垂直には保てません。
したがって、切土の角度をちょっと寝かせますが、
そのために山をさらに数十cm削り、その分立木を伐ることになります。
地山勾配40°、実際の写真。手前の赤白ポール。
登っていても、しんどいなぁと感じます。
友人から借りました。
傾斜は40°もないですが、道幅3mほど、切土も3m以上あるでしょうか。
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【盛土の勾配について】
実際の盛土。ここでは38°でした。
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最後に
なかなか不十分なまとめになってしまいましたが、
道幅(水平の線)が長くなれば、切土の高さ(垂直の線)も長くなるのは変わりません。
当たり前のことですが、道が1m変われば、
切土も想像以上に、大きく変わるものだなぁというのが、
道をつけ始めて、僕が感じたことでした。
道をつくるときは、10cm、20cmの単位で、微調整します。
大きな山から見れば、大したことなさそうですが、
これがやってみると、大したこと、ありました。
10cm、山を余分に削れば、道に被り、伐らなきゃいけない木が増え、
道の頭上は、大きく伐り開かれ、風が通りやすくなります。
すると、木は強い風に煽られ、傷ついたり、もしかすると倒れるかもしれません。
道幅2.2mの伐開。最低これぐらいは伐らなければならないのは、
もどかしくも、いまは仕方のないところ。
もう20cm、山を削ると、道際の木をもう一列伐ることになります。
見上げるとこんな感じ。木を一列、伐っています。
道幅3mだと、もう1列、2列、伐り開きます。
切土は低く、道沿いの木はできるだけ伐らない。山への負荷は極力減らす。
地味ではありますが、そんなことを考えながら、道をつくっています。
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つばさ
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