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着物で展覧会@『美人画 麗しきキモノ』展(後期)

太田記念美術館で開催中の展覧会『美人画 麗しきキモノ』(後期)に行ってきました。

展覧会『美人画 麗しきキモノ』は、前期・後期に分けての展示ですが、前期と後期でほぼすべての作品が入れ替えとなります。先月、前期展示に行って、期待していた以上の内容に
「後期も行かなくては!」
と思っていたのですが、展示期間も残り数日前になって、ようやく行くことができました。(展覧会は、本日、10月22日まででした。)


浮世絵を近くで見るからわかること

前期の展示を見に行った時の感想でも書きましたが、細かい線や模様、微妙な色づかい、紙の凹凸など、実物ではないとわからないこともあります
ガラスケース内の展示なので、時々、光ってわかりにくい場合もあるのですが、実物を近くでみることで、様々な発見があって面白かったです。

■ 単衣のシアー感の表現

鳥高斎栄昌「扇屋見世略おうぎやみせやつし はしたて・あやこし・はなひと」
メトロポリタン美術館

吉原で最も格の高い妓楼・扇屋の張見世はりみせの情景を描いた「扇屋見世略おうぎやみせやつし」。背景のゴージャスな孔雀の絵に目が行くかもしれませんが、3人の遊女たちの着物にも注目して欲しい作品です。
3人の遊女たちが着ているのは、透け感のある単衣ひとえの着物。涼しげで上品な透け感が色の濃淡などで表現されています。

■ 無地に見えて、実は細かい模様入り

三代目歌川豊国、二代目歌川国久「江戸名所百人美女 いひ田まち」

国立国会図書館デジタルコレクション

茶道の稽古中の武家の娘を描いた「江戸名所百人美女 いひ田まち」。画像ではわかりにくいのですが、コーデのアクセントにもなっている白い半襟と白い中着には模様が入っています。
白い半襟には卍を斜めに崩したような紗綾形さやがた模様、着物の裾からのぞく白い中着にはWi-Fiのマークのような青海波せいかいは模様。どちらも、エンボス加工のような形で描かれているのです。


着物で展覧会に行ってみる

『美人画 麗しきキモノ』展は、着物で行くと入館料が割引になる「着物割」がありました。
前期展示の時は、残暑が厳し過ぎて着物で外出する気にならなかったのですが、後期展示は着物で行ってきました。私が行った日は、着物で展覧会に来ている人が意外と多かった印象です。着物に関する展覧会だと、
「着物で行ってみようかな?」
という気持ちになりますが、着物割があると、着物で行くモチベーションもアップするような気がします。

五渡亭国貞「今世斗計十二時いまようとけいじゅうにとき 未ノ刻」
国立国会図書館デジタルコレクション

着物で行くと割引特典があるのは、東京都内だと山種美術館。そのせいか、どの展覧会でも着物姿の方がいるように思います。
また、今回の『美人画 麗しきキモノ』展のように、展覧会の内容などで着物割がある場合もあります。
着物で外出する機会を増やしていきたいですね。

『美人画 麗しきキモノ』展に行って、浮世絵の着物コーデは現代でも参考になると再確認することができました。


この記事では、太田記念美術館で展示されていたものと同じような画像(パブリックドメインで公開されているもの)を使っています。


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