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人生100年時代への「LIFE SHIFT」を考える本

ようやく『LIFE SHIFT 2』を読み終えました。
『LIFE SHIFT』の続編となりますが、前作を読んでいなくても問題はないと思います。『LIFE SHIFT 2』は2020年の刊行なので(日本語版の刊行は2021年)、より現状に即した内容になっています。

『LIFE SHIFT 2』では、20代から70代までの架空のキャラクターが登場します。自分に近い世代のストーリーに共感したし、他の世代の人のストーリーに「この世代は、こんなことを考えているんだ」という気づきがあったり。
そして、「それでは、自分はどうしなくてはいけないのか?」と考えるヒントを提示してくれる本だと思います。


「今までの当たり前」が通用しない。それではどうする?

この本は、前作を受けて、「年齢にとらわれず、人生100年時代をより良くいきるにはどうするべきか」にフォーカスしているように思いました。
具体的には、

  • 年齢についての考え方を改める

  • 時間に対する考え方を変える

  • 生涯にわたって学び続けることの重要性(特に、大人になってからの学び)

  • 未来に向けて、個人が自分で準備することの必要性

などのテーマで、データなどに基づいた著者たちの考えが提示されています。

人口の高齢化が進む中、2020年にパンデミックが発生しました。その対応の中で、さまざまな課題があぶり出されたと同時に、テクノロジーの変化、特に、IT化が急速に進んだように思います。
私自身も、大学教員になって1年目の年に、オンライン授業対応であたふたしたことを覚えています。(今になってみると、良い経験だったと思っています。)

現在、自分の親世代だけではなく、少し上の先輩たちの「今までの当たり前」だと思っていた人生の過ごし方が通用しなくなってきていると感じています。


マルチステージ人生では、年齢を言い訳にはできない

今までは、「教育→仕事→引退」という年齢だけを基準とした3ステージの人生でした。現在は、3ステージの人生から、マルチステージの人生へと移行しつつあります。

マルチステージの人生とは、キャリアの流動性が高い人生のこと。3ステージの人生は、「1つの会社で勤め上げる」という人生が一般的で、もしかしたら、まだ主流なのかもしれません。
それが、人生100年時代のマルチステージの人生では、自分の人生設計に基づいて、さまざまなキャリアを移行しながら長い職業人生を送ることになるのです。その結果、キャリアの途中での転身は、当たり前のことになります。企業も、より柔軟な働き方を認めなくては、就職先として選んでもらえなくなるのです。

職業人生が長くなった結果、60歳は「定年」という区切りの年だったのが、「通過点」になりつつあります。マルチステージの人生に移行しつつある現在、60歳を目前にして「こんなはずじゃなかった」ととまどっている人もいるような印象があります。

年齢に対する考え方も改める必要があります。「生物学的年齢 ≠ 主観的年齢」なのです。
年齢に対する社会規範はまだ残っていますが、これからは
「もう年だから……。」
は言い訳にはなりませんし、
「若くて経験がない」
も理由にはなりません。


いくつになっても学び続けることが必要になってくる

マルチステージの人生では、さまざまなキャリアを移行しながら長い職業人生を送ることになります。自分で考え、判断・選択しながら生きていく力がより求められるようになり、そのためには、学び続けることが必要になります。

学校教育と異なり、大人の学びの場合、自分から学ぶことになります。いつからでも学び始めることができますし、一生学び続けることになるかもしれません。もちろん、仕事をしながら学ぶことも多いと思います。
その中で、新しいスキルや考え方を学ぶと同時に、古くなってしまったスキルや考え方を捨てるというアップデート作業も行うことになるでしょう。


自分で人生をデザインする時代

人生100年時代は、自分で人生をデザインしていく時代なのです
ただし、人生100年時代といっても、「もしかしたら、自分は100年生きることができるかもしれない」ということ。思いもよらない事故に巻き込まれる可能性もあり、自分の寿命の予測は不可能です。

そうであれば、今を大切に生きることで、後悔のない人生を送ることができるよいのではないか。『LIFE SHIFT 2』を読み終えて、そんなふうに感じました。

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