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あのぉ、エクスキューズミー。/石井

中学生の頃、社会科の先生が言いました。「君たちが大人になった頃、国際化社会になってる」


先生、大人になって20年経ちましたが、これが国際化社会なんでしょうか?


いや、これからが本当の国際化社会なんだと気付かされる出来事がありました。


GWに滋賀県「こどもの国」へ遊びに行きました。かつては日本人だらけの田舎で不便だけど、安くて楽しい場所でした。今は、アジア系とブラジルからと思われる家族も楽しそうに時間を過ごしています。きっと旅行ではなくて在住の方達だと想像します。


GW中のさらにこどもの日だったので、人気の遊具は列を作るほどの人でした。なかで人気なのが、遠心力で回るブランコで、1人がけの椅子が5つあり、大人が押して回すという、なかなかスリリングな乗り物です。


私が並び始めた時はすでに3組くらい並んでいて、看板には「5分を目安に交代してください」と書いてありました。


そう5分


しかし次に乗り始めた、ブラジル人の家族は違いました。5分経過しても一向に代わる様子はありません。皆とっても楽しそうに笑顔で乗っています。押してる3人のお父さん達もめちゃ楽しそう。


先頭で順番を待っている5歳くらいの男の子は「のりたいーーー!」と泣き出しました。


しかし、ブランコはすごい勢いで回り続けます。きっと待っている日本人の心の中は「まだ?」「早く代わってほしい」だったと思います。


そう心の中は。


大人は誰も何も言わずに待っている。ひたすら待っている。


私はこんな時英語でなんて言えばいいんだっけ?と頭の中で「エクスキューズミー」だけ連呼してました。


そして回って回って回りまくって、飽きたと思われる頃にやっと交代となりました。多分15分くらい回ってたんじゃないかと思います。


私は「まだ?」「ながいー」というこどもの不満から解き放たれて安堵しました。(いや、まだ順番ではないのだけど)


そして日本人になると、スムーズに3分(!)くらいで交代する空気感が生まれました。


そう、そこには空気を読むとか、配慮するといった日本人が得意とする文化がありました。


一見この文化は素晴らしい様ですが、危ういと思いました。


あのブラジル人達は、5分という目安は知らなかったかもしれないし、知ってたとしても体感では5分くらいだったかもしれない。ただ楽しいし、何も言われないから、回り続けたんだと思います。


そう、日本人が何も言わずに待ち続けたから。


発言して、意見して行かないと、どんどん日本人は待ち続けるだけで、色々奪わていくんじゃないかと、身にしみた一日でした。


国際化社会に必要なのは英語力なんかじゃなくて、意見する力だとも思いました。


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