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チューニング / 花園SP

私の性別は、グラデーションでいくと女性寄りですが、男性もわりと入っていると思います。
 
手芸や料理はイヤイヤやるけど、工作は大好き。
天然生活よりもメカニカルなものが好き。
 
高校生のころ、私は「家庭」という言葉が苦手でした。
芸能人が結婚会見でよく言っていた『あたたかい家庭を作りたいです♡』というコメントにアレルギーを起こしていました。
私の育った家はごく普通に平和で「家庭」をイヤがる理由なんてどこにもないのに。
 
『家庭に入る。』っていう表現がありますよね。それが「守り」に入るみたいでイヤだったのかな。
「家庭」という言葉が「あたたかい」や「幸せ」とセットにされがちだから?
ああ、「家庭」がイヤなんじゃなく、その言葉の使われ方が好きじゃなかったんだな、きっと。
 
そんな私は、広島県の山の中腹にある、中高一貫のカトリックの女子校に、6年通いました。
 
「女子校」ってどんなイメージがありますか?
なんか偏ってる?
恋愛対象が無いから退屈そう?
 
実はですね、女子だけの環境になると、その中でグラデーションが発生して、宝塚のような「男性役」が出てくるんです、不思議なことに。
私自身もかっこいい上級生のお姉さんに憧れましたし、逆に上級生になると、身長がある私は必然的に男性役に回り、下級生からバレンタインチョコをもらって喜ぶという顛末。
友達同士でも「そのえ」とか下の名前でなんて絶対呼ばないし、基本は「苗字で呼び捨て」。
なんかもう、性別なんてぐちゃぐちゃで、なんでもありで、おもしろかったです。
 
「女性」とか「男性」とかくくられず、グラデーションで生きていられるほうが気持ちいいなあー、って思っていました。
 
ただ、30代後半に子供を産むことになって、お腹が大きくなってきた頃、さすがに自分が女性であることを強く実感するときが来た!と思ったんです。
・・が、そんなこともなく。もっと生物に近い、サナギにでもなったような気がしました。
身体の中で起こる変化がダイナミックすぎて、あんまり動きたくなくなったし。。
 
で、生まれてきたのは可愛い赤ちゃんでしたが、それも内心(カブトムシの)幼虫みたいだなあと。
もちろん口にはしませんでしたが、腕の中にくるんとまるまる感じ、もう、いとおしくてたまらず、『これは守らねば!』とすっかり守備モードに入りました。
 
これ、「母性」なのでしょうか?
結果、2回産むことになるのですが、幼虫、いや子育ては、すべてが初めてすぎて、あっとおどろく発見の連続で、楽しかった記憶しかありません。
 
そんなこんなで、母親としての意識はうすいまま、ここまで来てしまいました。
 
息子は小学生の頃からロボット教室に通い始め、ぐんぐん能力を開花させ、全国大会まで出場できるようになって『すごい、すごい!』と力いっぱい応援していたら、私も一緒にそのロボットの魅力にハマってしまい、果ては『自分にもできるかも?!』と勘違いして真似し始めます。
その結果「異能β」にもなれましたし(※前回note参照)、これは本当に100%息子のおかげ。
 
一方、娘は小学生の頃から英語が好きで、英検を取りたいと頑張っていたので、その勉強に付き合っているうちに、また私の方がハマってしまい、どうせなら一級を狙おう!と、毎日「出る順パス単」(※参考書)を2ページずつ、コツコツやっています。
もし万が一合格しても、今更なんの得にもならないのですが、そんなことはどうでもよく、高いハードルを設定して、チャレンジして、ドキドキしたいのです
 
・・普通なら子供たちの伴走をし、応援をし、陰ながら支える立場なのでしょう。
が、私は面白そうだったら同じグラウンドで一緒にその競技をやりたくなってしまうのです。
いつのまにか単独プレーになっていたとしても・・
 
ただ、学校の参観日はいつも楽しみにしてます。母親っぽい気分をぞんぶんに味わえるから!
ちょっといいお母さん風のコーディネートを心掛けて出かけてます(^^) 仮装のノリで。
 
そんなわけで、ふだんは男女とか年齢とか父とか母とか親とか、何にも属さず、ときどきその役になりきるぐらいがちょうどよくて。
そのせいか、年々ピントがボケてきて、自分と他者、身の回りのものとの境目までグラデーションです。
 
たまたま私はこんな感じで、たぶんマイノリティですが、
『みんなちがって、みんなどうでもいい。』(※by落合陽一)
 
【本当の自分】なんてどこにもいなくて。
いろんな自分がいて、それがグラデーションになってて、毎日いい感じにチューニングしながら生きている方が楽だなあ。
自分の息子や娘にもシンクロしてしまったように、どこからどこまでが自分なのかなんて分からなくなってきてるし、ツバメルーフに居ると愛子さんやゆう子さんモードも入ってきて、自分が面白いことを言えてる気になれちゃうし。(※2人はネタ作りに精を出す大阪人)
 
『これ、ぜったい得やん!』と思う、今日この頃です。
 


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