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里山大百科「夏」オオヨシキリの子育て

ヨシ原のオオヨシキリ

里山の元気者オオヨシキリがやってくると、アシ原は急に賑やかになる。オオヨシキリのオスが朝早くから日没間ぎわまでひっきりなしに鳴き続けるからだ。

一夫多妻のオオヨシキリのオスはメスへのアピールに懸命なのだろう。やがてアシ原のあちこちでたくさんのヒナが誕生する。

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アシ原のオオヨシキリ(上)アシ原のいちばん高いところにとまって鳴くオオヨシキリのオス。「ギョシギョシ・・・」と間断なく鳴いている。

メスに給餌するオス
(下)抱卵中のメスにオスが餌を運んできた。オオヨシキリは一夫多妻で、巣はアシとアシの間に枯草やチガヤの穂などをからめて作る/埼玉県浦和市(撮影・平野伸明)


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カエルやバッタなどの餌を雛に運ぶオオヨシキリの親鳥/埼玉県浦和市(撮影・平野伸明)


オオヨシキリの巣にうみつけられたカッコウの卵

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オオヨシキリの卵とカッコウの卵/埼玉県浦和市(撮影・平野伸明)

オオヨシキリは普通4~5卵産む。カッコウは巣を訪れ、すばやく卵を産み、オオヨシキリの卵から1卵を捨てるか、飲み込む。ひと回り大きい右のものがカッコウの卵。

托卵されたオオヨシキリの巣

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托卵された巣/埼玉県浦和市(撮影・平野伸明)

オオヨシキリの巣にカッコウが托卵(他種の鳥の巣に産卵し、抱卵。育雛させること)。托卵された卵はオオヨシキリのメスが抱き、雛がかえってもそのまま育てる。

カッコウの雛

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カッコウの雛/埼玉県浦和市(撮影・平野伸明)

巣中で成長し、巣立ちしたカッコウの雛。オオヨシキリの卵より早く孵化し、すでに仮親のオオヨシキリより体が大きい。仮親の卵を巣外に排除する。


※「里山大百科」のコーナーは、2000年にTBSブリタニカより出版された「里山大百科 いちばん身近な自然の四季」(平野伸明、新開孝、大久保茂徳・著)をWeb用に再編集したものです

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▲オオヨシキリの鳴き声を4K画質・外部マイクを利用した生音の動画で聴くことができます。

▲カメラマン平野伸明による、「カッコウに托卵されたオオヨシキリの巣」を撮影した時のエピソードがあります。また、カッコウが托卵できる巣・できない巣の条件についても。





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