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映画「FALL」 命知らずすぎる主人公の女友達に最初から最後まで一切の感情移入ができない

Amazonプライムで映画「FALL」を鑑賞。大まかなストーリーとしては、フリークライミング中にパートナーと死別してから生きる気力を失った女性ベッキーが、その友人ハンターと600mの鉄塔に登って帰れなくなりサバイバルする話である。

ハンターは危険な場所での動画を投稿するyoutuberで、悲しみを乗り越えるためには恐怖に打ち勝つべきとかいう謎の理論でベッキーを連れ出し鉄塔登りに強制参加させる。

ネタバレになってしまうので詳細は書かないが、このハンターが本当に怖いもの知らずな性格すぎて全然共感できない笑 途中何回も帰りたがるベッキーを叱咤激励しテッペンまで連れていき、動画投稿のためだけに危険な箇所に命綱無しでぶら下がったりする。彼女が無事に帰還できるかは鑑賞後のお楽しみとして、なんというかもう死亡フラグどれだけ立てるんだという感じのキャラクターである。

帰り際になって梯子が壊れてしまい帰れなくなってから二人のサバイバルが開始するのだが、この状況になって初めて、ハンター意外といい子じゃんと思えてくる展開になる。帰る方法を模索するためにメチャクチャなリスクを自分の危険を顧みず率先してとりまくる。すごい。さすがデンジャラス系動画配信youtuberである。

でもどんなに彼女が活躍しようとも、そもそもあんたがこんなとこに連れてこなきゃこんなことにならなかっただろうという感想しか出てこない。しかも、途中でも何回も引き返せる場面はあった。

映画のストーリ上てっぺんまで来なければ面白くはならないから仕方ないのだが、自分がベッキーだとしたら、確実のハンターとは今後つるまないと思う笑 でも映画の中ではすごいいい子風になっているのがなんだか納得いかない笑

本作はアメリカの作品だが、根本的に日本人とリスクや命の重さに対する感覚が違うなと思った(どちらが良い悪いというわけではなく)。ハンターのようなキャラクターは、アメリカ人の中でも多少ぶっ飛んでる性格なんだと思うが、日本人の作品の映画だったら絶対あんな人は出てこない。

動画配信のために命かけるとか、どんなにやんちゃな若者でも日本人ではいないタイプだと思う。でも米国においては、どんなにぶっ飛んでいて命を軽んじていても自己責任だからまあありなんじゃないみたいな価値観を映画の中から感じる。「命」というものに対する日本と米国の考え方の違いを非常に感じる映画出であた。

比喩ではなく本当に手に汗を握る映画なので、そういうものを求めている方は是非鑑賞してみるといいと思う。


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