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【読書感想】生きのびるための事務(坂口恭平)

本書要約

自分の送りたい生活を目指すためには、生きていくために必要な最低金額を把握して、稼ぎたい金額を設定する。そして、現在どんなことにどれくらい時間を使っているのかを円グラフのような形で可視化して、おんなじように10年後にはどんな時間配分で生きていきたいのかを書き出してみる。

その10年後に設定した時間配分で生きていくためには、現在の時間配分をどのように変えていけばいいのかを考える。そして、実行すべきことを文字や数字で具体化していく。なりたい姿や職業なんかを名詞で設定するのではなく、具体的に「なにをしていたいか」の動詞で考えることが大事。

そしてその行動を淡々と積み重ねる。大事なことは完璧を目指さないこと。例えば文章を毎日書くことを目標にしているのなら、完成度は気にせずとにかく書きたいことを書く。クオリティよりも継続が大事。継続していれば自ずとクオリティは上がってくる。とにかく続けることが大事なのであって、完璧を目指すために面倒になって挫折してしまうのは本末転倒である。

どうせ最後はうまくいくと信じること。そのようにして具体的行動を日々積みかさねていく。


感想

自分は社会に出てから10年弱、とにかく収入を上げたいとか、海外出張に行きたいとか、ワークライフバランスを保った職場で働きたいとか、ふわっとした理想だけが頭の中にあって、いつまでもいつまでも、なんだか心から幸せではないな、将来が見えないなと迷いながら過ごしてきた。実際収入があがったり、海外出張に行く機会もあったが、それを終えた後は、この次なにしたいんだっけ?という満たされない気持ちにもなっていたように思う。

それは、自分がこういう生き方をしていきたいという理想像がはっきりしておらず、目指すゴールを「線」ではく「点」に設定してしまっていたので、それはいつまでたってもぐるぐるしてしまうよなと納得した。

動詞のレベルでこういうことをしていたいということが明確化できていなかったんだと思う。この本を読んで、そのあたりの思考の整理ができた気がして大変ありがたい。「理想のキャリアパス」みたいな、誰かが作った存在しないものを追いかけるのではなくて、自分がやっていきたいことを動詞レベルで考えて、それで生きていけるように行動を積みかさねていくことが大事なのだ。

そのために今の時間の振り分けをどうしたらいいのか考える。シンプルで素敵だなと思った。今からでも遅くないと思うので、少しずつ実践していきたいと思う。

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