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「嵐を起こして、すべてをとかすの」 〜メディア再編の話〜

新年、あけましておめでとうございます。海石榴(つばき)です。
今日は、大晦日のNHK紅白歌合戦で披露された『嵐の素顔』から、2023年に起こるであろう歴史的邂逅の予感とメディア再編の話をしたいと思います。

---工藤静香さんが「35周年SPメドレー」として歌った『嵐の素顔』ですね。そういえば、海石榴さんは高市早苗さんと同じく、古いハードロックが好きだとか。世良正則さんと野村義男さんとのロックバージョンで見たかったんじゃないんですか?
そのバージョンは、「みなさまのNHK」では難しいかもしれませんね(笑、*1)。
この曲が発表された1989年は、ベルリンの壁崩壊がありました。この曲を政治的な動きと重ね合わせて聞いた人は少なからずいたはずです。

ただ、今の日本では、”全てを壊して”も後始末が大変ですよね。今年は、和田アキ子さんが「全てを溶(解)かすの」と歌い上げるソウルフルバージョンをぜひ聴いてみたいと願っています。

もはや、値下げ競争の時代ではない

---「全てを溶(解)かす」とはどういうことですか?
日本の歴史的な政治課題に、和解と融合が期待できるチャンスだということです。例えば、総務省管轄の携帯電話事業に関する出来事を時系列に並べてみます。

2014年 KDDI・沖縄セルラー電話とソフトバンクが、それぞれサブブランドUQ mobile(2GB月額980円~)、Y!mobile(1GB月額2,980円〜)サービス開始。
2019年 楽天モバイルが第四極として移動体通信事業者(MNO)サービスを開始。
2020年 楽天モバイルが「自社エリア内データ容量の上限なしで月額2,980円」を提示。
2020年 9月に発足した菅義偉内閣、日本は「世界で2番目に高い通信料金」と指摘。
2020年 UQ mobileとY!mobileが、菅内閣からの要求を受けた形で、「20GBで月額4,000円前後」の料金体系をそれぞれ発表。
2021年 NTTドコモがサブブランドahamo(20GB2,970円〜)を開始。

各社のニュースリリース、読売新聞記事などから作成

「日本国内の限られた契約者数をめぐって、通信事業各社が値下げ競争に励んできたこと」が読み取れますよね。菅元総理大臣が実現させた携帯電話利用料の値下げは、「分かりやすく納得感のある料金・サービスを提供する」という政策上の建前もあったでしょうが、背景には通信事業車間の閉鎖的構造における政治的駆け引きがあったはずだとわたしは推測しています。限られたパイをめぐって、事業者が値下げ競争をする時代ではない。更なる調査報道を期待しています(*2)。

デジタルとリアルをつなぐメディア再編

---他にはどんなことがありますか?
「テレビ(放送)とネット(通信)の融合」「紙の新聞とデジタル記事配信」といったメディアに関するテーマですね。
・SNSやネットメディアのステルスマーケティング(”ステマ”)
・SNS上の誹謗中傷や”フェイクニュース”
・新聞紙の購読者数減
・NHKの受信料や電波使用料負担をめぐる”公共性”の考え方
など、メディアをめぐる課題は頭を抱えたくなるほどたくさんあります。

世間の皆さんの”知りたい”ニーズに、貴社は応えられていると思いますか?
”記事とはこういうものだ”と諦めていませんか?と、関係各位の皆さまにお伺いしたい。ここはひとつ重い腰を上げて、デジタルとリアル、SNSとテレビと紙面、つまり「日本語メディア」全体を一つのエコシステムとして捉えるメディア再編に取り組みませんか、というご提案をさせていただきたいと考えています。これについてはまた追ってお話しします。

持続可能な社会を維持するために

---そういえば、前回は労働市場の「正規と非正規の格差」がテーマでしたよね。「正規と非正規を隔てる壁がなくなったら、正規労働者の給料は下がるよな」と嫌な予感がしたんですけど・・・
男性正規社員の山型のグラフは、「若いうちは手取りが少なくても、そのうち妻子を養える給与をもらえる」という社会の暗黙の了解でした。当たり前のように結婚して子どもを持つ、持続可能な社会の象徴ですね。ただ、昨今は、その恩恵に与れない人たちが増えたために、「ろくに仕事をしないくせに給料が高いおじさん」への怨嗟の象徴にもなっています。

ミクロの実態がなんであれ、日本全体としてはなんとしてでも、新しい方法で、これまで男性正規労働者が必死に守ってきた豊かさを維持しなければなりません(*3)。裾野が広いからと自動車産業や医療業界に公的資金を注ぎ好況を装い続けて不安になりませんか。世界で戦える高付加価値をもたらす事業をどうやって創り、育てて、社会全体に行き渡らせるかを一生懸命考えている人たちがいます。

---具体策は動き出しているんですか・・・?
小学生の息子がいま、「漫画を描くのが好きなお友達のアイディアをゲームにするんだ」とscratchのコーディングに励んでいます。じゃあ、ママはそのゲームに登場するアイテム(*4)の物流と販売PR方法を考えるわ。かっこいいゲームを作ってね、と。あくまでもイメージですけれど、

・SMRやゲームとリアルを組み合わせたPR広報戦略
・混雑回避などを目的とした動的プライシング
・これまで市場化されてこなかった公共財のマネタイズ
・これまではボランティアに支えられてきた地域の仕事の有償プラットフォーム化
などをご提案しています。

わたし一人ではとても手に負えないので、どうか皆さまもご一緒いただけますと幸いです。

(*1) 「NHKのスタッフの高度な危機管理上放送は難しいのでは?」と考えていましたら、件のロックバージョンは11年以上前にNHKで放送された映像であるとの説が出てきました。タイトル画像は、1989年11月9日、東西ドイツの国境開放後にブランデンブルク門前の「ベルリンの壁」の上に立つ人々の写真。読売新聞社の記事からお借りしました。

(*2) 通信事業に限らず内需産業の”値下げ”による競争は、国内人件費圧縮の圧力となってはね返ってくる点で時代遅れではないでしょうか。携帯電話料金についてはメディアによって報道姿勢が異なっていたのも興味深いと感じました。"値下げ"によらない競争原理を考える必要があることにしています。

(*3) 日本の「失われた30年」の原因は、「政財労組の誰もが”男性正規職の山型カーブ”を崩したくなかったから」の一言に尽きるのではないでしょうか。少なくとも20年前から、有識者の皆さんが指摘する「日本の課題とその対処法」は変わっていないように思います。

(*4) Nintendoスーパーマリオゲームに登場するキノコが、日本各地の「特産品や伝統工芸品」だったら、RPGゲームのイベントが、現実に誰かと会う「機会」だったら、なんてことを考えています。

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