毒親育ちの風俗嬢3

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とても腹が立つことに
父は外面はめちゃくちゃ良かった。


家の中ではただのモラハラで

私や母が体調が悪くて寝込んでうなされると


「うるさくて眠れない!黙れ!」

って怒るのに


他人の体調不良には駆けつけていたし
他人から何か相談されたりしたときは
親切丁寧に対応していた。


「いいお父さんやね。幸せやね。」
って言われるたびに


こいつらは物事を表面上でしか見れないバカだと思った。


外からの評価ばかり気にする父も
それで納得している母も


ただのバカでマヌケ。


度胸がなく
反抗しても無駄だと思った私は


親の知らない所で
親を裏切る子供になろうと思った。


うちの親は、きっと表面でしか私を見れないバカ。
じゃあ、裏では好きにさせてもらおう。


当時、出会い系サイトが流行っていて
私はいくつかのサイトに登録していた。
(18歳未満は登録禁止やと思うけど、当時はそこまで厳しくなかった)


今でいうマッチングアプリのような
健全なイメージのものではなく


もっとグレーなもの。


女子高生ってだけで食いついてくるバカはとても多かった。


女子高生ブランドをいかし
援交を始めた。


気持ち悪いとか怖いよりも
親を裏切っている事が最高に快感だった。


それに

女子高生ってだけで喜んで
女子高生ってだけでお金をくれるおっさん。


うちの親父より
よっぽど優しいやん。


バイトも禁止されていたし
お金も貰えなかったので
援交は単純にありがたかった。


親より最悪なものはない。


援交することも

友達に無視されることも

先生から酷く怒られることも


別になんとも感じなかった。


家で過ごす事に比べれば
どれも大した事なんて無い。


援交のおじさんの他にも

出会い系で知り合った人と
付き合ったりした。


好きだからというよりも
気を紛らわすために付き合っていた気がする。


何から気を紛らわすため?


援交してる自分

友達付き合いができない自分

学校に行っても
保健室にばかり逃げる自分

あの親元に生まれてしまった自分


学校にも家にも
安心できる場所は無かった。


男性といることで
無理矢理居場所を作ろうとしていたのかもしれない。


私の高校時代の楽しみは

男と過ごす事
援交をする事。


特に援交は
親を裏切ってる快感で
やめることができなかった。



そうこうしているうちに
進路を決める時期になる。


私には
行きたい大学も
働きたい就職先も無い。

ただ、家を出たいだけ。

一刻も早く解放されたかった。


親に進路について聞かれた時
思ったままに伝えた。

家を出たい。
働きたい場所があるわけではないけど
自分の力で生きていきたい。


そんな曖昧な理由、
父が許すはずがない。


お前は社会を舐めてるのか。
普通は大学に行くだろうが。

俺がどんな辛い思いをして仕事してると思ってる。

お前らがいるから
俺は辛い思いをしながら仕事をしなければいけない。

そんな適当な考えで社会でやっていけると思うな。


正座させられ
何時間も怒鳴られた。


この人は
娘を大学に行かせる
素晴らしい父親をしたいんだな。
と思った。

そうすることで
自分が安心したいんだ。


母も、

うちは一人っ子だから
大学に行かせてあげれる。

あなたの気持ちはわかるけど
余計な事はしないでね。

というスタンスだった。



大学に行かせてもらえるだけ
幸せだと思いますか?

大学に行かせてもらえるなら
そのくらい我慢しろと思いますか?


もしあなたがそう思うなら
私はあなたが嫌いです。


私の幸せの基準は大学じゃない。

私が私をこれ以上傷つけられないよう守ること。

大学に行くよりも
そっちの方がずっと大事だった。


本当はさ、

援交だって
しなくていいならしたくなかったよ。


そんな事しなくても
普通に過ごせる子もいるんやろ?


知らないおじさんに抱かれて
その罪悪感が快感で
そんな事でしか自分を守れない私って

どんだけだよ。


友達に無視された事だって
すごく悲しかったよ。


私だって
みんなと一緒に
思いっきり遊びたかったよ。


でもさ
一緒にいない方が
自分と比べなくて済むから
楽だったんだよ。


いつも体調悪いふりして
保健室行くの

またズルしてるって思われてるのも
ちゃんとわかってたし

恥ずかしかったよ。


でもさ
こんな手段でしか

自分を守る方法
思いつかなかった。


私だって
できることなら
自分にもうこんな事させたくないよ。


もう私に

こんな事させないで。



今なら
自分の進路を決めるのに
親の許可は必要ないって思えるけど


当時の私は
そんな事思う余裕は無かった。


私が納得することで
父の怒りが一秒でも早く収まるなら
それでいい。

助けてくれる人は誰もいない。

逃げ場はない。

怒られたくない。
これ以上否定されたくない。

これ以上

お前はダメな人間だって言われたくない。


私は短大に行くことにした。


ギリギリに決めたし
なんでそこにしたのか覚えてない。

面接さえ受ければ
誰でも受かるようなところ。


全く受験勉強しなかった私でも
余裕で受かった。


まあ、私がそこに通えたのって

たったの一か月だったけど。













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