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かんたんマーケ講座④ 隠れたアジェンダ

とても洗練されたプレゼンをする、ある外資系広告代理店があります。彼らとの一騎打ちのプレゼンでは相当気合が入ります。なぜなら非常に勝率が悪いから。

と同時に、どんなプレゼンで 「心」 を動かしているのだろう。一度聞いてみたいなと思います。競合代理店の企画書を入手できることは、まずありません。だから、コンペ終了後のクライアントヒアリングで敗因を分析したり、彼らのWAYにまつわる様々な資料を探したり。

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“Hidden Agenda”

「隠れたアジェンダを探せ」 そんな言葉で競合プレゼンに勝利するためのメソッドを統一化している外資系広告代理店があります。

「顧客に感情移入し、顧客の心の核心にあるものを、察知できるか」膨大な干し草の中から、針1本の核心をえぐりだせるか?

この話を聞いた時、衝撃を受けました。その代理店は我々が太刀打ちできない本質的な勝利への方程式を確立して、企業の秘匿財産として脈々と受け継いでいたのです。(もちろんこの高度なスキルを理解し、活かせる社員がどの程度いるかはわかりませんが)

図6

それからは、
「我々のプレゼンは、何を持って勝つのか」この問いを、コンペスタート時にはやい段階で設定して、チームと共有するようにしています。

このプロダクトやサービスの真の提供価値(Value)を、今回のプレゼンでは何と結び付けて、クライアントの心を動かすのか? そんな抽象的な問いを何度も何度も繰り返しながら、「針一本」を見つけ出します。

方法論は3種類しかありません。

①提供価値(Value)を、誰もが予想だにしなかった本質的高みへ昇華させる

②提供価値(Value)を、成し遂げたい野心やハートに火をつける

③提供価値(Value)を、夜も眠れぬ悩みの不安解決と合致させる

今回のプレゼンはどれで行く?


図7

「何で勝つのか明らかにする」 ことはチームの不安を最小限にして、One Teamとしての団結力を高めます。コンペ準備の最中に、何度も不安や試練は訪れるでしょう。その時、チームにこう問いかけるのです。

「我々は、何で勝つのか」

顧客の心の核心と
プレゼンの提供価値が合致したとき、
深い絆が結ばれる。


参考書籍)
「プライスレスな成功体験」
ケヴィン・アレン/酒井泰介 (訳)

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