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風流とモダンが同居した画家・デザイナー神坂雪佳

浮世離れマスターズのつあおとまいこが、パナソニック汐留美術館で開催中の「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」展を見てゆるふわアートトークを展開した記事が、和樂webに掲載されました(ぜひ下記をクリックしてご笑覧くださいね!)。

神坂雪佳(1866〜1942年)は、明治・大正時代に琳派を再興したことで近年特に注目を浴びるようになった作家です。琳派といえば俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一などの絵師(画家)のことを思い浮かべる方が多いと思いますし、雪佳自身も屏風絵や襖絵を残していますが、むしろ、生活を彩るさまざまな物を生み出したデザイナーとして捉えるのも悪くないのではないかと思います。少し前の時代の言葉を使うと「図案家」ということになります。

そして、近年強い印象を残したのは、あのとんでもなくかわいい子犬の絵です。ここでは、2018年に和樂webに掲載された記事をリンクしておきます。

パナソニック汐留美術館では、何と、俵屋宗達や中村芳中ら、江戸時代の琳派の作品も多数展示されており、その流れのうえで神坂雪佳がどんな思いで仕事をしたかということがわかる内容でした。

さらに注目したいのは、現在も京都で営業を続けている老舗出版社「芸艸堂(うんそうどう)」から刊行された図案集の数々です。あのかわいい子犬の絵は、『百々世草』という木版摺りによる図案集の中に収められたものでした。芸艸堂では今でも、当時の版木を使って図案集を増し摺りしたり、版画作品として改めて摺り直したりすることがあるそうです(つあおは以前、一度、版木を保存している蔵を見せていただいたことがあります)。この展覧会では、雪佳の生前に摺られた美しい図案集を見ることができます。

また、雪佳が描いた下絵をもとに制作された工芸品なども、まさに生活を彩るものでした。こちらについてもかなりの数が展示されています。

なお、今回の展覧会とは関係ありませんが、とても風流かつモダンな木版による雪佳の作品(個人蔵)の写真を掲載しておきます。

神坂雪佳《あしで絵》より(本展には不出品)

展示作品の写真については、ぜひ和樂webの記事のほうでご覧ください。

※冒頭の下手なイラストは神坂雪佳の作品ではなく、ラクガキストつあお(雅号:Gyoemon)によるオマージュ絵画ですが、ご了承ください。


Gyoemon《ねこつむり》(本展には不出品)

展覧会名:つながる琳派スピリット 神坂雪佳
会場:パナソニック汐留美術館
会期:2022年10月29日(土)〜12月18日(日)
※「混雑緩和のため、土曜・日曜・祝日は日時指定予約にご協力をお願いします(平日は予約不要です)」とのことです。

展覧会の詳細はこちらでご確認ください。


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