部長に憧れる社長たち
3月に発売する書籍が2冊あったこともあり、年末から余裕が全くなかった。
加えて、1月の土日にイベント仕事もあり、11日連続出勤。夜はイベントのために韓国から来日していた著者さんと一緒に、交流会という名の飲み会に行きまくった。
多分1週間で、マッコリ10本は飲んだ……。
――と、わけのわからない生活を続け、著者さんが帰国した日の午前中に健康診断を受けに行き、その夜38度の熱が出て倒れた(なぜ??)。
その風邪をずるずると引きずり、今週ようやく回復してきた感じだ。
3月刊の本は、あと1冊残っている(そして、4月がやってくる)。
地獄のミサワのような、「俺、忙しすぎて大変だったんだよー」的バブをしてしまったが、その著者さんのおかげで、大好きな韓国関連の知り合いが恐ろしいほど増えた。
毎日、何かしらハングルのLINEが来るようになり、ミラ先生には「ロック氏~、急に韓国語うまくなったけど、どうしたの?」と言われるくらい成長した。
そりゃ、私以外全員韓国人の1:6の飲み会すれば、そうなるわい。
先週は、交流会で知り合ったMちゃんに誘われて、「韓流ドラマを語る会」なるものに行ってきた。
参加者は、絶対誰もが知っている大手企業の社長2人と、大手芸能事務所でマネージャーをしているTさん、そしてMちゃんと私。
Mちゃん以外初めましてで(Mちゃんだって3回目)、しかも社長が二人で、ドキドキ緊張。
恐る恐る、「みなさんの、推しドラマは何ですか?」と聞いてみると、
「オレ、『D.P.』!」
「オレは、『マイ・ディア・ミスター』だなー」
と即答。
それを皮切りに、Y社長とM社長のブロマンス(男性同士のキャッキャした感じ:うまく説明できないのでググってください)が、繰り広げられる。
「あの俳優、いいよね~」
「あそこで、ヒロインの前に現れるあの感じがいいんだよ~」
「いやー、俺は幼馴染のほうに惚れちゃうな」
「ツンデレを超えるツンデレがたまらないよね」
――と社長たちは、なぜか女子目線でドラマを語る。
MちゃんとTさんが、ボーゼンとする私を見て
「Y社長とM社長、私たちより乙女なんですよ~」と笑う。
「二人のLINEのやりとりなんて、もう乙女そのものです」
そう言って、Mちゃんが私をそのグループに入れた。
また、おもしろグループに加入してしまった……。
その後、焼酎とビールを混ぜた爆弾酒を呑んでほろ酔い状態のM社長が
「オレはもう、きゅんしか信じられない。きゅんだけを求めて生きていきたい!」と力強く宣言した。
続けて、きゅんといえば『私の夫と結婚して』の部長じゃない? という話になった。
『私の夫と結婚して』は、韓国とほぼ同時放送、アマプラで毎週2回ずつ配信されている。
私たち5人は、これを毎週、見守っている。
ここでも一番盛り上がったのは、両社長で
「部長いいよね~」
「オレ、毎週部長にきゅんきゅんだよ」
「第5話の部長、せつないよなぁ」
「なんであそこで抱きしめないかなぁ!」
などとひとしきり盛り上がり、仕舞には
「オレ、部長になりたい!」「オレも部長と呼ばれたい!」
と言い出した。
私は初対面だが「いや、部長に憧れる社長、おかしいですからっ!」と突っ込まずにはいられなかった。
社長たちは、てへぺろっと笑い「だってぇ、部長かっこいいだもん!」と言う。
社長が部長になる……それは、普通に降格だ。
そのあとも盛り上がりに盛り上がり、「このままK-POPしばりのカラオケ行っちゃいますー?」という流れになったのだが、「いや、オレ明日大事な仕事があるので、今日はこの辺で」と、スパッと解散された。
その辺は、ちゃんと社長!
帰り道、女子3人で、あの社長たちにはかなわない……と敗北宣言をした。
今日も、社長たちからキャッキャしたLINEが届く。
新作映画の完成披露パーティで、超有名韓流スターと挨拶をしたらしい(さすが、社長)。
そんな私たちの目標は、5人で韓国に行ってキャッキャするに決まった。
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