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文具から考える潰れる会社。なんちゃって。

以前勤務していた潰れた会社は「だから立ち枯れてしまったのでは?」と思う程、あちらこちらから文具が出てきました。

自分ともうひとりの同僚のみが正社員だったため、会社の終焉までにバイトさん達がひとりずつハラリハラリと辞めることになりました。

何で清算会社になったのかは、面白く無い恨み言を長々綴ることになって、当たり所の無い思い出し怒りをしてしまうので、機会があったら書こうと思います。原因となった方の顔をぼんやり思い出し始めたので話を文具へ戻します。

ハラリハラリと去ったバイトさんの後には自分と同僚と店長の3人だけとなりました。

小売店舗だったので、事務所と店舗のそれぞれに大量の文具が発掘されました。

特にハサミとセロテープ台、ガムテープカッターの数が、勤務していた人数の倍ぐらいは軽くあって驚愕でした。

ボールペンやらマジックやらは「捨てれば良いのに」といったカッスカスの物を含めると数百本あったような覚えがあります。

残業もそれはそれは酷く、最後の2か月は110時間と130時間くらいだったと思います。

徹夜は何が何でもしたくなかったので、終電上等でしたし、事務職だったのに連勤10日以上とかになると、何をやっているのかわからなくなるものですね。

悲惨な状況ではありましたが、同じ境遇の同僚がいたので耐えられたと思います。

そして、大量に発掘された文具は使えるものは店頭で叩き売りをして、少しでも売上に充当してゴミ代を絞るといった、涙を誘う終焉まっしぐらでした。

売れる物も無くなり店頭在庫は親会社が引き取って行くと、大型オフィス用品の机や椅子、展示用ショーケースなどが残りました。

ショーケースも物によっては欲しいお客さんには売っ払いました。

もはや仕事といった仕事が無くなると、店長が去って行きました。

同僚と自分が最後まで残って不動産屋さんへ物件を引き渡すと思いきや、まさかの同僚が切られました。

最後の数日間はひとりで親会社と色々とやりとりをして、完全にまっさらスケルトンとなった事務所に窓から日差しが差し込み、不動産屋の担当さんへ鍵の返却をするまで、体育座りでボーっと待っていた光景は忘れられません。

親会社はこちらに転籍しないか?と言って来ましたが、処遇に夢も希望もある訳が無いので「縁切りじゃ!」と言った感じできっぱりお断りしました。

とどめは残業代が一切出なかったこと。

基本給の倍以上は貰えたはずですが、もう接点を持ちたく無かったので何も言いませんし、当時は頭が回りませんでした。

ブラック企業ってやつですね、嫌だわ。

そんなことで、経費節減というか使えるものでも、すぐに減らない・無くならない物には物凄く嫌悪感を持つようになり、何でも1個しか持たなくなりました。

ボールペンもインクが残り3ミリくらいになるまで替えは買わず、ドキドキしながら使い切ります。

使い切った快感と「ありがとうね」と言いながら捨てることが好きです。

エコと経費削減の名の下にケチケチ使うため、交換や補充で済むものが好きです。

きょうは「日付の済印スタンパー」のインクがギュウギュウ押しても、うっすらとしか打印出来なくなってきたため、補充することにしました。

フタを開けたフタ側に朱肉的なものがあるので、そこに補充インクを数滴垂らして、本体をはめてグルグル回転させて判の部分にまんべんなくインクが付くようにしていました。

きょうは同じ作業をひたすらこなしていて、やや疲れていたせいか必要以上にフタと本体をグルグル回し続けていました。

するとフタの先っちょがポロっと取れました。

「あ、壊しちゃった??」と焦ると、なんとそこには本来の補充すべき部分が露出していました。

ポロっと取れた先っちょにはよく見ると「閉まる・開く」みたいな表示がありました。

10年近く使い続けて、知った新たな真実。

ハンコの取扱説明書なんて読みませんもの。

「こんなとこがあったんか」と怒ることもなく、今までの補充スタイルでは使い始めがインクびったびたで日付が潰れて読めないこともあったけど、普通に美しい濃さで押せるわ・・・と穏やかな気持ちで迎え入れることが出来ました。

同じ作業を10時間近く続けていると良くも悪くも怒りのスイッチが鈍りますね。

新しい便利な発見は思いがけなかったので嬉しかったです。

明日も別の作業を数時間する予定です。

新しい発見がありますように・・と祈りますが、見込み薄いので、イライラしなければ幸せ!と思うことにします。


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