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SmartHRグループにジョインから1年

こんにちは、Backyard(バックヤード)あらためBYARD(バイアード)の武内です。2022年4月1日でSmartHRグループにジョインしてから1年が経ちました。

このnoteではこの1年の振り返りとこれからのBYARDのことについて書いていきます。

1.子会社ではなくグループ会社

SmartHRには現在6社のグループ会社があります。それぞれ事業領域もバラバラですし、うち4社については社長がSmartHRの出身ではありません。SmartHRの中から作られた子会社でなく、SmartHRの資本を活用して起業したという意識で、SmartHR内でも基本的には「子会社」とは言わないようにしています。

グループ会社の社長としてSmartHRの役員陣とお話しをする機会は多いのですが、サポートや助言はしていただいた上で、1つの会社としての独立性はかなり守っていただいている状態です。

私としては「SmartHRというアクセラレターを活用したスタートアップ」と位置づけており、SmartHR本体の事業を超えるぐらい成長することを本気で目指しています。

商談などで「労務管理クラウドのSmartHRさんがなぜこんなプロダクトを作っているのか」という質問をされることは多いのですが、答えは「SmartHR社内から生まれた事業ではないから」です。

とはいえ、SmartHR本体とのシナジー効果も大きいとは思っていますので、将来的な連携などはもちろんやっていくつもりです。

2.プロダクトに集中できる環境

株式会社BYARDは私自身にとっては2社目の起業です。1社目である株式会社リベロ・コンサルティングは個人事業からの法人成りという形で設立しましたが、今回はずっと感じていたバックオフィスの「業務管理領域」の課題を解決するプロダクトをゼロから開発するという明確な目的を持って設立しました。

スタートアップの裏側をバックオフィスの立場からずっと見てきましたので、プロダクトをゼロから立ち上げて、それが世の中で一定の存在感を獲得することがいかに奇跡的なことかは分かっているつもりです。

今回、SmartHRのグループ会社という「箱」を活用すること選択した理由は、いかにプロダクトに集中しつつ、失敗の確立を減らすか、という一点につきます。

プロダクト開発の0→1はアートの世界であり、絶対にうまくいく方程式などありません。逆に「こうやれば失敗する」というしくじりの方程式は無数にあり、その中の1つに「プロダクト開発に集中しない(できない)」というものがあります。

前回の起業で感じたのは、会社立ち上げ初期の人数が少ない段階でのバックオフィス業務(経理、法務、労務、総務など)の負担の重さでした。企業運営上必要であることは理解していますし、バックオフィス業務はそこまで苦手ではないのですが、それでも創業者の貴重なリソースをかなりもっていってしまいます。

SmartHRグループ会社においては、バックオフィス業務はSmartHR本体が全面的に担ってくれており、プロダクト開発に集中できる環境が提供されております。例えば、先日の行った社名変更の際には、株主総会決議や登記手続きが必要になりますが、私はslackでやり取りしただけで一切の処理はSmartHR本体のバックオフィス部門が引き受けてくれました。

バックオフィス業務はきちんとやっておいた方がいいと分かっていても、なかなか専任者を雇うのが難しい立ち上げ初期のタイミングでのこのサポートは非常にありがたく感じています。

また、マーケティング領域もかなり手厚いサポートを受けており、これまでFacebook広告の運用やLPの作成ができたのもSmartHRの支援があればこそです。

ミニマムな体制でプロダクト開発にフルコミットできたのは、SmartHRのグループ会社という体制がなければ難しかったと思います。

3.経験豊富なアドバイザーの存在

SmartHRのグループ会社には、SmartHR本体から社外取締役が1人アサインされることになっています。BYARD社の場合は創業から最近まではファウンダーの宮田さん、Nstockが設立されたタイミング(2022年3月)以降からCOOの倉橋さんに取締役になっていただいており、定期的に1on1の時間をいただいております。

割とカジュアルなスタイルで「こういう時はどうすればいいですか?」「SmartHRではこれぐらいの規模の時どうしてましたか?」みたいな感じの質問を交えながら、事業やプロダクトの状況を共有しつつ、相談させていただいております。

前回の起業では、この「誰かに相談する」ということができずに結構しんどかったので、この体制は非常に助かっています。SmartHRというユニコーン企業の役員にアドバイスをいただける貴重な時間であり、かつ、ご自身の経験や知見からくる鋭いコメントはいつも参考になります。

また、「アドバイスは全部実行する必要はない。最後に決めるのはBYARD側であり、50%ぐらいは聞こうかな、ぐらいでちょうどいい」ということを強調していただいており、グループ会社だからといって細かくコントロールしようという意図はないことが伝わってきます。

BYARDが展開しようとしているプロダクトや事業領域は、「課題はあるが直接的なソリューションはない」というかなり難易度が高いドメインであり、さまざまなトライ&エラーを繰り返しながら事業運営を続ける上で心強い体制です。

4.BYARDは何を解決しようとしているのか

1年前、SmartHRのグループ会社としてスタートするにあたって最初にやったことは徹底的なユーザーヒアリングでした。その時点では社名やプロダクト名称はもちろん、具体的に何を作るのかすらも決まっていませんでした。

ただ、エンジニアやセールス、マーケティングなどの職種と比べて、バックオフィスにおける業務管理手法が非常に遅れているのではないか、という課題感だけは持っており、直感でその方向のプロダクトを作りたいと考えていました。

タスク管理ツール、プロジェクト管理ツールは無数にありますが、ヒアリングを進めるとほとんどの会社では業務管理領域が属人化しており、かつ、既存のツールでは足りない部分は結局Excel管理で埋めていました。

営業や開発のメインの業務管理ツールがExcelだったら、かなりやばいと思いますが、バックオフィスにおいてはそれが標準的な体制でした。もちろん、それでいいとは誰も思っていないのですが、明確な解決策がないので仕方なく1番柔軟なExcelを使い、運用は超属人的に行う、というのが最適解になってしまっているのです。

このペインはバックオフィスをやっていた時、そしてリベロ・コンサルティングでBrownies Worksを運営した時、ずっと私自身も感じていました。

課題はあるが、既存のツールではうまく解決されていない領域。それこそ新しいプロダクトが入り込む余地があるホワイトスペースです。そこからモックを作ってヒアリングを重ね、最低限の動きをするβ版をリリースし、フィードバックを頂きながら改善を進めてきました。

検討開始から1年が経って、「このペインは解決する価値があり、市場も十分に大きい」という判断はできましたが、まだプロダクトがその解決に寄与するレベルに達しておらず、今はとにかくプロダクトを磨き込んでいく時期だと考えております。

業務プロセスの構築と進捗管理、そして構築したものを常にアップデートし続けることができるように可視化と共有の体験も良くする。これがBYARDを通じて私たちがやりたいことです。

かなり抽象的な課題ではありますが、この課題を1人のスーパーマンが頑張って解決するのではなく、ツールとしての機能を提供することが自然と解決される方向に持っていくことが重要だと考えています。

5.ローンチそしてグロース

ペインは大きく、解決できれば非常に大きなマーケットになりうる領域ですが、それ以前にアナログで手間のかかる作業に埋もれてしまって、本質的な課題が見えなくなっている状態であり、課題がまだまだ顕在化しているとは言えません。

しかし、デジタル化が進み、業務をデジタル上で進めていく比率が増えれば増えるほど、そこに最適化された新しい管理手法とツールが必要になると考え、私たちはBYARDというツールを開発しています。

まずは営業や開発で有用性が証明されている業務管理手法なども参考にして、バックオフィス領域における最適を仮説検証しながら、プロダクトを構築していくフェーズがしばらく続きます。

かなり地味な裏方領域ではありますが、「だからこそ面白い!」と思っていただける人と一緒に働きたいと考えております。プロダクトのローンチ、そしてその後のグロースに向けて現在積極的に採用中です。

またカジュアル面談でまず話を聞いてみたいという方は、meetyもありますのでお気軽にどうぞ。

日本、そして世界の業務管理領域を大きくアップデートするプロダクトを作っていきたいと思っておりますので何卒よろしくお願いします。


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