人の数だけ気を遣う。

わたし、29歳で上京しました。

再 上京なんです。

2021年に1度、上京しました。

12歳の時の卒業文集で「将来は東京に住む」と書いていたわたし。

もちろん、そんなこととっくに忘れていたのだけど。

社会人になっても、いつか上京すると決めていた。

そして、お金の目処がたってきた2021年。

コロナ禍真っ只中に、正社員として働いていた職場を辞めて上京しました。

これまでは外回りをしていて、毎日外部の人と接しながら、程よく事務処理も行うような仕事内容。

上京してからは、完全事務。

実は、その頃あまり体調が良くなくて。

精神安定剤も服用していたし、パニック発作も定期的に出ていた。

ある時から、原因不明の目眩と頭痛に襲われて。

もともと偏頭痛持ちだから鎮痛剤を服用するも全く効かず。

酷い日は運転するのも怖くて、途中で動けなくなってしまったり。

休憩しながら外回りをする日々だった。

そんな環境を変えたかったのもあるのかもしれない。

いざ上京をして1週間後、新しい職場で働き始めた。

同日入社が1人いて、年齢は少し上の女性。

1日目は一緒にランチに行って、お互いの話を少しした。

2日目から仕事の振り分けが、わたしと、わたし以外の2人で別々の業務になった。

わたしの指導係の方は、いつもピリピリしていて、よく愚痴を声に出して言う人だった。

席も少し離れていたので、聞きに行くのも少し戸惑ってしまい、でも聞かないと分からない。

多分、話す余裕ないんだろうな~というくらい忙しそうにしていたから、とにかく話しかけた時の表情を見るのが辛かった。

だってその先輩、23:00とかまで残業してるっていうから。

まぁいま思えば、そんなに遅くまで残ってるなら、わたしが聞いても多分そこまで彼女の残業に影響出ないかな?とも思う。

同期入社の2人は、聞き合いながら業務を進めていた。

どうしてわたしだけ1人にされたんだろ、、

と、考えてもキリのないことを考えながら時計とにらめっこ。

次第に目が回って、吐き気を催して、慌ててトイレに駆け込んだ。

数日前から、食べると戻すを繰り返していた。

次第に、飲み物でも戻すようになり、何も口に含めなくなった。

休憩時間。

外に出て、大都会の歩道橋の上から泣きながら下を見る。

悪い想像ばかりが頭をよぎっては、怖くて出来ず、結局会社へと戻るのだった。

午後。

14:00を過ぎるあたりから、全身が震え出す。

視界がぼやけ、吐き気をこらえ、平然を装う。

なんとか1日を終え、外に出た瞬間、溢れ出す涙。

すれ違う人が全員が、こちらを見て何か言っているような気がする。

急いで駅へ向かい、トイレへ駆け込んだ。

出られない。怖い。電車に乗れない。

縋る思いで姉に電話をした。

泣きながら、ただただ泣きながら、何を言ったさえ覚えていない。

でも、姉が言ったことは覚えている。

「そんなにボロボロになったら、東京に行った意味ないじゃん。」

「帰っておいで。帰る場所は、いつでも私が作るって言ったでしょ。」

その言葉に、また涙が溢れた。

情けない、仕事も家もお金も無くなる。

27歳、上京からたった1ヶ月で地元へと戻った。

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