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Photographer: Yuka Miyata

「 え? 私にとっての写真とは?そうだな?

 ファインダーを覗いてる時は自分を無の世界に誘い
 小さな幸せと素敵な笑顔との出逢いに導き
 心豊かさと生きる喜びを教えてくれる大切な相棒たち
  ・・・・・かな(笑)」

ちょっと恥ずかし気に彼女は答えた。

ゆっくりとした柔らかい口調ではあったが、写真に対する“熱い想い”にが伝わってきた。

「 単なる写真好きのオバサンよ(笑)

自分にとって“これだ!”と思えるベストなShotが撮れる まで、その場所に何時間でも待てるの。

気長なのかな?我慢強いんだ!ハハハ(笑)」

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彼女が写真の世界に足を踏み入れたのは、1987年のロンドン語学留学中のことだ。

ロンドンの街並みを散歩しながら、見るもの、出会うもの、全てに感動を覚え、当時持っていってたキャノンオートボーイで街中の写真を撮り歩いた。

そんな或る日、『写真を撮るって楽しい!』 『自分に合ってる?』と思った瞬間だった。

『 よぉーし!ロンドンで写真の専門学校に入学しよう! 』

と決意した矢先に、急遽日本に帰国しなければならない事態になり入学を断念。

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「帰国後のこと? まぁ それなりには波乱万丈だったのよ。 
悲しいこと・嬉しいこと・辛いこと・感動したこと  
結婚して、子供(一男一女)にも恵まれ“幸せ”なことも多かったよ。 
母の死 は 辛すぎた。」

「2012年に写真の先生と出会って、また写真の世界に戻ったの。
子供も旦那(?)の世話も手が離れてきた時期だったので集中して勉強できたかな?」

「 あ!笑ったな。 まだまだ勉強中です! 」 

「先生の教えのおかげで、写真展にも入賞できるようになって益々写真にハマっていっちゃった(笑顔)」

対談中は、いい意味で“写真家”らしくない【 普通の“キュートな女性”】だ。

美術鑑賞が好きで“ゴッホ”を愛する芸術センスは子供の頃から自然と養われてきたものだろう。

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♬ 雨ニモマケズ ♬ by 宇佐元恭一**


父親は、お堅い職業の代表でもある某有名地方銀行のトップに上り詰めたバンカー。

家庭内の切り盛りする母親の優しい雰囲気で“暖かく笑顔が絶えない”家庭で育てられた兄妹は、知らず知らずのうちにアーティストになっていく。

兄は“絶対音感”を持っている“ピアノ弾き語りシンガーソングライター”だ。

「子供の頃は、お兄ちゃんのピアノを聴いて、凄く憧れたんだけど私には音楽の才能はなかったんだな、これが(笑)」

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この写真(↑ ↑ ↑)は、私が彼女と30年ぶり再会した京都でのお兄さんのライブ会場でのShot だ。

この頃の私は『会社を辞めで独立しようか?』と
最高に迷っている時期であった。

彼女はファインダー越しに、私の“迷い”を瞬間的に感じとっていたのかもしれない。

この翌週、私は“退職”を決意した。

クリエイティブな活動を行っている兄妹に“背中を押してもらった”ことになる。

「 月ちゃん(私)のことは“お見通し”よ。顔に“悩んでます”って書いてあったもん(笑)簡単よ。」

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世界中のアーティストは(covid-19)”によって、“ライヴ” “イベント”“展示会”等が従来のやり方では開催できなくなった。新しい“生活様式”に対応できる【発表の場】【表現方法】を模索しなければならない。

彼女とは、クリエーター向けアプリ【note】で【 GAVI*rabi Photo Rap 】と称して“写真とリリック”を10作品投稿した。節目として動画を作成した作品が  ⇓ ⇓ ⇓ 『Japanesque』 ⇓ ⇓ ⇓ 

このご時世、直接面談できるのが2か月に1回程度の“鰻”ランチミーティングで、殆どがリモートワークと言うか?LINEでのチャットで意思疎通を行っている。

あらゆるビジネスシーンにおいて、

『“こんな”感じ』 『“こんな”雰囲気』

といった “こんな” を伝えることは難しく、双方の認識を一致させるのは更に難しい。

しかし彼女は私の思いつきの依頼に対して

「何となく“こんな感じ”わかるよ(笑)」

と言って写真をチョイスしてくれる。

【国際写真サロン】審査委員特別賞をはじめ数多くの写真コンテストで入賞している彼女ではあるが、アーティストは、方向性や作風がどうであろうと、常に作品を“創造し続けていくこと”が求められる。

この“創造し続けていくこと”いうのは、想像以上に大変なのだが、アーティストがアーティストたり得るのは、作品をつくり続け、発表し続け“創造し続けていくこと”ことでしか、実現できない。

アーティスト活動を続けていくには、中途半端な覚悟や作品では、市場は受け入れてくれないのは明らかだ。

対談の最後に写真家:Yuka Miyataが呟いた

「引っ込み思案で人見知り、そして群れることができない私が、『写真』という世界と出会ったの。

ファインダーを覗いてるときが一番好き。

最高のシーンが撮れた時の「喜び」「感動」によって、この世界にのめり込んでいっちゃった。」

「子供の頃から何をやっても続かず、自信のない時間を過ごしてきた私に“勇気”を与えてくれたのも

それが 【 写真 】 」


Yuka Miyata

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