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ベイスターズ大型連敗で三浦監督の采配はおかしくなってしまったのか…?

X(旧Twitter)では今日のベイスターズの采配について疑問を呈するような声が多くあがっています。

梶原選手の牽制アウトに対するリクエストなし

森敬斗選手の懲罰交代

山本祐大選手の2つの犠打

チームが大型連敗中という事もあり、「ベンチが焦っているのでは?」「チームの雰囲気が良くないのでは?」「勝てていた時とは明らかに采配が変わってしまっているのでは?」などという憶測も出てきています。

しかし、私としては今日の首脳陣にも特に問題があったとは思いません。

むしろそれらの感情は、ファンが自分自身のメンタルの状態を首脳陣に投影してしまっているだけでは?と思います。

上にあげた3つのケースを例に一つずつ紐解いていきましょう。

まず梶原選手のリクエストについてですが、石井琢朗一塁ベースコーチから依頼があったところをベンチが取り合わなかったという所で問題視をする方がいるようです。

まず大原則としてリクエストは「審判の判定を覆す明確な証拠があるか」というのが重要です。
特に広島はリクエストで使用される映像のクオリティが低い事も有名です。

さらに今日はアウェーでベンチが3塁側。
やや距離があるとはいえベンチからも一塁牽制のプレーの流れは見やすい状況です。
そこから見ていた複数の首脳陣、あるいは選手も含めて「判定を覆せる確証がない」と判断していたのですから間違いないでしょう。


次に森敬斗選手の懲罰交代ですが、これはファンが求めているフェアな競争がチーム内で行われている何よりの証だと思います。

昨日の試合でエラーをしている森選手がそれをどう取り返すかを見るために今日もスタメンで起用したはずです。

しかし打撃でインパクトを残す事が出来ないどころか、守備で明らかに準備不足だったと首脳陣に思われても仕方がないミスを再び犯したわけですから、競争相手の京田選手にチャンスが回ってくるのはむしろ当然。

京田選手の打撃の調子が落ちてきて、守備の優位性が森敬斗選手にあると判断されての起用でもあると思いますから、その守備でマイナスを出してしまったら元も子もありません。

森敬斗選手ももう5年目。昨日今日プロに入ってきた選手ではないですしね。

遊撃手のレギュラーとしての実績がある京田選手とこうした競争をしていく中で、プロの一軍の世界で求められるプレーの精度を森敬斗選手が獲得していけるように首脳陣が期待しているのだと思います。

そして最後に山本祐大選手の2つの犠打。

これも非常に合理的な作戦だったと思います。

まず松尾選手への期待や山本祐大選手の疲労を考慮してシーズン前半同様の併用でという意見も散見されます。

しかし、個人的にこれからレギュラーになってもらおうという選手がマスクを被る機会が減るというのは長期的にものすごい損失になると思います。

山本祐大選手がこれまで積み上げてきたものと、実際に前半戦に残したスタッツのインパクトは正捕手の座を預けるのに充分値します。

だとしたら、後半戦のチームに対して望むのは、山本祐大選手の調子の波が落ちている時にいかに戦うかという方向性です。

その意味で、直近の山本祐大選手の低打率を加味して得点期待値より得点確率を優先した今日の2犠打は、まさにそれを実行したと言えます。

さらに、フォード選手が現状7番に置かれている時に結果を出している事や、遊撃手3人の打撃の調子が上がっていない事まで考慮すると、山本祐大選手が6番に入る打順にも合理性があります。

そのフォード選手は走力が低くダブルプレーのリスクが高めな打者ですし、対戦相手の大瀬良投手は攻略が難しいだけでなくベストなアウトの形を狙った投球ができるクレバーさを備えているトップレベルの投手です。

打順の巡りなど他の要素を踏まえていっても今日の2犠打という作戦にも合理性があると言えるでしょう。

「正捕手」山本祐大をこれからのベイスターズの形にしていくのであれば、大きな連戦や特別な事情でも無い限りは、山本祐大選手でスタートしていく事が必要です。

苦しいチーム状況の時にこそ、冷静で合理的なマネジメントが首脳陣には求められます。

「最善手が他にあるはずなのになんでこんな采配をするんだ」と考えるより、「なぜ首脳陣はこの采配が最善手だと思ったのか」と考える方が深く野球を楽しむこともできます。

他ならぬ選手や首脳陣が誰よりも勝つために戦っているからです。

その点にリスペクトを持つ事だけはファンとして忘れたくないですからね。

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