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科学的に介護の見守りをする方法とは?

介護施設における見守りとはどのようなものでしょうか。利用者を「見る」だけでなく、目的をもって行われている「見守り」の内容と、見守り業務を支援するICT機器についてご紹介します。


介護施設における「見守り」とは?

介護施設における「見守り」とは、介護職員が利用者の状態を把握できる状態にあり、利用者が何らかの助けが必要なときに、いつでも介助や援助が行える態勢を整えておくことです。見守り業務では、身体介助のように直接利用者の身体に触れることはありませんが、介護職員は、日々の業務を行いながら、常に目線を利用者に向けて、小さな変化にも気づくことが必要とされています。

見守りの目的

介護施設における見守り業務には以下3つの目的があります。

  1. 急変に備える
    介護施設に入居している高齢者の中には、持病を持っている方もいます。また入居時には健康状態に問題がなくても、急に悪化することもあります。そのため、介護職員は利用者の健康状態を常に確認し、体調不良や持病の急変にすぐに気づくためにも見守ることが必要です。

  2. 事故を防止する
    筋力が衰えた高齢者にとって、生活上の事故は身近にあります。足元がふらついて転ぶ、ベッドから起き上がるときに手すりがつかめずに転落するなど、事故はいつ起こるかわかりません。
    また車椅子や介護ベッドなどの福祉用具を使用している状態でも、その福祉用具に起因する事故が起こり得ることが厚生労働省の資料などにまとめられています。
    参考:福祉用具ヒヤリハット事例集|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000620595.pdf
    あらかじめ事故のリスクを減らすと同時に、もし事故が起こったときにもすぐに気づけるように見守ることは重要な業務です。

  3. 自力での活動を促す
    事故のリスクを減らすために介護職員が1から10まで利用者の手助けをしていては、自力を引き出すことが難しくなってしまいます。利用者の安全を守りつつも、自分でできる範囲の生活行動にはあえて介助せず、自分自身で行ってもらうことも大切です。

「見る」と「見守り」の違い

見守り業務の目的を達成するためには、介護職員はただ「見る」だけでは不十分です。以下では見守り業務の「見る」と「見守り」の違いを説明します。

利用者の動きの事前予測
利用者の動きを予測し、危険動作につながる行動をあらかじめ察知できれば、事故のリスクは大きく軽減できます。例えば、起床してすぐトイレに行く習慣がある利用者であれば、利用者が起床した時点で居室に向かえば転倒事故も避けやすくなるでしょう。また、人との関わりに配慮が必要な利用者についてはデイルーム内での他の利用者との距離をおくなどの見守り対応が大切です。

介護職員間の情報共有
介護職員の1人が察知した危険予測は、他の介護職員との情報共有が重要です。危険を予測した介護職員がシフトに入っていないときに事故や急変が起きる可能性があるからです。巡回などの見守り業務を行う上では、介護職員は「ただ見るだけ」では終わらせず、引継ぎや介護記録への記載などにより他の介護職員に気づいた情報を適切に伝える必要があります。

介護施設における見守りを支援するICT機器

配膳の準備やリネン交換をしながら、またときには他の利用者の身体介助を行いながら別の利用者の見守りを行うなど、見守り業務はマルチタスクです。そのため、介護職員の見守り業務の負担を軽減するため、ICTを活用したいろいろな見守り支援機器・システムが開発されています。

人感センサー
人感センサーとは介護事業所内の壁や天井、家具などに設置され、利用者の動きを検知するものです。利用者の居室だけでなく、介護施設の玄関やエレベーター前などにも設置され、利用者の徘徊防止としても利用されています。

ベッドセンサー
ベッドセンサーとは利用者のベッドに設置され、利用者の離床を検知します。ベッドマットレスの上に敷くタイプやベッドの脚下、離床時に利用者が体を支えるレールに取り付けるタイプなどがあります。

バイタルセンサー
バイタルセンサーとは利用者の心拍や呼吸などの生体情報や、運動・睡眠などの利用者の行動情報をチェックするものです。ベッドセンサーのようにベッドマットレス上に敷く形状のバイタルセンサーだけでなく、利用者の手首に装着するスマートバンド状のバイタルセンサーもあります。

まとめ

今回は介護職員の見守り業務について解説しながら、見守り業務を効率化できるICT機器についてご紹介しました。

高齢者が安全・安全な暮らしを送るためには、介護者など周囲の見守りの目が欠かせません。ただ、人手不足が深刻な介護現場では、人間の目だけに頼った見守りは、業務負荷が大きく、いずれ限界がくることが予測されます。ICT機器の活用により、効率的かつ効果的に見守り業務をサポートすることが期待されています。

トライトグループのブライト・ヴィーでは、介護事業所のICT推進に向けて、40社以上のヘルスケアメーカーと連携し、ICT機器データの取得や連携、分析から活用までをサポートする介護見守りプラットフォーム「ケアデータコネクト」を展開しています。メーカー横断のつながりを広げることで、日々の見守り業務や記録作業の負担軽減に繋げ、介護に携わる方への一層のサポートを目指します。

ケアデータコネクトについて:


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