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発表会は優劣を付ける場ではありません

「上手になったら出演します」

発表会あるあるです。お気持ちはとてもよくわかります。でもこれは違うと思います。

発表会って、「その人の」日頃の練習の成果を発表するものです。コンクールのように点数や順位が付くわけではありません。

発表会の主催は、教室であったり同じクラスだったり、そうしたひとつのグループではありますが、その中の生徒さん個々の事情はまったく違うものです。
つい最近楽器を始めた人、数十年のブランクがあって再開した人、毎日一生懸命練習に励む人、音大を目指す人。いろんな人がいるわけで、そこに優劣をつけること自体が不可能です。

仮に優劣をつけるのであれば、それは過去と今の自分自身に対してでしょうか。

でも、これもちょっと違いますね。例えば、最近忙しくて全然楽器に触れていない、という方は、以前毎日のように楽器を吹いていた時に比べれば、少し感覚が鈍っているかもしれません。
じゃあこれは下手になったのか、と言えばそうではないと思います。単に「今」どうであるかにすぎません。

高みを目指している人だって、紆余曲折があって少しずつ上達するわけですから、「上手になったら」という発想は持てないはずです。多分今より上手になっても、その時「まだまだです」と感じてしまうと思います。

下手な演奏をしたら笑われる?!

「下手な演奏をしたら笑われるのではないか」と心配する声も耳にしましたが、これこそありえませんし、発表会は何度も経験していますが、そうした場面に遭遇したことは一度もありません。音楽を心から楽しんで、その時一生懸命に演奏している人を嘲笑するなんて、そんなのマンガの世界です。もしそんな人が実際にいたら、そこにいる資格がありません。
仮にそのような人が音楽をやっているのだとしたら、音楽に関わるのは辞めるべきです。というか、そんな人間にしてしまった教師や周辺の人間が問題です。

発表会というのは音楽を楽しむ人の交流の場であり、みんながみんなを見守る暖かい場所であるべきです。初めましての人も、その発表会がきっかけで友人になったり、その後一緒に演奏したり、そうつながりが生まれるきっかけであって欲しいと願っています。

荻原門下生トランペット発表会、来年1月13日開催です!

荻原明(おぎわらあきら)

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