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50代転職活動で気づいたこと

フリーランスで働いていたが、プロジェクトが終了してしまい、次の仕事を探すこととなった。年齢も50代なので、かなり大変かなと思いつつも、働かなくては生きていけないので、仕事を探すことに。


私の有利な点と不利な点

仕事を探すに当たって、参考のため、私のスペックの有利な点と不利な点を書こうと思う。恐らく私は普通のITエンジニアとはいろいろな点で外れているので、皆様の参考になるかどうかは分からないがとりあえず、リストしていく。

不利な点

  • 年齢:50代なので、世の中的には働き盛りを過ぎていると考えられているため、いくらやる気がありますと言っても、通用しないだろう。

  • マネジメント経験がない:これは年齢と考え併せても、かなりの欠点だ。日本社会では高齢であれば、それなりのマネジメント経験を求められ、その金額に見合ったものを求められるのだ。

  • 対クライアントの経験がない:私はコミュニケーション能力が低いのを自覚しており、しかも対人関係は疲れるので、避けてきた。現代ビジネスでは特にコミュニケーションスキルが求められているため、これも大きな欠点となる。

  • 地方在住:地方在住なので、東京への通勤は非常に困難だ。しかし、地方では専門性の必要な仕事は少なく、職場は限定的だ。それで以前は私も仕方なく通勤地獄の東京での仕事を探すことになった。

  • 転職歴が10以上もある:日本企業では転職歴が多いと我慢強さがないと考えられ、かなりの避けられてしまう。

有利な点

  • 専門が人気の職種:専門はデータサイエンスで、機械学習・ニューラルネットの経験・理解がある。これは今、とても人気のある職種で、需要が高い。

  • データサイエンス歴22年:データサイエンスという言葉がはやる20年前からデータマイニングに関わっていた。様々の生物種のゲノム配列が大量によまれ、ビッグデータが生まれたが、伝統的な生物学者は大量データを扱えず、データマイニングをするIT技術者が求められた。たまたまそこで私は仕事をみつけたのだった。

  • 一応国立大学卒:理工系、しかもコンピュータの専攻の卒業。だが、その経験もはるか昔のことだ。

  • 2つの大学院博士課程に行った:文科系の言語学と生物学(ゲノム情報学)の博士課程に進んだ。結局、両方とも博士号は取得できず、修士号のみ取得。これは、メリットのように思われるが、普通の企業では研究寄りとみなされ、実践が伴わないと思われ、多くの場合、書類選考で落とされた。

  • ビジネス英語:仕事探しにLinkedInをよく利用したので、外資系人事コンサルの人と話すことが多かった。意外と対応できて、話を何とか通じることができたので、ああ、まだ英語使えそうだ、と少し安心した。

  • 英語で論文が読める:これも研究には役に立つが、ビジネスシーンにおける開発・導入にはあまりやくに立たない。

  • Python歴22年:Pythonは同僚に薦められ、2001年ごろから使っていた。当時は日本語の本は全くなかった。マニュアルは米国出張の時にボストンで買ってきた。ちなみになぜか「はじめてのPython」の著者と同じ会社で一緒に仕事をしていました。

自分に合った戦略を考える

以上のように、私の経歴はかなり標準から外れているので狙いを定める必要があった。最初、私はAIブームだから、すぐに仕事は見つかるだろうと高を括っていたが、それは大間違いであることに気づいた。いくら応募しても反応が芳しくなかったのだ。慌てて途中から自分研究を進めることにした。

多くの求人サイトに頼った

人材コンサルや求人サイトも10件以上登録した。私が使った主な転職サイトをリストする。

Indeed

Indeedは、英語での仕事を探すとヒットするのでよいサイトなのかなと思い、使うことにした。検索能力はピカイチだ。ただし、お勧め求人お知らせメールがうざい。

LinkedInは、英語のSNS的側面だけでなく、外資系企業の求人サイトとしも使える。
それから英語を話す陽気なリクルーターたちやグローバル企業の人事部の人が求人情報を知らせてくるので、良い求人だったら、返事することにした。私の場合、そのようなリクルーターの営業活動により求人サイトに応募することになっていく感じだった。その結果、メジャーな求人サイトとは無縁な状態になったしまった。

CareerCross

CareerCrossは、外資系企業系の求人サイト。以前、使っていてやめていたが、Indeed経由で応募する時に必要なので、使うようになった。

Green

Greenも、Indeedの求人案件を応募する時に使った。

LabBase転職

LabBase転職は、研究などに特化しているため、私のような研究者肌の人には向いていると思う。しかし、結局沢山10件以上応募したけど、全く書類選考は通らなかった。例え私が研究者系だとしても大企業の研究系とはどうも縁がなかったようだ。

JAC Recruitment

JAC Recruitmentは、求人情報が多いのに、検索機能が全く使えない。もったいない。だが、コンサルタントの人が頑張っているみたいなので、人力で成果を出そうとしている会社なのか思った。

レバテック・ダイレクト

レバテック・ダイレクトは、案件数も多く、かなりいい感じに使える。ただし、レバテック社はいくつかの求人サービスを展開しているので、レバテックIDというのが統一しているのか、別なのかが分からず、勝手にリダイレクトされるので、かなり混乱した。

dodaデューダ

dodaは、案件数も多く、有名だ。しかし、おすすめ案件がどうも漠然とした職種のものが多く、私には向いていなかった。例えば、私が求めているのは、データサイエンティストやデータアナリストなのに、SEやビル管理業務や大企業の事務とかかなり外れていた。

ワークポート

ワークポートeコンシェル:一部分かりにくい点もあるが、個人的には全てのサイトの中で選考過程が一目瞭然で分かりやすい。それから、コンシェルジュの反応も早く、応募歴の更新も早いので、何か信頼できる感じだ。残念ながら書類選考を通る求人がなかったが、かなり有望な求人サイトだと思う。

Wantedly

Wantedlyは、以前使っていたが、どうも若者向けの印象があり、私には向いていないと感じていて避けていた。しかし、ある求人の応募にWantedlyを経由しなければならなかったので、しかたなく登録した。ところが、使ってみると意外と書類選考通過の当たりがよかった。最後になって私が転職活動に慣れてきたのもあるかもしれないが、Wantedlyは私の転職活動にとって書類選考率が高かった。もしかしたら、「まずは話を聞いてみたい(カジュアル面談)」という選択ボタンがあるので、企業側も求職者側も当たりを付けられるのでリスクを少なくできるので面談率が上がっているのかもしれない。
実際、私の転職活動はまだ決定していないが、Wantedlyを通して現在2社との面接が進んでいる。私にとってはWantedlyが向いているようだ。

転職活動で気づいたこと

転職は一本釣りではなく底引き網漁

私の最初のイメージは5件ぐらい応募したら、3件ぐらい面談依頼が来てすぐに決まるだろうと考えていた。しかし、現実は違っていた。私はおよそ3か月間、転職活動をしたが、トータルで257件の応募を行なった。ものすごい量の応募数だ。私の場合はかなりハードで、私は20件に1件の割合でしか、書類選考が通らなかったので、それを基準にしてとにかく興味がある案件を応募した。実際、ある人事コンサルの人は紹介案件(およそ20件ぐらい)全部応募するようにと促した。実際、その人事コンサル会社では1件のみ書類選考が通った。そして、私はなるべく面接が3件あるような状態に持っていくように応募数をコントロールして転職活動を続けた。

転職活動は恋愛に似ている

転職活動をしていて感じたのは、これは恋愛に似ているのではないかということだ。私は恋愛経験は乏しいのでこれを語る権利はないかもしれないが感じたこと述べてみる。私と同じく、ある人材紹介コンサルタントの方も就職活動は婚活と同じだから、プロポーズ、つまり内定が決まるまでが辛抱のしどころで、そこから就業・結婚条件を交渉するのだと語ってくれた。
この企業ならと魅力を感じて応募するが大抵の場合、見送り(お断り)か無視(連絡なし)になることが多い。つまり、勝手にこっちが相手・企業に合ってると思い込んでいても向こうは全く関心がないというのは、まさに恋愛と同じではなかろうか。我々男は特に高嶺の花に恋をする。もちろん、女も。
では、モテない男・女はどうすればよいだろうか。結局、数打ちゃ当たる戦法か、もっと自分と相手の相性を見極める目を持つ努力なのか。そのぐらいしか思いつかない。こんな教訓をきいたことがある。

結婚相手を探すにはダンスホールで探すな、畑で探せ

出典不明

ダンスホールで華やかに見える花に見とれてしまうのは人の性だが、結婚相手は埃にまみれて働く女性の方が結婚相手にふさわしいのかもしれない。シンデレラの語源は灰被り、暖炉で灰にまみれて仕事をしていたので、そう呼ばれた。我々はシンデレラを見つけられるのであろうか。

妄想を楽しもう

何10件、何100件もの応募をし続けていると、応募それ自体がゲーム化してきた。まるでパチンコにハマる人みたいにこれ当たるかな当たらないかなと射幸心をあおられ楽しくなってきた。この企業で仕事したらどんな風に仕事をするかなと妄想を膨らまし、応募ボタンを押す。だが、大抵の場合、お見送り、選考不通過となり、風船のように膨れた妄想はたちまちパチンと破裂する。
選考不通過にした企業に対し嫌な気持ちになるのが普通だと思うが、逆に私はこの選考不通過の通知をくれた企業には感謝するように努めている。なぜかというと通知をくれた企業はわざわざは私と合致しないことを教えてくれたのだし、そのような通知を早く行う企業は判断も対応も早く、もともと良い企業だからだ。たまたま私とは相性が悪かったのだと考えることにしている。

面談してくれた企業には感謝

面談をOKしてくれた企業にはいつも感謝している。私のように選考通過率の低い者のために時間を割いて面談をしてくれるのは有り難い。難しい転職活動続けていくうちに、そのような企業との縁は大事にしていきたいと感じようになったきた。

外国人が就職戦線に参入し始めた

転職活動をしてみて、10年前の感覚と比べると、外国人の数が多いという感覚がした。私の経験から言うと、外国人率が高く、公用語が英語である国際的な研究室にいたこともあるが、それは例外中の例外であり、普通の研究室は外国人が30%以上もいるなんてことはなかった。しかし、今では、国際色を売りにしている企業でなくても、外国人率が10~30%という場合も多く、私自身驚いた。

実際、日本全体では人口は減少しているが、東京周辺ではわずかに人口が増加しているという。それは外国の若者が東京に集まってきて来ているからだと思う。東京もついにロンドンやニューヨークのように真の意味の国際都市になってきたのだ。私が狙っている職業の性質もあるかもしれないが、創業者が外国人であるスタートアップもかなり存在していた。

その結果、我々職業人は日本人同士で職場を奪い合っているのではなく、外国人、しかも英語堪能で優秀な外国の若者と限られた職場を奪い合っているのだと言える。様々な意味で、日本に居続けても、否応なくグローバル的な視点を持たざるを得ない状況に追い込まれているのだと痛感した。

意外とまだ英語話せることに気づいた

外資系企業の人材紹介コンサルタントからスカウトが来たり、実際に応募することも多かったので英語を使うこともあった。いきなり自宅に電話がきて、それが英語の電話だと、すぐには英語が口から出てこない。私が不在の時に、英語の電話が来ると、家族の人が受けると何を言ってるのか分からずおろおろさせてしまった。しかもインドなまりのきつい英語だと本当に何を言っているのか分からないことも多く、家族に迷惑をかけてしまった。
長い間、英語を話す習慣から離れていた。英語で話しかけられると最初は何を言っているのか分からないが、次第に慣れてきて何とか対応することができることが分かった。以外にまだ英語使えるじゃんという自己認識が深まった。

スタートアップ企業やイノベーションへの理解が深まった

多くのスタートアップ企業の説明をみたり、自分の転職の難しさを実感するうちに、企業社会の中で何が起こっているのかすこしずつ考え始めるようになった。
最近のスタートアップは、以前のものと異なっていて、技術やイノベーション主導になってきていると感じる。以前のスタートアップ企業のCEOは大抵の場合、理工系ではなく、経済とか出身の人が多い。しかし、今のスタートアップ企業のCEOや立ち上げメンバーは理工系出身者が多いように思う。実際、技術の分かるCEOというのを売りにしているスタートアップ企業もある。
AI界隈では、東大の松尾研究室出身の学生が立ち上げているAIスタートアップが多く目につく。日本では松尾研究室だけがひとり勝ちの感じがあり、まだまだ十分ではない。しかしここ数年で他の大学研究室のスタートアップも増えてくるし、AI以外のイノベーションに特化したスタートアップ企業が増加すると私は予想している。

自己認識が深まった

難しい転職活動を続ける中で否応なく自分の能力ややりたいことと向き合わざるを得なかった。
私は過去にも仕事がうまく行かないことが多かった。それについて熟考してみた。すると言語化の能力が乏しいことに気づいたのである。そこで言語化と自己ブランド化の両方の意味で新しくブログを始めることにした。アウトプットすることは言語化能力を高めるには最も良い方法だとYouTubeで見たからだ。

Qiita はプログラミングの時にいつもお世話になっているサイトなので技術系の内容はそこに書くようにした。Qiita はイベントも盛沢山でよい。さすがIT系ブログだけあって、マークアップ言語で記事をかけるのでそれがとても便利だ。こういう機能が欲しかったんだよね。

note は前から知っていたが、どうも入りづらかった。しかし、noteは自分の考えを広めたりすること、つまり自分ブランド化にもいいのでないかと思い始めた。コミュニティを形成するにも使えそうだし、できれば収益化もできたらいいなと考えて、すこしずつ記事を書くことにした。

転職活動で得たこと

転職活動は、仕事を失ったため始めたものであるが、失ったものを補って余りある学びを得た。

関わった人材紹介エージェントたちに感謝

転職活動の中で様々なタイプの人材紹介エージェントたちと情報交換をし、応募し、待ち、結果を頂いた。能力を推し量るのははばかれるが、それこそピンからキリまで能力・熱意の違うエージェントたちと関わることができて、苦労よりも楽しみの方が多かったように思う。まるでRPGでいろいろな村人や戦士と交流して、ドラゴンを見つけようとしているみたいで時に期待感、時に絶望感を味わった。
私も仕事を見つけたい、彼らも仕事を紹介して報酬をえたいという共通の目的があったのだ。どのエージェントも一所懸命、選考通過のために様々な努力をしてくれたのだと思う。本当に彼らに感謝したいと思う。

仕事に就くのは始まりに過ぎない

上に書いたようにアウトプットするきっかけにもなったし、自己理解も進んだ。何よりも漠然と仕事をしていた時よりも頭が回転して新しいことをやるきっかけになった。これからもビジネスやイノベーションネタなどを探して、発信し、それを元にビジネスやコミュニケーションづくりをしていきたい。まだ旅は始まったばかりだ


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