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小説

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小説的ななにか
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#R18

夜の華媚(青い声)

夜の華媚(青い声)

その瞬間、体に馴染む体というものがあることを、俺は改めて感じていた。

沙羅のすらりと長い両足の間にある淫らにねじれた花びらから、とめどなく溢れ出す、さらさらとした愛液を味わいながら、薄い柑桔系のそれの源泉に先端を尖らせた舌を這いまわらせていく。ぴちゃぴちゃと子猫がミルクを飲み干すときのような音を立てながら彼女を責めている時、ふと茂みから立ち上るような淫らな香りが漂ってきた。

『もう、おかしくな

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夜の華媚(朱い涙)

夜の華媚(朱い涙)

粒となり、弾ける玉の汗が二人の体を流れていく残像が好きだった。あたしの名前を呼ぶ兄の必死そうな顔。その顔が見れるのなら、どんな苦痛でも乗り越えていけると思っていた。

兄は、あたしが18歳になった誕生日の朝に、線路に飛込んで死んだ。自殺の理由は今もわからない。最後に肌を重ねたのは、兄が飛込む五時間前だった。

兄とあたしは、血の繋がりは無く、あたしが、17歳の時に父の再婚相手の義母が連れてきた子供

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