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ショパンから学ぶピアノの練習の仕方

1番好きな作曲家を1人挙げよと言われればショパンと即答するほど大好きなショパン。

そんなショパンについての書籍でオススメしたいこちら


『弟子から見たショパン -そのピアノ教育法と演奏美学』
著者Jean-Jacques Elgeldinger
訳者 米谷治郎/中島弘二

ショパンから受け継がれた教えを弟子が言葉として残しているのでショパンを弾く上で非常に参考になる。

そして今回、考察を兼ねてご紹介したいのがピアノの練習方法だ。


有名な話ではあるがショパンは、弟子に『1日3時間以上弾いてはならない』と言葉を残している。
ショパンは練習がマンネリになり感覚が鈍くなることを恐れているのだ。加えて、練習には全身全霊をあげて集中しなければならない。と。

これを見るだけでは「そんな、3時間じゃ絶対足りない……」と思う方が大半かと思うが、きっとショパンが言いたかったのはそういうことではない。

人間、休みなしに同じパフォーマンスを保つにはせいぜい1時間から2時間が限度である。

さらに当時のピアノは今のピアノよりも発展途上にあり弾き辛く体の負担は今以上にあるだろう。

それを考慮した3時間なのではと私は思う。
だから3時間以上練習すべきではないのではなく、3時間が頭や特に体の限度だったのではと解釈する。

現に、フランツ・リストは、タッチが重く抵抗感のあるピアノで指を鍛え、休みなく繰り返すべきだと主張しているのをショパンは絶対に同意しなかった。

そしてショパンはピアノの練習の間に休憩を入れることを推奨している。 本を読んだり散歩をしたり好きなことをする時間に充てるのもよし。

私も個人的にあまり集中が得意なタイプではないので、ぶっ続けでは練習をしないように注意している。集中が切れたと思えば別のことをして、別のことをしている集中が切れたらピアノの練習に戻ったり。勉強でもこれは使える手である。

この本には他にもピアノを弾く上での体の使い方が書かれているところを見ると、理論的であり必ずしも感情論だけでピアノを弾いてる(教えている)人ではなかったことが伺える。

ショパンの解釈には色んな意見があるが、その一つでショパンの作品を大袈裟(?)に弾くのはどうなんだろうか?という意見がある。

それはこの当時のピアノは先ほど述べたように発展途上なので音が今より飛ばないのだ。だからその当時のように音を抑えめに弾くべきではないのかと。

だがショパンがもし現代のピアノを使っていたならばどうだろうか。フォルテはフォルテでも音が割れるようなフォルテではいけないが、私は大袈裟(?)に弾いても良いと思う。ショパンの場合、問題はボリュームではなく、音の質感なのではないかと思う。

2019/04/19

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