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成田空港 第1ターミナル 北ウイングから

先日、念願の北米大陸西海岸の縦断ひとり旅を実現させることができました。

近々、その様子を連載にてご紹介していきたいと思っておりますが、それに先立ち今回はその出国時に利用した成田国際空港第1ターミナル(以下第1ターミナル) 北ウイングの様子について記してみたいと思います。

特に、出国審査後のエリア内の様子は、成田空港から海外へ出国するときにしか立ち入ることが出来ないため、出国のために立ち入る機会がない方には、この中がどんな風になっているのかといったことについて触れつつ海外旅行気分でご覧いただけますと幸いです。

第1ターミナル 北ウイングにて

成田空港を象徴する景色のひとつ

成田空港と言えば、やはり上の写真の通り、第1ターミナルの出発ロビーにあるこの大きな出発便の案内板があるシーンを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

第1ターミナルから海外へ出発する人はみなこの大きな案内板の下にある出発口を通って出国審査場に進んでいくのですが、一般人も立ち入ることが出来るエリアがまさにこの案内板の手前までであるため、ここは海外に旅立つ人と見送る人の"別れの場"としても知られる有名な場所。数々のドラマやドキュメンタリー番組などの別れのシーンとしても使われてきた場所でもあります。

僕もこの光景を目にすると、
「いよいよ日本を離れるときが近づいた」
と実感します。

かつては写真にあるような電光掲示板ではなく、いわゆる"パタパタ"と呼ばれるフラップ式の掲示板であり、掲示される内容が変わるたびにパタパタと音を立てながら掲示内容が新しいものに次々と変わっていったもので、それは今以上に旅情を掻き立てるものだったと記憶しています。

今回は北ウイングからの出発となりますが、ここはかつて日本航空やノースウエスト・オリエント航空、カナダ太平洋航空といった、空の旅が今以上に華やかだった頃からよく知られた航空会社の便が多数発着していた場所でした。

そんな過去の歴史もあり、まだYouTubeもスマートフォンもなかった頃に、まだ見ぬ異国の地への旅立ちを前にドキドキ・ワクワクしながらこれらの航空会社を利用し、ここから国外へ旅立った方も多いのではないでしょうか

ちなみにこれは個人的なことですが、成田空港は僕にとっても思い出の場所のひとつです。

僕は中学生の頃から、学校が休みの日になるとよくひとりで成田空港に通い、展望デッキなどてわ
世界各国の飛行機の写真を撮って過ごしていたものです。その後に僕が航空業界で働くことになるきっかけとなった場所のひとつとも言える場所です。

開港当初からある第1ターミナル

〜紆余曲折を感じさせる検問所の施設跡〜

この第1ターミナルは、1978年の新東京国際空港(現・成田国際空港)の開港時からある唯一の旅客ターミナルビルです。

当時は開港反対派を巻き込んだ過激派の闘争も激しく行われていたと聞きます。その昔、空港敷地内に入るには、入り口にある検問所において手荷物検査や検問を受けなければ行かなかったそう。その名残として、各線の成田空港駅の改札を出るとすぐの場所に、検問所の施設跡が今もあります

検問所の施設跡 (写真は第2旅客ターミナルビル前のもの)

〜建て替えによりやがて消えゆく可能性も〜

第1ターミナルは供用開始から45年以上が経過し、やや歴史を感じさせるような作りになってきており、『新しい成田空港』構想検討会による「『新しい成田空港』構想 中間とりまとめ」には第1ターミナルの閉鎖の件が記されています。

やがてこの第1ターミナルは建て替えにより閉鎖され、その内部を見ることが出来なくなる日が来ることでしょう。

せっかくこの第1ターミナル北ウイングから出発する機会が訪れたため、その様子を写真に収めつつ、記事にて残しておこうと考えました。特に先の出発口から先のエリアは、第1ターミナルから海外に出発する機会でしか立ち入ることができないため、僕にとってこれは貴重なチャンスでもあります。

チェックインから搭乗まで、出発の流れに沿ってご紹介

〜出発ロビーでのチェックイン・手荷物預け〜

航空各社のチェックインカウンターが並ぶ出発ロビーは、第1ターミナルビルの4階にあります。

出発ロビーは4階、到着ロビーは1階という形で各ロビーを別々の階で分ける形式は今でこそ当たり前であるものの、第1ターミナルが開業した1978年当初にはまだ珍しいものだったのではないでしょうか。

さらに各ロビーのあるフロアに接するように、出発ロビー向けの道路、到着ロビー向けの道路が別々に繋げられていること。これによりバスやタクシーなどの道路交通を利用してやってくる出発旅客は、直接4階の出発ロビー前まで乗り付けることが出来るのです。スーツケースなどの大きな荷物を持つ出発旅客にとっては特に便利なものでしょう。こうした構造もまた、当時としてはかなり斬新なものであったことでしょう。

また下の写真にあるように、開放感のある天井の高さは、今でも施設の古さを感じさせないくらいに斬新さを感じさせます。

出発ロビーの開放感がある高い天井は、45年以上前のコンセプトとは思えないほど斬新さを感じさせるもの

ただ開港当初と違うのは、チェックインや受託手荷物を預ける手続きの形。当時はすべて航空会社のカウンターで行うか、箱崎にあるT-CAT(東京シティエアターミナル)などにある市中のカウンターで行う必要があったと思います。

それらも今や、チェックイン用のキオスク端末と自動手荷物預け機にて、航空会社の係員とは一切接することなく各種手続きを済ませることが出来るようになっています。そのため早ければ僅か10分でこれらの手続きを済ませることも可能だと思います。

航空会社の有人カウンターと、その手前にあるチェックイン手続きが出来るキオスク端末
キオスク端末の画面の一部
チェックインカウンターに並ばず、
セルフで手荷物を預けることが出来ます

〜税関手続き・出国審査・検疫手続き(CIQ)〜

チェックインや受託手荷物を預ける手続きを終えたら、いよいよ出発旅客以外の一般人は立ち入ることが出来ないエリアへと進みます

大きな案内板の下にある出発口にてパスポートと搭乗券を改札機にかざし、通過します。ここで、出発旅客以外の人とはお別れです。

「DEPARTURE」と書かれた出発口から出発

通過したら踵を返すように左に180°ターンし、エスカレーターか階段を使い3階にある出国審査場に向かいます。

出発口を通るとすぐ、踵を返して3階の出国審査場に進みます
出国審査場へ。この先は撮影禁止です🚫

出国審査の前に、必要があれば税関・各種検疫関係の手続きを受けます。そして出国審査を受けます。審査といっても一般的な日本国政を有する方は、無人の改札機のような端末にパスポートを読み取らせ、顔写真の撮影などをすればあっという間に終わるものです。パスポートへの出国印の押印は基本的に省略されていますが、必要な方は係員に告げて押印してもらうことも出来ます。

〜出国審査後のエリア内の様子🛫〜

出国審査を終えれば、いよいよそこは半ば「外国」。免税店などで買い物や飲食などをすれば、日本の消費税の支払いが免除されます

第1ターミナル北ウイング周辺の出国審査場のエリアには、各種有名ブランドの免税店やバラエティ豊かな飲食店、コンビニ、書店、土産店、ドラッグストアなどが軒を連ねていますので、飛行機への搭乗前のひとときをぜひここで過ごし、満喫して頂きたいところです。

ほかにもラウンジ、リラクゼーション施設、海外旅行保険の契約機、外貨両替機や窓口、ATM、SIMカードのレンタルサービス、フリーWiFi、喫煙室、ジェンダーレストイレ、給水器、フォトスポット、ベンチなどの便利な施設もあります

出国審査場を通過した先の場所
登場までのひとときを、免税店めぐりで楽しむのも良い

〜免税店・飲食店などを満喫〜

北ウイング周辺には、セブンイレブンやマクドナルド、スターバックス、マツモトキヨシといったお馴染みのチェーン店があるほか、CHANEL、BVLGARIなどといったハイブランドの免税店、ラーメンや寿司、カレーなど多種多様なジャンルの飲食店が軒を連ねています。広々としたフードコートもあります。

みんなに人気のマクドナルド
スターバックス
セブン-イレブン
日本の市販薬を買い忘れたら、お馴染みのマツモトキヨシへ
"免税店街"
名だたるブランドのブティックが並びます
名だたるブランド店が並ぶ"免税店街"を通りながら、のんびりと搭乗ゲートへ

また旅に必要なアイテムなどを扱うお店も多くあります。買い忘れのものがある場合、ここで購入しておくのも良いでしょう。

特に、日本でしか売られていないような市販薬、日本以外では入手しづらいもの、緑茶やお弁当といった日本食などは、一度飛行機に乗ってしまうと帰国するまでの間はなかなか入手できないので、必要に応じてここで購入しておきたいところ。

* ただし肉類や乳製品など、食料品の多くは検疫に関する法律上、渡航先の国に持ち込むことが出来ないケースがほとんどであるため注意が必要です。

広々としたフードコートもある
インバウンド受けしそうな、日本のお土産を扱うお店
電気街"秋葉原"の名を冠する、電子機器などを扱う免税店

免税店はインバウンドらしき方でかなり賑わっており、数年前までのコロナ禍の頃が嘘のような光景となっていました。

インバウンドや出発旅客で賑わう様子
座って休憩できる場所も
大きな窓の外に見えるさまざまな飛行機

出発ロビーにはベンチなどの座って休憩することができる設備はあまり見当たりませんでしたが、出国審査後のエリアには座って休憩できるような設備がたくさんあります

また開放感のある日差しが差し込む空間や、空港ビューが見られる景色、写真映えスポットなど、心地がよく楽しめる設備も色々とあります。

特に発達障害当事者の一人として、発達障害当事者などが落ち着いて過ごすこともできる部屋である「カームダウン・クールダウン」という施設があるのも嬉しいところです。

ところどころに、和風を感じさせるデザインも
開放感のある日差しが降り注ぐ空間
窓の外には世界各地の航空機の姿が見られます
SNS映えも狙えそうなフォトスポット
ドトールコーヒー
最新鋭の新たな乗り物!?

もちろん、ラウンジもあります。

第1サテライトにある「NARITA PREMIER LOUNGE」の案内板
同エントランス付近の様子

免税店などが軒を連ねるエリアを通り過ぎると、搭乗口がいくつも並ぶサテライトに出て、いよいよ搭乗口に近づきます。窓ガラスの外には世界中の様々な航空機の姿が間近に見られるようになります。

飛行機嫌いの方にとっては、この辺りで不安感がMAXになる頃かも知れません。そんな不安感を多少なりとも和らげてくれるのも、こうした各種施設や施しの恩恵かも知れません。まさに「痒い所に手が届く」と言えるようなさり気ない設備や施しが充実しているのは、日本の空港ならではの特徴だと僕は思います。

そんな搭乗口周辺にもいくつか売店や飲食店があるので、日本を離れる直前で何か必要なものが生じた際にはここで購入することも出来ます。機内で飲食するコーヒーやお茶、軽食、トラベルグッズ、化粧品類など、買い忘れはありませんか?

お茶漬け専門店のこめらくとドトールコーヒーショップ
Avionといえば、
羽田空港にもあるカレーの美味しいお店
搭乗口が並ぶサテライト内の休憩スペース
自動販売機もあります
搭乗前に、不要なゴミを捨てておくのも良いでしょう

さてこのように、今回僕が利用した成田空港第1ターミナルの北ウイング周辺には、単に飛行機に乗るだけの利用ではもったいないくらいに沢山の名店や便利な施設が揃っています

海外に出発する際には、ぜひ早い時間にチェックインや各種手続きを終え、空港でのんびり各種店舗や施設を利用しながら楽しんでみてはいかがでしょうか。

さて、僕はこの後北米大陸西海岸の縦断ひとり旅へと出発しました。その旅に関する記事も追って掲載していきたいと思っておりますので、ぜひ引き続きご高覧いただければ幸いです。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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