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電気の話 その7

静電気放電のこれからの利用分野

当たり前ですが、製造業では機械を動かします。すると、必ず機械は帯電します。すると、いろいろと問題が起きるのです。目で見えるのは静電気のせいで、例えばビニールとか埃、原料の粉体とかが機械に付着します。
すると、機械は制御のために電子部品が内蔵されていますから、粉体の細かい物がおびき寄せられて、基板とか部品の端子部分に入って来ます。
それで、ショートする事もあります。また、機械に付着することで、作業がやりにくかったり、除去するのに時間を取られる。

以前も書いたように、静電気は電流(A)は低いけれど、電圧(V)は高い。
セーターやフリースを脱ぐ時の電圧は2,000V以上だそうです。
私が車のテストをしていた時の、指から「バッチッ!」と飛ぶ、痛みのある静電気は3,000V以上だそう。ちなみにアルカリ乾電池は1.5Vです.。

そのような、アンペアは低いけれど、超高電圧がいろいろと悪さをするのです。それで、機械には除電装置が取り付けられているのですが、全ての静電気を除電出来ていいるかといえば、そうでもありません。
当ブログの「自動車開発の思い出 その5」では、ある自動車メーカーの余りに酷い塗装のゴミ噛みの事を書きましたが、おそらくそのメーカーの塗装のラインでは、静電気対策をやっていなかったのではないでしょうか?
先日開催された、自動車や製造業の先端技術の展示会オートモーティブワールドに行きました。
静電気の防止のブースは2つ。共に製造現場での静電気の悪影響を防止する技術で、パナソニックの方と少し話をしパンフレットを頂いて来ました。

ミストを噴霧して湿度で静電気を抑制する展示

塗装では、逆に静電気を利用する場合もあります。例えば、粉体塗装(パウダーコート)は、塗装の原料が文字通り粉となっているのを、対象物の金属を-に帯電させて、付着させてから焼き付けするものです。

また静電気は、極端に線が細いICチップや電気回路にショートを起こしたりして、故障の元になります。パソコンもしかり。放熱と放電は、目立たないですが電気製品には欠かせないものです。実は、友人の超高級日本製アンプにマジ軽ナットを取り付け、音質が向上しています。
オーディオマニアの間ではずっと前から静電気の除電で音質が良くなるのは常識です。それに比べたら自動車業界はトヨタは特許を取ってはいるものの、レース以外で実用化されているのは、新型クラウンの除電シート位という、情けない状況です。

知る人ぞ知るMK-9999と言えば…。彼は真空管式のプリ・メインアンプも所有しています

除電でオーディオの音が良くなるという事は、電気がスムーズに邪魔されずに流れるという事。今の車やオートバイは空燃比などのセンサーがいくつも付いているので、その信号が乱れるのではないかと考え、2012年頃からセンサーを除電していました。
オーディオの事象から考えると、逆に除電していなければ少なくとも影響があってもおかしくないからです。
後々調べると、トヨタ自動車も同じ事を考えていて特許を取得していました。またしても同じ思考だったのです。
体感としては効果は感じられませんでした(体感として感じる程なら、エンジンが結構不調という事になります)が、転ばぬ先の杖でやっておいて損はありませんね。

数年前に新潟の煎餅工場で大爆発があり、何名もの尊い命が失われました。私は事故のプロでありませんから断定は出来ませんが、ニュースで見た火災の映像を見ると窓のフレームが建物の外側に向けて”くの字”に曲がっていたので、何らかの爆発が原因での火災の可能性が高いです。それがガスなのか粉塵爆発なのかは分かりませんが、ただの火災ならくの字には曲がりません。

粉塵爆発とは、細かい粉が集まると表面積が増え、少量では燃えにくい物が、急速に燃焼する。つまり、爆発するのです。だから、小麦粉や粉茶を作る工場などでも起こりうる。ガスでも粉塵でも、爆発のきっかけは小さな静電気の事も多いのです。
日常にある静電気が原因での故障やトラブル。それを安価で安定的に防ぐのにも役立つ。乗り物やタイヤだけではなく、動かない家電でも実証結果が出ています。

私はテストドライバーでしたから、車やオートバイの走行性能が向上して運転し易く楽しく走れる事が面白い。マジ軽ナットのユーザーさんも最初は半信半疑だった事でしょう。でも使ってみたらお伝えした通りの体感になる。
明日は厚木市で開催されるエクスチェンジマートに出店しますが、既にバックオーダーの注文と来店される旨の連絡を頂いております。
今まで知りえなかった方と、静電気の除電で知り合えて友達にも慣れる。
明日も何人ものヘビーユーザーさんが来店されます。
エクスチェンジマートは早朝5時からの開催で当店は5時半頃からとなります。

会場にいらっしゃる方は、このような感じでご説明をしております。

ブルーのバナー(フラッグ)が目印です。

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