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チェルノブイリ日記 49 ~ エネルゲティック文化会館に入る


エネルゲティック文化会館へ向かう

 前回のあらすじ。
 ポリーシャホテル(готель Полісся)の散策を終えました。

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※ 過去の日記はこちらから。

 ポリーシャホテルの散策を終え、外に出て来ました。

 ポリーシャホテルのすぐ西に建っています「エネルゲティック文化会館(Палац культури «Енергетик»)」に向かいます。
 この写真はポリーシャホテルとエネルゲティック文化会館の渡り廊下にあった物です。掲示板だったのかな……。

 ポリーシャホテルとエネルゲティック文化会館は50mも離れていません。

 着きました。近いね。

「エネルゲティック」というなかなか聞き慣れない言葉なのですが、英語版のWikipediaによりますと"energetik"と書き、その意味は"energetic"(エネルギッシュな)と"power plant worker"(原子力発電所で働く人)を合わせたものだそうです。言葉遊びですね。

 しかし実際はロシア語のはず。ロシア語だとどうなるのでしょう。
 ロシア語ですと「エネルゲティック文化会館」は"Дворец культуры Энергетик"だそうです。建物の上部で輝いていたであろうこのサインがそうですね。
 DeepL翻訳によりますと"Дворец культуры"が「文化会館」とのことですので、"Энергетик"が「エネルゲティック」ということね。
 "energetic"が"энергичный"、"power plant worker"は"рабочий электростанции"だそうで……ガラガラポンで"Энергетик"になるのでしょう。ロシア語、分かりません!

 掲示板らしき枠組みが立っていました。
 外国のサイトを調べますと原発事故が起こる前のエネルゲティック文化会館の写真が何点かヒットするのですが、この掲示板らしき物がどうも見当たらないのですよ……。
 原発事故の直前に立てられたのか、後に……?

 原発事故が起こる前はこのような大きな木もなかったのですよ……。

1985 год. Фото из архива МОО "Центр ПРИПЯТЬ.ком"

Posted by Дворец культуры "Энергетик" on Wednesday, February 21, 2018

 さぁ入りましょう。
 2階部分は風通しが良さそうというかいつかこちら側に向かって崩壊して来そうな雰囲気ですが、かつては窓ガラスがはめ込まれていたのですよ。綺麗に割りましたね……。

 開放的な造りの建物ですがもちろんかつてはガラスなり扉なりがありました。
 今となってはチェルノブイリに来て何脚見たか分からない、謎に破壊された限界椅子があるだけです。

壁画に圧倒される

 お邪魔しますよ。
 吹き抜けで開放的な造りですね。外から見たときと同じ……窓が破壊されて開放的になったのとは意味が違いますね。

 おぉ!?

 壁画!
 しかしなかなかに傷みが激しいですね。
 プリピャチの中では訪れやすい場所ですので色々な人が写真を撮ってネットに載せられているのですが、よく見比べてみますと傷みが年々進行していることが分かります。
 私の写真と見比べて、このページの写真ではこの部分が見えているのに……逆にこの部分が見えなくなってしまっていることもあります。
 何十年か後には見られなくなってしまう絵なのでしょうね。

 この絵のテーマは何なのでしょう……。
 右側の白衣の人たちは研究者、左側の人たちは農民? 社会主義国家によくありそうな、農民と労働者と知識人がそれぞれ力を発揮してより良い社会を作りましょうみたいなことなのかしら。ほら、朝鮮労働党のマークみたいな……。

 そして壁画の下にこっそり見えていましたこれは……。

 ちょいと調べましたところCCCPとは「ソビエト社会主義共和国連邦」だそうです。ソビエトの成立から60年の記念……ということでしょう。1982年のものと思います。

 ところでイケメンとガイドはどこに……。

 いつの間に2階へ!
 私も2階へ上がります。

 2階へ……階段の両脇に棒が並んでいます。手すりだったのですよね、多分。よくこんな状態にしましたね。
 ただの破壊だったのでしょうけども、何やら意味ありげなオブジェに思えて来ます。

 2階と3階も吹き抜けになっているようですね。開放的だなぁ。
 天井のデザインは元々こうだったのかな。気になります。

 階段から先程の壁画を撮影します。
 右側に描かれた、串に刺さったアポロチョコレートみたいなのは何なのでしょうね。

 壁画の左端は輪になって踊る人たちでした。しかし楽しそうな表情ではありませんよね。うつむき加減……。
 身を寄せ合って寒さに耐える姿とか敵の攻撃が終わるまで隠れている姿だったりして……んなわけないか。

 手前に何か置かれていますね。危ないな……落ちたらどうするん。

 何ぞこれ……。
 BBC(英国放送協会)のサイトによりますと「エジソン-2」というディスコで使われていた機械とのことです。プリピャチではディスコが毎週末開かれていたとか……。
 どのような雰囲気だったのでしょう。どのような音楽が流れていたのでしょう。

次回予告

 侵食……。

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