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チェルノブイリ日記 55 ~ エネルゲティック文化会館で政治色の強いイベントの痕跡をたどる


「有権者クラブ」の謎

 前回のあらすじ。
「エネルゲティック文化会館(Палац культури «Енергетик»)」の劇場を見た後、資材置き場に着きました。

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※ 過去の日記はこちらから。

 資材置き場をもうちょっと見てみましょう。

 手前に何か書かれています。Google翻訳によりますと「有権者クラブ」とのこと。分かるような、分からないような……。
 ちなみに「КЛУБ」が「クラブ」、「ИЗБИРАТЕЛЕЙ」が「有権者」とのことです。「有権者クラブ」だと真面目な集まりみたいな感じですが、「クラブ有権者」だと場末のスナックみたいに思えますよね……。

 その上の黄色い板に描かれています

 この絵!
 指導者たちの肖像画と「有権者クラブ」とこの絵が結び付かないのよ。どう使われたのでしょう? 幼い子供たちにこの国のシステムを植え付けるイベント? 本当に「23分間の奇跡」の世界なのですか?

色褪せた絵の謎

 右上に見えますこれらも謎なのですよ。銀色の丸は……銀の月?

 何か書かれているのですが……分かりません!

 ねぇ、アルファベットの「q」みたいなキリル文字って何なん……?

 右上の少し赤い文字は「факел」と書かれています。Google翻訳によりますと「松明」とのことです。

 原子力っぽいマークではあるのですが、色々と画像検索をしてみましても同じマークがヒットしません。何なのでしょう?

 この部屋へ来て未だに何も分かっていませんね……。なんやこの日記……。

箱に国章の謎

 蓋の付いた箱? も置かれていました。ステッカーが貼られているようです。

 ポリーシャホテルの屋上から見ましたウクライナ・ソビエト社会主義共和国の国章ですね……と思いましたが何か違和感がありますね。

ポリーシャホテルから見えた建物に掲げられていた国章

 屋上から見た国章がこちらです。下部分のリボン? みたいなところが違いますね。
 調べてみましたら箱のステッカーはソビエト連邦の国章でした。

子供を逆さ吊りにする謎

 こちらは……ポリスボックス? いやいやまさか。
 中に絵が描かれていますが

 どうして逆さま?
 このポリスボックス……何と呼べば良いか分かりませんので便宜上そう呼びますが、これ自体が逆さまに置かれているのでしょうか。

 この部分は屋根ではなくて地面に接するところで、倒れないようにバランスを取る遊びだったりして……。

 悪い子供を逆さ吊りにしておく小屋だったりして……。

樽の謎

 ところで写真を眺めていて気が付いたのですが

 小屋の横に樽が置いてあります!
 ポリーシャホテルでも見掛けましたよねこういうの。

ポリーシャホテルに転がっていた樽

 ソ連と樽、プリピャチ市と樽、文化会館と樽、原子力と樽、樽、樽……そんな言うほど樽って見掛けるもんなの? たくさんの樽なんてボーナスステージでしか見たことありませんよ……ストリートファイターIV……。

レーニンさんの言葉がここにある謎

 色々な物が置かれたままになっています。何なのでしょう……。文字が書かれていますのでGoogle翻訳に聞いてみましたところ

「情報」だそうです。

 こちらは「勉強、勉強、勉強! ウラジーミル・イリイチ・レーニン」とのことです。
 ソビエト連邦の初代指導者であるレーニンさんが言われたそうで、ソ連ではポピュラーな言葉のようですね。
 まぁそれが何故ここに置かれているのかは謎ですが……。

コムソモールの謎

 さてお次は……何となく政治色が強そうと思ってしまうのは偏見なんですかねぇ?


 例によってGoogle翻訳に頼りますと「ВЛКСМ」は「コムソモール」とのこと。コムソモールとは何ぞ……Wikipediaによりますと

マルクス・レーニン主義党、主に共産党の青年組織である。いわゆる青年団の一種。共産主義青年団。ソビエト連邦共産党に協力するボランティア組織であり、汚職を告発するスパイと密告者の養成機関でもあった。

コムソモール - Wikipedia

 スパイと密告者を養成するボランティア組織って……。まぁ日記の趣旨からずれますので深くは気にしないこととします。
 この絵がコムソモールのロゴマークで、描かれている人はレーニンさんのようですね。

 下の「КОМСОМОЛЕЦ УКРАИНЫ」は「ウクライナのコムソモレツ」。分かるような分からないような……。コムソモールのウクライナ支部みたいなことなんですかねぇ? と思いつつ検索しましたら

コムソモーレツ・ウクライーヌィ(ロシア語:Комсомолец Украиныカムサモーリェツ・ウクライーヌィ)は、ソ連で建造された大型対潜艦(Большой противолодочный корабль)である。艦名は、ロシア語で「ウクライナのコムソモール員」という意味。建造地であり、母港も置かれたウクライナ共和国を記念し、またコムソモールの40年に亙る貢献を讃えた名称である。

コムソモーレツ・ウクライーヌィ (大型対潜艦) - Wikipedia

 へぇーへぇーへぇー。まぁこの看板の意味するところは大型対潜艦ではないのでしょうけども。

 中央の「АГИТПОЕЗД」は何ぞ? Google翻訳によりますと「アジトレイン」……検索してもよく分かりません。
 ロシア語で検索してみますと英語版のWikipediaがヒットしました。Google翻訳によりますと

アジト・トレイン(ロシア語: agittrain )は、ロシア内戦、戦時共産主義、新経済政策の時代に、ソビエト・ロシアのボリシェヴィキ政府がプロパガンダ目的で装備した特別な補助車両を備えた機関車のエンジンである。 鮮やかに塗装され、印刷機、政府の苦情処理室、印刷された政治チラシやパンフレット、図書館の本、移動映画館を積んだ扇動列車は、価値観を紹介するためにロシア、シベリア、ウクライナの鉄道を旅しました。そして、散在し孤立した農民に対する新しい革命政府の計画。

Agit-train - WikipediaをGoogle翻訳

 うん、政治色が強そうと思ったのは偏見でも何でもなかったね!

資材置き場は謎のまま

 資材置き場を細かく見ましたが結局のところエネルゲティック文化会館で何が行われていたのかは分からないままでした。
 まぁ政治色の強いイベントが開催されていたのでしょうね……。

 ちなみにロシア語のキーボード入力については「やまでら くみこ のレシピ」さんのこのページを使わせて頂いています。ありがとうございます。

次回予告

 何の建物だったかな……。ちょっと移動します。

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