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やっぱり筋肉の映画

心の穴に風がよく通る日は、筋トレもストレッチも中断して、泣ける映画を観る事にしている。
毎回、泣いてしまう本でも構わないのだが(キングダムの仲間が亡くなるシーンは、いつも感情を崩壊させられる)本には我に帰る隙がある。
ページを繰る、次の巻に取り替える、眠気に襲われて本を落とす。
映画は一度始まると最後まで流れてくれるから、自分のタイミングでしか我に帰らない。

ヨガマットの上で仰向けになって5分。今日は無理だと諦めを受け入れる。何を見ようかと起き上がりかけて、ふと、筋トレだけしておこうと思い立ち、その数分だけ精を出す。いつもなら30〜40分取り組むそれを10分で終え、iPadを持って定位置についた。
契約してるのはディズニープラス。
ディズニー映画は私の感情の放水にいつも一役買い、鑑賞後のやる気まで奮い立たせる最強のツールなのだ。
自分の中で泣きたい時のテッパンがある。
「ベイマックス」「リメンバーミー」「プリンセスと魔法のキス」「ティガー・ザ・ムービー」ちなみに「トイストーリー」は3が一番。

ベイマックスだな・・・

なんとなく筋トレ中からそんな気がしていた。ヒーローズジャーニーはいつだってわたしを

プレデター、あるやん

今夜は感情の放水であって

コマンドー、あるやん

アドレナリンの放水では


コマンドーを観ました。



ディズニープラスのあらすじ、粗過ぎて好きです。
機関銃でパイスラ、写真のチョイスも良いですね。

主人公の登場カットが顔ではなく、上腕二頭筋から始まる。視聴者の気を衒ったカメラワーク。このアップ、iPadサイズで流石の私も「?」となったので、当時映画館の大画面で見ていた人はもっと「?」だったと予想できる。
「北京ダック?いやいや、上腕二頭筋じゃん!」なんて、ポップコーン片手にコークを啜りつつ、隣の席の友人の肘を突く。そんな微笑ましい当時の映画館内での景色も浮かびます。羨ましい。

この映画は・・・シュワルツネッガーの筋肉と身体能力を無心に愛でる映画です。
他の情報は要りません、いや、考えるなんて無粋です。情緒なんてロケットランチャーでぶっ飛ばしましょう。
これは、彼のプロモーションです。

幼女と野生動物と戯れるシュワルツネッガー
車の扱いは基本筋肉のシュワルツネッガー
飛行機に搭乗した時既に脱出に成功しているシュワルツネッガー
筋肉もりもりマッチョマンの変態扱いされるシュワルツネッガー
装備の最中に意外と簡単に逮捕されるシュワルツネッガー
装備と乗り物は変わるが、お色直しは一度のシュワルツネッガー
人類が想像し得る、全てのかっこいい戦い方を網羅できるシュワルツネッガー
パワー!!!!シュワルツネッガー

筋肉の至高ここにあり!いいぞもっとやれッ!!!
深夜テンションで最近ブームのハト麦茶をひっかけながら、私は猛り、拳を振るわせる。

そして心の穴を筋肉で塞いだ私は、満足して床につくのである。

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