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神羅万象を知る映画

5月の終わりに、姉の推しの中村倫也くんの「宇宙人のあいつ」と、私の推しの菅田将暉の「銀河鉄道の父」と2本一気観を決行した。
2本共、たまたまだが「家族の絆」そして「別れ」が題材の映画で、後半ではその「死」についても大きく触れている。
私は「死」について人より好奇心がある。
物心がついた頃から私にとって怖いものはお化けや幽霊、物の怪の類より何故か戦争が怖くて眠れない夜がある程だった。大人になり「死」のメカニズムを知る事により、漠然と怖い、から興味深いものになり、その旺盛な死に対する知的欲は今も継続中だ。
この時も、田坂広志先生の「死は存在しない」とゆう新書を最近読み始めたところでもあった。

宇宙だった。

「死」を理解する為には、医学や身体、脳のメカニズム、民族や宗教に触れることはよくあるが、まさかの量子力学だった。
私は一度本を閉じて休んだ。
そして視線で窓から一望出来る遠くを目指し、遠ざかる雲を見つめた。
精神世界、とかちゃうんか。及ぶかな、私の理解。
本書はわかりやすく、宇宙のメカニズムや相対性理論について書かれており、順序よくタイムスケープの話に入った。
私はもう一度本を閉じて休んだ。
窓から見える夜空は、真っ暗で明日の天気を予想させる。
波動ね、ふうん、波動なんやぁ。そんなん学校で習ったかんかなぁ。
丁度よく睡魔が手招きした頃、救いの言葉が目に入った
「タイムスケープのイメージを見事に語ったのが、クリストファーノーラン監督のSF映画「インターステラー」である」
私は刹那の動きで映画を頼った。先生の文章はわかりやすい、めっちゃわかりやすい。正直、わかるんやけど、けどわからんのだ。それすなわち、わからんのだ。

映画とゆうコンテンツの凄さは、天才の脳内を多種多様な専門家や技術家が寄ってたかって映像化してくれることだ。理屈は俺達に任せろ、精一杯噛み砕いて、歯がなくても飲めるくらいの内容物にしてやるから、流し込んで胃の腑に落とせ!と私達は各々の消化器官を駆使して思い思いに味わい消化するだけにしてくれる。
この「インターステラー」も、それがないと到底理解などする気も起きない、壮大な内容の映画だ。

地球の寿命は尽きかけていた。居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。彼を待っていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙。はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか?

Filmarks「インターステラー」より

映画を鑑賞する時、どんな視点で観るか?
あくまでも純粋に、主人公や登場人物の視点でストーリーを楽しむ。家族の絆を事細やかに見つめる。地球滅亡のパニックアクションSFを拳を握って楽しむ。ブラックホールを見てみたい。
多分、私もその視線で鑑賞したはずだ。
だが、今回の私は量子化学を手っ取り早く知るためにこの映画を選び「ゼロポイントフィールド理論」についてもある程度学んでいた。
まず、人の記憶とはどこにあるのか?
人の記憶の在処を、普通に考えてみると「脳」だと思う。ならばと脳の一部を取り出して調べてみても、そこに記憶は見つからない。細胞の一つ一つに細分化しても、見つかりはしないのだ。
そこでさらに細分化してミクロレベルでみると、細胞は原子になり、電子になり、素粒子になり、最終的に「波動」と言われるエネルギーの振動になる。本来私達は「物質」ですらない。
そして人のみではなく世の中の全て、万物のものがこの「波動」で出来ている。宇宙の創生、世界の歴史、大好きなあの子との思い出も全て「波動エネルギー」であり、現在、過去、未来、全ての事を記憶しているのだ。
ここで疑問なのが、現在と過去は理解出来るがなぜ未来がわかるのか?だ。これは、過去と現在の情報があれば、起こりうる未来を高確率で予想出来るからである。この現在、過去、未来の時間情景をギュッとしたのが「タイムスケープ」である。ドラえもんのタイム風呂敷のようなイメージだ。

主人公(マコノフィー)がブラックホールの中で遭遇した過去の自分達、あれがこの「タイムスケープ」を分かりやすく映像化したものだった。
このシーンで主人公のやる事を見ていると、世の中に起きる不思議な出来事「予知」や「引き寄せの法則」のカラクリが理解出来るし、信じても良い気がする。作中でも、主人公の娘「マーフィ」の名前の由来は、世界で一番有名な引き寄せの法則からきている。170分は長いとの感想が多いが、いやよく収めたなーと逆に私は感心した。
因みに「重力が違うと時間が変わる」カラクリは、重力は時間と空間の歪みであり、物体を引き寄せているわけでは無いからだそうだ。引き寄せているように見えるけど、歪んで経路が変になってるだけ。質量の多いもの、例えば太陽が近くにあると、その歪みが大きくなり時間が違ってくるので、時間の流れって銀河や星によって変わるとか。なるほどね。
「宇宙人のあいつ」でも、土星人であるピカル(倫也くん)が「土星の1年は地球の23年」と言っていた理由も頷ける。
ついでに「土星人は家族の概念が無いので、それを調べに来た」理由も、このインターステラーは補足してくれている。
「土星人は、蜂のように繁殖する」らしいが、移住計画のプランB「凍結した受精卵を持って行き、代理母出産で人類を増やす」で説明がついた。

たまたま見た映画がこんなにシンクロするとはな。これももしかしたら「タイムスケープ」を覗いた未来の私からのメッセージかもしれない。ただ、人類滅亡の危機も背負っていない私にそれを送ったとて、ただの人生の暇つぶしにもならない労力だが。
まぁそのくらい未来の私は暇なんやろう、それが知れてヨカッタネ。

因みに、この「ゼロポイントフィールド理論」が実証されると「死」とゆう概念は無くなり「死」は物体が分解されるただのプロセスになる。私たちの肉体は無くなるが、波動エネルギーとなり、全てのメモリーを保持したまま、この世界に漂い続ける。消えることはないのだ。とゆうことは、個人との肉体的な別れを惜しむ儀式としての葬式はあっても、お墓は要らなくなる。
ここで「千の風になって理論」が実証される。
私のお墓の前で泣かないでください。そこに私はいません、眠ってなんかいません。千の風になってあの大きな空を吹き渡っています。

知らんけど。


これも偶然かもしれないが「銀河鉄道の父」も「インターステラー」も破天荒で天才肌の子を、親バカな父が看取る話でもある。
菅田将暉の冥土へ渡る表情の演技と、その瞬間に始まる役所広司の詩の朗読は圧巻としか言いようが無い、是非これも観てほしい。

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