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オランダ人は、調理にかける時間が世界で一番短い

先日ふと「そういえば、オランダ人はどれくらいの頻度で自炊するんだろう?」と疑問に思い、調べてみました。
ちなみに、オランダは「食べ物が簡素な国」として知られています。キリスト教のカルヴァン派の影響で、贅沢な食べ物や美食が文化に定着しなかったようです。けれど外食費は高いので、国民は家で食事をする回数が多いのではないかと予測していました。

●自炊し、家族との夕食を楽しむ

検索して、まず最初にみつけたのがこちらの記事。

この2019年の記事は、オランダの栄養センターが1000人を対象に行ったリサーチ結果に基づいて書かれていました。

夕食は平均して週に5.5回自宅で調理されます
お惣菜やテイクアウェイ用の食事は、平均して週に1回。
オランダ人の半数以上(52%)が、夕食時にパートナーや家族との会話を楽しんでいます。全回答者のわずか4%が、夕食時にソーシャルメディアをチェックすると答えています。
25%がテレビを見て、全回答者の5分の1(19%)が、夕食にまったく煩わされていないと答えています。

これはコロナ前の記事なので、テイクアウェイやデリバリーに関する部分は、近年では変化があったのではないかと思います。けれど、だいたいは私の予想通りでした。

●衝撃の「マギー」の調査結果

そして思わず笑ってしまったのが、オランダの有力紙「Trouw」の2015年の記事。

この記事は、世界的に有名な食品会社「Maggi」主導で行われた、世界各国の食事事情に関する調査に基づいて書かれています。オランダからは、18歳から70歳までの3344人が調査対象になったのだそう。そして回答者の63%が女性でした。
大元のマギーの調査レポートを探したのですが、見つからなかったのでTrouwの記事から抜粋します。

オランダ風の鍋料理は今でも人気があります。オランダで消費される食事のほぼ半分は、ジャガイモ、肉、野菜で構成されています。最も人気のある野菜はサヤインゲンで、最も食べられる肉は鶏の胸肉です。
温かい食事を調理するためにオランダ人がかける時間は、(調査対象のなかでの)世界最短です:18分
調査によると、アムステルダム、ロッテルダム、ハーグ(※)の人々は他の場所よりも長く調理することが多いと述べています。40〜50分の調理時間は、この3つの主要都市で非常に一般的です。
※オランダを代表する3つの大都市

調理時間18分て、超手際いいな!と思ったのですが、これはあくまでも平均値。大都市に限るともっと手間暇をかけて調理をしているようです。都市部の人のほうが、食事に対する意識(または健康意識?)が高いのかもしれません

男性は食事の約38%を調理し、一般的に女性よりも時間がかかります。彼らは一般的に料理をより楽しんでおり、料理の振る舞いは伝統的ではなく、女性ほど手際よく動いていません。
調理するオランダ人は、平均して5つのレシピを暗記しています。

「伝統的ではない料理のふるまい」って何かよく分からなかったのですが、まな板と包丁を使うみたいなことでしょうか?でも男性も4割弱の食事を担当し、調理を楽しんでいるのは良いことだと思います。

「暗記しているレシピ」=「普段のレパートリー」ではないですが、まあ大体はそんな感じなのではないでしょうか。そこに先ほど書かれていたように週1回程度のお惣菜やテイクアウェイを加えて1週間の食卓を切り盛りする、みたいな。

●オランダの食事ってどんな感じ?

ちなみに、オランダでおなじみの食事をご紹介したくてオランダ語のサイトをいくつか回遊したのですが、なかなか画像入りの適当なサイトがみつかりませんでした。「典型的なオランダの食事」といったようなワードで検索しても、お菓子とかの紹介サイトしかみつからなくて。そんな中でも、↓こちらのサイトはなかなか健闘していると思います。

サムネイル画像は、オランダの夕食の代表格「スタンポット」。ケール入りマッシュポテトと、燻製ソーセージを使った料理です。
他にも「フライドポテトだけの夕食」というものオランダでは普通にあり。おかずも主食もすべてフライドポテト。それなら確かに、18分で作れるかもしれません。
共働き夫婦も多いオランダ(女性の就業率7割以上)では、無理せず手軽に食べられるものが好まれるようです。

●コロナでオランダ人の食生活はどう変わった?

上記2つの分析は、どちらも数年前に書かれて、コロナ禍より前のもの。では、ロックダウンでそれがどのように変わったのでしょうか。

私は安直に、「ロックダウンでレストランが閉まり、在宅時間も増え、人々はもっと料理するようになったのでは」と考えていました。けれど、そんなにシンプルではないようです。
上の2つの記事をざっくりまとめると、

若者世代では、調理時間が減り以前よりもデリバリーなどを多用するようになった。1週間を通して献立を考える計画性が減少し、簡便な解決策(デリバリー)をとる。全世代でみると、2割弱がコロナ以前より健康的な生活を心掛けている。けれど約35%はロックダウンで強いストレスを感じており、それが間食などの不健康な食生活につながる恐れがある。

というような感じです。(私が印象に残った記述の抜粋まとめです)
確かに私自身の生活を振り返っても、ロックダウンで一切娯楽がなくなったので、すべての刺激を食に求めていた傾向があります。普段いかないレストランのデリバリーを頼んだりしました。だから、一概に自由時間が増えたからといって自炊が増えるわけではないのですね。

もう少ししたら、コロナ禍以降のオランダ人の自炊に関して、専門機関の詳しい調査などがなされるのではないでしょうか。詳細なデータを観るのが楽しみです。

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