「ある行旅死亡人の物語」感想
みなさま、お久しぶりです。前回の記事から1年が過ぎてしまい、さすがにさぼりすぎたと反省して久々に記事UPします。
震えるほどに面白い本
少し前になってしまうのですが、久々に夢中になって一気読みした本があったので、そちらを紹介したいと思います。
「ある行旅死亡人の物語」という本です。
共同通信社に勤める2人の記者が、兵庫県尼崎市のとあるアパートで孤独死した女性の謎を追うノンフィクションです。
「会ったこともない女性の謎を追う」というコンセプトが宮部みゆきさんの『火車』に重なって感じられたのですが、本文にも『火車』の名前が出てきましたね。違うのは、こちらは調査対象が既に個人だということ。
そして事実は小説よりも奇なりで、解ける謎と解けない謎があります。けれどそれがまた、リアリティがあっていいんですよね。
読んだ日の私の仕事に大幅に遅れが出ましたが、読了の満足感には代えがたいので後悔はありません。
その人が存在していた痕跡
故人に対して不謹慎ながらも、謎解きの面白さがあります。けれど、それ以上にこの本は、
・「その人がその人であるという根拠は何か」
・「私が存在していたという痕跡は何が残るか」
という、ある種の哲学を投げかけてくる本でもありました。
私が死んだら、一体何が私の人生を想起させてくれるんでしょう?
そして私個人としては、もっと家族の写真を紙焼きで残そうと思いましたた。結局、後々まで残るのは紙焼きした写真なんですよね。
私は写真はたくさん撮るほうですが、ほとんどが私のスマホ→クラウド保存で終わっています。もし私が突然死とかしたら、娘の子供時代の大量の写真とかサルベージしてもらえるか分からりません。これからは、家族旅行の画像などもまめに現像しようと決心しました。
この個所が好きでした。完全はないと知りながらも、故人への興味や想いが記者2人を突き動かしていることが、よく伝わりました。
映画化の際のお願い
これだけ面白い作品なので、きっと映画化とかされるんじゃないでしょうか。その際に、制作陣のみなさまに私からひとつお願いがあります。
それは、「主人公のアラサー男女の記者2人に、恋愛ねたとかぶっこむのは止めてくださいね」ということ。そういうの全く要りません。あの二人は、色恋ナシのバディだからいいんですよ。
そこだけ、くれぐれもよろしくお願いいたします。
==========お知らせ==========
電子書籍出版しました!
(Kindle版)「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
(紙版)「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
レギュラーで書いている主な執筆媒体のご紹介です。
ぜひ読んでみてください♪
「サライ.jp」
「novice」
https://no-vice.jp/?s=Naoko+Kurata
「イエモネ」
https://iemone.jp/article/lifestyle/naoko_kurata_518/
「現代ビジネス」(不定期掲載)
http://gendai.ismedia.jp/list/author/naokokurata
「Glolea!」(プロフィール&執筆記事一覧)
http://www.glolea.com/ambassador/kurata-naoko/profile
「未来住まい方会議」(執筆記事一覧)
http://yadokari.net/author/kurata/
「TABIZINE~人生に旅心を~」(執筆記事一覧)
http://tabizine.jp/author/kuratanaoko/
「ima(今) 海外リポーターが伝える世界の生活情報サイト」 (執筆記事一覧)
http://ima-earth.com/contents/profile.php?userid=kurata
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?