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うつは、心の「風邪」ではない!日常での対策方法は?精神科の疾患を考える うつ病【メンタルヘルスノート #9】

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「精神科の疾患について考える」3回目はうつ病です。


うつ病は、「心の風邪」にあらず

『うつ病』については様々な情報が流れていますので、多くの方が知っている疾患であると思います。

一時期、「心の風邪」と言われたことがありました。
今は、あまりそのような表現をしなくなりました。
なぜかというと、「風邪」という表現は、誰にでもおこる可能性がある病気という意味で使われたのですが、少し休めば直る、気力でなんとかなる、誰でもかかるから心配ない、のように軽く見られる弊害が出たからです。

これは、『うつ病』にとっては、大きな偏見でしかありません。
『うつ病』は、しっかりとした治療が必要な疾患です。そして、治療を始めるタイミングが早ければ早いほど予後のよい疾患です。

一時的に調子が良くなっても油断禁物!うつ一歩手前の、ストレス状況の変遷


これは、生物学者ハンス・セリエのストレス反応モデルを簡単に図式にしたものです。

セリエのストレス反応モデルより作成

このように、人がショック相でストレス(ストレッサー)がかかると、抗ショック相として、心身の状態を一定に保とうとするホメオスタシス(恒常性)という、機能が働きます。

この抵抗期がうつ病に移行していく段階に、一時的に心身の不調が軽減されます。そうすると、自分はもう調子が良くなったと、今の状態を間違えて理解してしまうことがあるかもしれません。

しかし、実はこれが病気を悪化させてしまう原因です。
この状態をいかに慎重にとらえるかが大きなポイントとなってきます。
はっきり言いましょう。抵抗期に抵抗したらいけません

そのストレス、うつに繋がるかもしれません。日常でできる対策とは?

自分にどんな負荷がどの程度かかっているのかを理解しましょう。
前に少しお話ししたストレスチェックを行い、自分の心身に負荷がどのくらいかかっているのかを理解しておくことが、うつ病を予防する・悪化させないための第一歩です。

また、うつ病は1つの要因だけで、発症するのではありません。ひとつひとつは小さくても、いくつかのストレス要因(ストレッサー)が重なると、大きなストレスとなります。

うつ病の症状はおおまかに以下のような状態です。
・落ち込みがある
・疲れがあり、やる気がおきない
・睡眠状況が悪い 
  寝付くまでに30分以上かかる 途中で目が覚めてすぐに眠れない 
  朝早くめざめてしまう 週末に寝すぎてしまう
・集中力が低下している
・楽しめていたことが楽しめなくなった。興味関心が薄れている
・食欲がない、もしくは食べ過ぎてしまう

などがあげられます。うつ病の症状については日頃から、自分の状態を客観的にとらえておきましょう。
特に睡眠と食事は客観視しやすいので、一つの指標とするとよいでしょう。
複数の症状がある場合は、受診も検討しましょう。

インターネットのサイトなどでも、うつ病チェックなどもありますので活用してみるとよいと思います。
トライアド治験ネットうつ病診断

もし自分や周りの人がうつの疑いがある・うつ病になったら?
一人にならないで!最悪の事態を回避しよう

うつ病の一番怖いところは、自殺のリスクが高いことです。
絶望的な気持ちになり、最悪の道を進んでしまう恐れがあります。

このような状態がある人がいましたら(自分も含めて)、以下の対応をしましよう。

① 話を聴いてあげること(話を聴いてもらう事)
 ⇒苦しさの中にいることを共感してください。
  励ましや、勇気づけは厳禁です

➁ 一緒に病に立ち向かうこと(ひとりにならないこと)
 ⇒ひとりではないことを伝えましょう。
  心配していること、自殺しないでほしいことを伝えてください。

③ 病院の受診をすること
 ⇒事が切羽詰まっている時、特に自傷他害のある場合は、
  措置入院も視野に入れましょう。(警察に連絡することも可能です)

『うつ病』は「こころ風邪」ではありません。
自分を大切にすることを常日頃から考えてみましょう。



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