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借金は悪いことなのか? ~FP視点で考える~

皆さん、こんにちは。
トライサポート株式会社のとらいさんです。

今日は、お金の事について考えてみようと思います。
今回は、「借りる」という事について。

日本では、お金を「借りる」という事について、
割とネガティブなイメージを持たれる事が多いです。
本当にお金を「借りる」のは良くない事でしょうか。

私は、お金を借りる事について、悪い事だとは思いません。
むしろ、適正にお金を借りる能力がある人は、
豊かに暮らせる可能性が高いと思っています。

今日は、適正にお金を借りる。
という事について、考えてみたいと思います。

普段、FPとして相談者と面談していて、
「車のローンがある」という人は多いです。

妻「車のローンがあってなかなか貯金できないんです。」
私「なるほど、車のローンがあってなかなか貯金ができないんですね。」
妻「はい、貯金もしたいんですけど。やはり車なんかローンで買うんじゃなかった。」
夫「けど要るんだからしょうがなかった。」
妻「現金で買えるまで貯金してから買う方が良かった。」
夫「車検のタイミングだったし、子どもも大きくなるからミニバン欲しいって言ってたじゃん。」
妻「中古で良かったのに。」
夫「けど試乗したらやっぱりこっちもいいって言ってたじゃん。」

のような会話が多いですね。

車をローンで買うのは、皆さん反対ですか?賛成ですか??
それはなぜですか??

金利がもったいない。借金は嫌だ。その後の生活が苦しくなる。などでしょうか。

一方、ローンOK派は、いつか買うのだから同じこと。金利もそこまで高くない。今がベストのタイミング。 と言われる事が多いですね。

その他にお金を借りるケースとして身近なものは、
「住宅ローン」でしょうね。
一般的に住宅費は高額になりますので、数千万円、貯めてからよりも、ある程度の頭金を用意して、大部分を借りるケースが多いと思います。
住宅ローンに関しては、あまりネガティブに捉える人は少ないですね。
「住宅ローン組みたくないから家はまだ買わないんです。」って人には会ったことがないです。

金額が大きいので、一括で買えるまで貯金してから買う。というのは、現実的ではありません。
とは言え、車はダメなのに住宅は許す。というのも、道理が通りません。

車はぜいたく品だけど、家は必要なだから。という意識があるのかもしれませんね。

では、奨学金はどうでしょうか?
これも必要な人に対して、「借金だから止めな。貯めてから大学行きなよ」という人はあまりいないでしょう。

なぜでしょうか?

高校卒業したタイミングで大学に行くのがベストだからですね。
高卒で仕事をして、給与の中から大学費用を貯めた後に大学に行くというのは、時間のロスが大きいですよね。

借金しての起業はどうでしょうか?
借金をして起業する。のはハイリスクなので避けたい。
逆に、将来○○屋さんをしたいからお金を貯めている。という話はよく聞きます。

もちろん、起業に向かってどれだけ真剣なのかを図る一つの指標として、○○万円貯めた!というのはアリかもしれませんね。
ただ、ビジネスを考えて、そこからお金を貯めるのは、チャンスを逃す事になるのかもしれません。

車のローン、住宅ローン、奨学金、起業のための借金。と考えてみましたが、どれもお金を借りるという意味では一緒ですね。(担保があるとかないとかはさておき。)

ここで、この借金はダメで、この借金はアリ。
なんてことは言うつもりはありません。
そんなことは自分で考えればよいのです。
自分の人生、自分の財布ですから。

お金を借りて、車を買う。
お金を借りて、家を買う。
どちらも、買いたいタイミングが今だったのです。
子どもを広々とした家で育てたいという気持ちがあったのに、
貯金して30年後に買ったって意味ないですよね。

私が言いたいのは、借りるべき時は借りる。
その為に、お金を借りる。という事を学んでおきましょうという事。
お金を借りるのに学ぶことは3つ。

まず一つ目は、借金の金利の勉強。
金利が何%だったらどれくらいの負担になるのかという事です。
300万円の車をローンで買いました。金利1.9%で3年ローン。
そうすると、毎月の返済は85,796円。
支払総額は3,088,656円。現金一括で買えば300万円。
その差額は三年間で88,656円。月に2,462円、一日換算で82円。
この金額で3年早く車を手に入れ思い出を作ることができる。
いや、ローンで買った方が良いと言ってるわけじゃないですよ。
良くも悪くも、ローンの金利分で負担する金額を把握して、それが自分にとって必要かどうかを判断してほしいという事です。
そのほか、お金を貸し借りする時の法律、担保や連帯保証人、連帯債務、返せなかった時のリスクなどを、しっかり考えるのです。

そして、もっと大事な二つ目。
自分のライフプランを考える事。

この先々の収入や歩みたい人生を考えて、
今その買い物が必要かどうかを判断する事。
今お金を借りることで、失うものと得られるものを考える。
借金をして数字がマイナスになるだけなのか、何かリスクを伴うのか。
通帳だけ見る、あるいは目先の事だけ見ると、借金はマイナスにしか見えません。長い目で考える事が必要です。

借金をして何かを手に入れる事が、自分の人生にどれだけ寄与するか、逆に不必要だったりリスクになりうるのかを考える必要があります。

そして最後の3つ目は、本当に要るものかどうかを考える。
必要だから仕方ない。なんて、実はあまり無いのです。
安易に「必要だから」と言わない事。
個人的には「必要だから買う」よりも、
「欲しいから買う」と言う方がよっぽど気持ちいいですけどね。
以下の記事にも書いたので、良かったら参考にしてください。
あれもこれも欲しいじゃ、通らないですよね。
自分の欲望に順位を付けて、高いものから考えていきましょう。


私は、自分が納得するのであれば、借金はしても良い。と思っています。
計画的な借金は、貯金以上の効果があります。

昔、銀行に勤めている時、今でも付き合いのある社長さんにこんなことを言われました。
「2%で銀行から借りて、即金一括払いで5%引きで仕入れをする。これを繰り返していると、銀行はもっと低金利で貸してくれる。そうするともっと仕入れがしやすくなる。借金が上手なのが、商売上手や」と。

借金は効果的に使えば、メリットがあります。
車も家も進学も起業も。
自分の人生をより豊かにするために、借金を避けるだけじゃなく、うまく使えるようになるために、知識を習得するのが良いかもしれませんね。
無知はリスクです。 大事なことは学んでいきましょう。

面白かったと思っていただけたらコメントやイイねを頂けると嬉しいです。


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