思いつきでやったらえらいめにあった話。

こぎん刺しにて。次はどんな柄を刺そうかな〜と本をパラパラ見ていた。そして、これいいんじゃない?と思うものがあった。

大きなダイヤ型の上下に更に小さなダイヤがあるものというか。字で説明するのは難しいので。簡単に描くとこういう感じのものである。


真ん中に大きなダイヤ柄があって横に繋がっている。更にその上下にもジグザグした模様があって、絵では描いていないけれどもその模様自体も小さなダイヤ柄の連続である。

次はこれを刺そうと思った。刺し始めた。それは良かった。しかし大きなダイヤ柄を刺している時、私は思いついてしまった。

上下のダイヤ柄は別の色の方が綺麗なんじゃない?

連動しているけど繋がっていないモチーフだし、色が別でもたぶんおかしく無いだろう。連動していて色が違うというのも、どうなるのか見てみたい。やってみよう。とても気軽に考えた。

そして大きなダイヤ柄を刺し終わり、別の色で上下のジグザグを刺し始めた。が、これが。やってみたらもんのすごく面倒で頭も時間も使うものだったのである。


基本的にこぎん刺しというのは、横に刺していく。横一列を刺した後、上か下か、次の段に行く。

なので、刺したい模様が綺麗に横一列なら何の問題も無かったのだが。この模様はジグザグなのである。

いざやろうと思ったら、全然綺麗に繋がる道が見えなかった。なるべく一筆書きで糸を切らずに刺し進めたいのだけれど、ジグザグで模様が小さいものだから、私の頭ではどう考えたって一筆書きにいけないのである。

考えているだけでは変わらないので、とりあえず刺し進めた。指す前に「ここからスタートしてこういったらここまでいけるかな?」と考えてやってみる。とても頭を使う。時間も使う。進まない。正直しんどい。


何でこんなことになったのだ。

私が思いつきのまま行動したせいだ。


簡単にできると思ったら、全然そんなことは無かった。そういうことは今回に限らず過去何度もあった。

でもどう大変かなんて、実際にやってみないとわからないし。むしろ今回のことだって、こぎん刺しやり始めの初期の頃に「そうだ」とわかって良かったんじゃないの?

人間、経験から学ぶのである。私は学んだ。このパターンは大変だとわかったし、小さい柄だと一筆書きは難しいと学んだし、それでもなるべく一筆書きにするために、あちこちから刺し始めてみたりした。その経験は、決して無駄では無かったと思う。

って言っても。やっぱり大変だけど。面倒だけど。


そんな風にポジティブとネガティブの間を行ったり来たりしながら。何とか完成させてみたのがコチラ。


上下の小さなジグザグは微妙に色が違う。タマネギの高温と低温で違う糸。

ぱっと見、上下のジグザグ、全然面倒そうじゃないでしょう。でも真ん中の大きいのよりも時間をかけてものすごく考えた上での完成品なのである。

正直、別に色を変えんでも良かったかなと思う。全部赤でも良かったかも。しかしこれも、実際に見てみないとわからないしな。



兎にも角にも、思いつきで貴重な体験をしたという話。

たぶん、よほど必要に駆られない限り、このパターンで色を変えることは二度と無いと思う。



ではまた明日。

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