『たんたのたんてい』と成長

『たんたのたんてい』という本がある。『ぐりとぐら』シリーズの作者の本である。

「絵本」というくくりにしては文字が多く、話も長い。見開きの中に毎回絵はあるものの、「絵を見る」というよりは「ほぼ文字を読む」という感じの本である。絵本と文字主体の本の中間くらいの位置づけだろうか。

おそらく対象年齢は小学生くらいなのでは?と思うこの本、以前から家にあった。ある日夫が古本屋で買ってきたのである。当時息子は2歳くらいだったか。どう見ても、この本を読むのはまだまだ先である。

一応、本棚の中にずっと入れてあり、いつでも取り出せる場所にはあった。まれに「よんでー」と息子が持ってくることもありはしたのだが、1ページ目を開けた所で思っていたのと違ったのだろう。「ほかのがいい」と閉じて持って行ってしまっていた。

1ページの文字数が多いので、絵を見ているうちにそのページの文字を読み終わるということはまずない。絵を楽しみにしているうちはどうしても退屈してしまうだろうし、話を追えるのはいつなのかなぁと思っていた。

さて4歳になって2ヶ月が経った頃。久しぶりに、「つぎはこれー」と『たんたのたんてい』を持ってきた。本を開いて1ページ目を見せ「このお話長いよ?文字多いよ?大丈夫?」と聞いたのだが、「よんで」というので読み出した。

案の定、読んでいる途中だけれど我慢できずに次のページに行こうとする息子。「他の本にする?」と聞くも、「これがいい」と言う。まぁ、本人がいいと言うなら読み続けるけれども。

最初の方で2、3回、終わっていないのに次のページをめくることはあったのだが、その後はめくることもなくちゃんと話を聞いていた。途中、「しんぶんどこいっちゃったんだろうねー」とちゃんと話の内容をわかっているっぽいことを言う。

結局、親の予想に反して最後まで読むこととなった。最後まで話を聞いてくれた。「この長さの話を最後まで聞くかー」と息子の成長にびっくり。

やはり親が勝手に限界を決めてはいけないんだな。子どもが「やりたい」と言ったなら、なるべくやらせてあげるのがいいのかもしれない。親が「無理だろう」と思うことでも、案外子どもはやり遂げてしまうのかも。

息子の成長には驚いたし、これからどんどん集中力をつけて長い話も読んでいって欲しいが、現状、息子は字が全く読めないのである。つまり、息子が「読みたい」と言えば私が読むことになる。さすがに毎日『たんたのたんてい』レベルの話を読むのは疲れるので、自分で読めるようになって欲しいのだが。まだまだ先だろうなぁ。

私自身、今のところ本格的に文字を教える気はないので(息子が覚えたい!と言えばもちろん教える)。しばらくは、持ってくる本にドキドキする日々が続くかもしれない。まぁこれはこれで、子育てなんだろうな。


ではまた明日。