『さんまいのおふだ』に火事はあったか
我が家に『さんまいのおふだ』の絵本が入った。
有名な話なのでご存知の方も多いと思う。お寺の小僧さんが山で老婆(山姥?)に会い、3枚のお札を使って寺まで逃げる物語である。
早速息子に読みきかせていたのだが、私の記憶と違う部分がいくつかあった。
まず私の記憶ではお札をくれる人は「お寺の和尚さん」だったのだが、本の中では「トイレの神様」だった。しかもトイレでの返事をトイレの神様がしてくれる。
あれ?ここで1枚目のお札使うんじゃないの?ここで1枚使わなかったら1枚余るよね??
疑問に思いつつ読み進めると、本の中で1枚目のお札を使った。大きな山がでた。
2枚目のお札を使った。大きな川がでた。
山と川が出るのは記憶と同じ。記憶の中の話ではこの後お寺に帰るわけだが、本の中ではお札が1枚余っている。さて残る1枚はどうなったかというと。
大火事が起きた。
火事にもめげずに追いかけてくる老婆。その後は寺で和尚さんと対決。豆になって食べられた。
まとめると。私の記憶の中では
お札をくれる人→和尚さん
1枚目→トイレの返事
2枚目→山
3枚目→川
本の中では
お札をくれる人→トイレの神様
トイレの返事→トイレの神様
1枚目→山
2枚目→川
3枚目→火事
だった。
昔話は本によって微妙な違いがあるものだが(さるかに合戦の猿や蟹の生死などなど)、新たに全く知らない事柄が追加されるとは思わなかった。私が知っているのは話を短くした簡易版で、元の話には火事もあったということなのだろうか(水が出たなら次に火が出るのは自然な気もする)。
夫に聞いてみたら、夫が知っている話もお札をくれるのは和尚さんで、火事は無かったとのこと。この話を知っている人にアンケートを取った時、どのくらいの割合で火事話ありの記憶を持っている人がいるのだろうな。
身近なよく知る話でも、それが絶対ではないのである。昔話は奥が深い。他にも、自分の記憶とは違う話、沢山あるんだろうな。
ではまた明日。