ハラハラ ろくべえ

『ろくべえ まってろよ』という絵本がある。夫が買ってきて最近うちに入った本である。

昨日息子が「よんでー」と持ってきたのがこの本だった。息子は初めて読むらしい。私も初めて読む。内容は全然知らない。

まず、ろくべえというのは犬の名前らしい。その犬が、深い穴に落ちた。ろくべえをどうにか助けたいと頑張る小学生の話である。

しかしろくべえ、物語として当然なのかもしれないが、話の序盤、中盤を過ぎてもなかなか助けられない。しかも元気が無くなってくる。

物語というものは、ハッピーエンドばかりでは無いのである。絵本は優しいお話が多いとは思うが、それでも悲しい、辛い話も沢山ある。死別の話も当然ある。この話はどうなのだろう、ろくべえは助かるのだろうか。私自身、ハラハラしながら読み進めた。息子も「ろくべえ、たすかるかな…」と心配そうである。

最終的に、ろくべえは助かった。小学生たちが助ける方法を考え、それで無事上手くいった。読んでいる私たちもほっとした。「ろくべえ、しんじゃわないでよかったね」と息子は言った。私は内心思っていたものの「死」という言葉を一言も使わなかったのに、自ら言い出した。おそらくまだちゃんとは理解していないが、少しずつ「死」というものを理解しつつあるのかもしれない。

私自身、こんなにハラハラしたのは久しぶりだった。ハラハラするには、そういう内容で、尚且、先を知らない話でなければならない。そういうものをここしばらく読んでいなかったのだろう。

物語の登場人物に感情移入して、こんなに考えたり焦ったりドキドキしたり。この長さの絵本でもできるものなのだな。それだけこの話が物語として優れているのかもしれない。

ちなみに夫は、この話を小学生の時に読んだらしい。教科書に載っていた?そうな。私と夫は1歳違いだが、住んでいた土地は飛行機の距離だし使っていた教科書は全然違っていたのだろう。おそらく教科書なら、絵はほとんど無くて文ばかりのはず。文だけを読み進めていったらどんな感じなのか、もう一回読んでみたいなと思った。


ではまた明日。