かんがえこと-15 12.16
12.10(月)
ふた駅歩く。
いよいよ寒くなってきて、去年までの冬をどうやって乗り切っていたのか、まったく思い出せない。
辞める、と言うタイミング、言い回しのようなことをそろそろ、かんがえはじめている。
12.11(火)
意識してマルチタスクをやめようと試みる。けれど意識するほどにむずかしく、いかに習慣化していたのかと気づく。あまり集中力はないぶん、いろんなことに気づいてしまうのは生来のもので。さらに意外と手を止めて ”待つ” 時間が長くはないけれど多いことに気づく。コピー機から用紙が排出される時間、PCがスリープ状態から立ち上がる時間。機械のことは待つけれど、人のことは、待てない。焦って、焦らされて、待たないのは人間。機械のほうが、よほどマイペースで、よほど余白があるじゃないか。
本にかかわる人たちはいい人ばかりと思うことが多かったけれど、私の人の見方がスクールカーストのまま更新されていなかっただけで。私だけがその感覚にとらわれたまま、そこにとりのこされたまま大人になっていて、あるいは大人にはなっていなくて、やつらは何もなかったように大人になっていってて。
用紙の排出を待つあいだに他のデータの作業を進・・・めない。
どこかの文房具サイトを開く。気になる万年筆。カヴェコのリリパット、レシーフのベビープレス、店で試したカヴァリエ、
12.12(水)
胃と腸が連携していない。食欲にまかせてたべても腸が受け入れを拒んでいる。1日3食をやめてみる。たべたいものを、たべたいときに少しずつ、たべる。
夜は寒かったのでみそ汁を作る。たくさんの野菜と即席の鶏だんご。いい味。すべてが良くなる。
12.13(木)
休み。恵比寿で電車を降り、美術館をめざして歩く。
大きな坂をのぼり、ガーデンプレイスを通り抜ける。人は少なく、街も空気もしんとしている。好きなところ、と思う。都会の、人がいないところ。田舎の、ひとが集まるところ。▢をつくるひとがつくる、〇いもの。
さらに坂を下って上って、庭園美術館へ歩を進める。
入口正面のベンチに腰かける。建物ぜんぶを視界に入れ、その静けさに、身を任せていた。
12.14(金)
帰り。コンビニできらきらしたデザートをながめながら「私はまちがっていない、」とつぶやいている。
12.15(土)
ふた駅歩く。東京の冬の空は、良い。このためだけに、私は歩ける。
ドトールに入る。本を読む。
もやもやして いらいらしたら いまだ、といいきかせる。おちそうだ、あかん、こわい、と、そのふちでびくびくしているより、いっそ いちど おちてしまえと。
12.16(日)
出かける服に着替え、ベッドに腰掛けたまま、どこへも動けずにいる。冷蔵庫のごぉごぉという音だけをきいている。ただ時間だけが、生きて通り過ぎていった。
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