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木苺@妄ツイ
2023年7月23日 22:46
子供の頃からずっと一緒にいたからこそ恋愛的に好きになった。子供の頃からずっと一緒にいたからこそ恋愛的には好きにならなかった。こと恋愛において、"幼馴染"というものほどこうも二極化されてしまう存在はないと思う。『はいこれ。〇〇に。』そして、俺達の場合俺は前者で、遥香は後者だった。部活で忙しかった土曜に比べてすることもなければ、したいこともなかった、そんな虚無の日
2023年7月24日 18:05
それから、2ヶ月くらい経って、気温が上がった7月。2ヶ月も経てば、季節のように人間関係もそれなりに変わる。最もわかりやすい変化といえば俺の周りから、ほぼ完全に遥香が消えた事だ。遥香とは今年からクラスが違くなったもののまだ話すことが多かったし休みの日には、よく家に遊びに来てた。けど、今はそれが全くない。まぁ、彼氏がいるんだから、そっち優先なのは、当然っちゃ当然。だけ
2023年7月25日 21:50
『ど、どう...かな?』そう言いながら自信なさげに試着室から出てくるさくら。いったいなんでそんなに自信がなさそうなのか不思議に思ってしまうくらい「うん。めっちゃいいじゃん。似合ってる。」正直、めちゃくちゃ似合っていた。『そ、そう...?...んふふっ。』『じゃあ、これにしようかなぁ...』「えっ?」『えっ?』「あ、いや...せっかくだから、他の服も見て着てみ
2023年7月26日 22:50
「ん......あっっつ......」目が覚めたら、すぐにエアコンをつける。すると、冷風が出てきて8畳ほどの部屋はすぐに涼しくなった。時計を見ると時刻は既に10時過ぎ。しかし、学校に遅刻する...と焦る必要はない。なぜなら、うちの高校は先週から"夏休み"に入ったからだ。...とはいえ、夏休みだからって何があるわけでもない。特に今年は『いつまで寝てんの?遊びに
2023年7月27日 22:25
「っー......ふぅ...」区切りのいいところまで読み終えたので座ったまま、1度ググッと背伸びをする。スマホを見ると、18時を少し過ぎていた。そのため、席から立ち上がりまだ本を読んでいるさくらの肩をトンと叩く。すると、さくらはビクッとして振り向いた。「(読んでるとこごめん。)」「(もう6時過ぎだから、本は借りてそろそろ帰ろうと思ったんだけど...さくらはどうする?)」
2023年7月28日 22:12
「はぁ...ただいまー......」19時過ぎ、今日は部活が午前からあったせいで疲れ果てて帰ってきた。汗を吸った服が肌に張り付いて気持ち悪い。とりあえず、カバンを玄関に置くと母さんが「おかえり〜。」とやって来る。「ご飯できてるけど、先お風呂入る?」「ん。そうする。汗やばいし。」そう答えて、その場で上を脱ごうとすると「ちょっとあんた、洗面所で脱ぎなさいよ。」いつも
2023年7月29日 21:59
『よいしょー!』ぼふっ...と、遥香は俺のベッドに飛び込む。「はぁ...勝手に人のベッドに飛び込むなよ。」『ふん、これくらいいい...で...しょ!』それから、枕を俺に投げつけ遥香はエアコンをピピピッとつけた。ここは俺の部屋なのにあたかも自分の部屋かのように遥香は扱う。けど、これが不思議と嫌な感じはしない。むしろ懐かしい感じがする。なんやかんや夜飯の時間を経て
2023年7月31日 22:03
『ご、ごめん...!おまたせっ...!』待ち合わせの場所に立っていると声が聞こえて振り返る。そこには、浴衣を着たさくらが立っていた。「ぜ、全然。俺も...今来たとこだし。」いつもと雰囲気がガラリと違うその姿を見て"何故か"心がドキッとする。...いや、違う。ドキッとした原因は"さくのこと、好きなの?"あの日の遥香の言葉がさくらを見て、再び俺の頭を過ぎったからだ。