見出し画像

北海道民の運転マナーの悪さとその原因を考察する

※運転マナーの悪さを糾弾するあまり熱が入ってしまい、読まれる方によっては不快な思いをする場合がありますので、あらかじめご了承願います。

最近、運転マナーが良い、悪い都道府県ランキングという記事を見かけた。
私が現在住む北海道は、ワースト5の中に名前が入っていた。

この記事で言うところの「運転マナーの良さ」は、信号のない横断歩道でどれくらいの車が停まってくれるのかをもとに定義しているらしい。

つまり、運転マナーと関連すると思われる他の要素は全く考慮されていないデータのため、あまり当てにならないと言えばそれも正しい。

ただ、それでも北海道がワースト5に入っていたのは残念でもあったし、「やっぱりか」という思いもあった。

というのも、本州から北海道へ来て1年以上が経つが、「北海道民の運転マナーの悪さ」には常日頃から迷惑させられているからだ。

そこでこの記事では、北海道民の運転マナーはなぜ悪いのかについて、個人的経験等をもとに考察していきたいと思う。

具体的に、運転マナーがどう悪い?

まずは、北海道民の運転マナーが具体的にどう悪いかを説明したいと思う。
1つ1つ丁寧に説明しているとそれだけで数千文字になってしまうので、箇条書きで簡潔に書いておく。

  • 法定速度を無視した走行

  • 黄色信号を通過、赤信号も1~2秒以内なら通過してOKという意識

  • 横断歩道での歩行者妨害

  • 無理な車線変更、車線変更時にウィンカーを出さない

  • 片側一車線道路での危険な追い越し

  • 路上駐車、歩道駐車による道路の占有

  • 飲酒運転が比較的残っている

北海道特有の道路と運転マナーとの関係

まず、北海道民の運転マナーの悪さを考える上で、北海道特有の道路事情を考慮する必要が出てくる。
北海道は歴史柄、計画的に都市が形成されたため、道路が真っすぐに伸びていることが多いのだ。

これは札幌などの都市部においても同じで、道路はたいていが真っすぐで、数km先まで簡単に視認することができる。
運転手がやることといえば、道路をひたすら直線に進むだけに終始するため、ついつい速度を出しがちになってしまうというわけである。

道民は自分の運転マナーの悪さに気付いていない?

しかしながら、「北海道民の運転マナーが悪いのは、道路が真っすぐだから」と結論付けるのは、あまりにも議論が稚拙である。

道路が真っすぐであることは、スピードを出しやすくなることにのみ影響しており、他の要素とはあまり関係がないからである。

では、他の要因は何なのかを考えてみる必要がある。

日本地図を見てみよう。
ほとんどの人はお分かりと思うが、北海道は本州から隔絶された場所にある。

「隔絶された」というと大げさだと言われるだろう。
私も初めはそう思っていた。
数十kmにもわたる津軽海峡があるとはいえ、今は飛行機や新幹線もある。

北海道と本州は(人の文化的には)大して変わらないだろうと思っていた。

ただ、実際は違った
北海道民の所作や文化は、本州(少なくとも首都圏)とは大きく異なる点がたくさんあった。

今回話題にしている運転マナーも、その1つ。

北海道は「新しいもの好き」の地域と言われるが、それはあくまでも商品やサービスに関する話。
人々の骨の髄まで染みついている「文化」は、そう簡単に変わるものではない。

北海道で車を運転する人は、ほとんどが北海道民だ。
そしてその北海道民は、たいていが北海道出身で、本州に行くのは旅行くらいという人たち。

つまり、本州の文化を実際に自分の肌で経験したことがある人がほとんどいないのである。
したがって、本州における一般的な運転マナーについても、知らない人がほとんどだ。

普通の運転マナーを知らない人が、どうやって「普通」を学習するか。
当たり前のことだが、同じ北海道に住んでいる道民の運転を参考にする他ない。

このような具合で、北海道では「北海道の中しか知らない道民」があまりにも多いため、自分たちの運転マナーが悪いことにすら気が付いていないのだ。

実際は、自分の運転の粗さを自覚している人も多い?

ただ、札幌で街中を歩いていると、先ほど書いたことが必ずしも正しくはないのではないか?と思わされる現象に遭遇することがある。

札幌市内ではしばしば、北海道警察のパトカー道路をパトロールしていることがある。

札幌の治安がそれほど良くないのか、それとも道民の運転マナーが悪いせいかは分からないが、パトカーは毎日のように目にする。

パトカーが道路を走っていると、面白い現象を見ることができる。

普段は自分のことしか考えない粗い運転をしている道民たちが、途端にまともな運転をし始めるからである。

この現象から分かることが少なくとも1つある。

それは、ほとんどの道民が、「自分の普段の運転は、とてもパトカーに見せられるものではない」と自覚しているということ。

パトカーが近くで走っていたり、警察官が歩いていたりすると、何も悪いことをしていない人でも、意味もなく畏まってしまうのはよくあることではある。

とはいえ、まともな運転をしていると自覚しているのならば、パトカーが近くにいても同じように運転するはずで、そうではないということは、
やはり道民のほとんどが自分の運転を「粗い」と考えていると言って良いと思う。

正しい運転をしたくてもできない事情

ここまで、北海道の運転マナーが悪いのは「文化」の1つではあるが、道民のほとんどはそれを自覚しているということを指摘してきた。

私はこの記事において、北海道民ドライバー全てを「非常識」だとして糾弾したいというわけではない。

というのも、北海道には「正しい運転をしたくてもできない事情」があるからである。

このような表現をすると、まるで北海道では、道の悪いことを言うと制裁を加えられるような、独裁主義、権威主義的政権が人々を支配していると思われるかもしれないが、もちろんそのようなことはない。

私のように、人々が好き好きに「道民の運転マナーは悪い」と発言することは自由だ。
しかし、道路で正しい運転をすることはできるかというと、話は別だ。

北海道で運転をしたことがある人や、北海道のドライバーをよく見ている人であれば分かるかもしれないが、
北海道では法定速度を遵守しているとまるで「迷惑者」のように扱われる

片側2車線以上の道路であればすぐに追い抜かれ
(車線変更をする際にウィンカーを出さない車もしばしば)1車線であれば反対車線に出てまで追い抜くか、「お前遅えんだよ!」と言わんばかりに煽ってくる

百歩譲って、信号もなく見通しも良い郊外のバイパス道路などで、法定速度を超えて飛ばすのはまだ良いかもしれない。
(北海道は面積が大きすぎるので)
しかし、信号が多数あるような街中であっても、法定速度を遵守することが悪と見なされてしまうのだとしたら、それは何かおかしいと言わざるを得ない。

「法定速度の遵守」以外にも、
「正しい運転をできない例」はいくつかある。
例えば、黄色信号での停車。
北海道では、黄色信号で停まる車が極めて少ない。

それどころか、黄色信号になったらアクセルをべた踏みし、「赤になる前に行け!」とばかりに飛ばす車がほとんどだ。
黄色信号で飛ばし、車から鳴り響くアクセルの音は、道民の粗い運転を示す象徴的なサウンドと言えよう。

おそらく、北海道の中にも、正しい交通法規を理解している人は少なくないはずだが、実際に黄色信号で止まることは大変に難しいことなのだ。

それは何故かと言うと、律義に黄色信号で止まってしまうと、後ろから来た車に追突される危険があるからだ。

道民ドライバーのほとんどは、「黄色信号=通過」と考えているため、前の車が黄色信号で止まってしまうことは、想定外のことなのである。

以上のように、北海道では下手に交通法規を遵守した運転をすると、事故に巻き込まれたり、煽り運転をされたりするリスクが高まるため、正しい運転をしたくても簡単にはできないのだ。

道民の性格との関係を考える

北海道民の運転マナーには、道民の性格と関係している部分がある。
私見だが、北海道民の中には「ルールを破ることに抵抗が少ない」人が一部いるように思う。

一部」というと、数%でも一部じゃないか、それならどの地域にもいるよと思われるかもしれない。
具体的な数字はもちろん計測不能であるが、私の見立てではだいたい2~3割くらいはいるんじゃないかと思っている。

これをドライバーに当てはめると、道民ドライバーの2~3割は、交通法規クソくらえという姿勢で運転しているということになる。

もちろんこの数字は何の統計的根拠もないものだが、札幌市内の道路を走る車を観察していると、それほど間違いでもないように思えてくる。

また、車を運転している北海道民に顕著なのが、「せっかちな人が多い」ということ。

法定速度を無視して飛ばすのは分かりやすい例だが、まだ赤信号なのにじわじわと前に出る車がいたり、黄色信号で絶対に止まらなかったりと、道民のせっかちで、待てない性格が浮き彫りになっている運転はしばしば見られる。

このような性格の道民が多い原因は何なのかはまだ分かっておらず、今後の研究が求められる。

北海道は歩行者のマナーも良くない

最後に、北海道は自動車の運転マナーはもちろんのこと、歩行者のマナーも決して良いものではないという話をして、この記事を終わろうと思う。

北海道の歩行者は、とにかく信号無視をする抵抗が薄いのだ。

よく言えば、法律に縛られ、車が全くいないのに信号を守るという「馬鹿真面目」が少ないと言えるかもしれない。

ただ、車が通らない道ならともかく、そこそこの交通量があっても、信号を無視して進んで行く歩行者を見かけることがあまりにも多い。

また、北海道で驚いたのは、中央分離帯があるような幅の広い道路を、それに横断歩道もない場所で、普通に横断する人をよく見かけることである。

幅の広い道路の例①
幅の広い道路の例②

中央分離帯がある道路というのは、北海道では割と色々なところにある。
車線が片側2車線以上はあり、交通量も比較的多い。

そのような道路を横断する場合は、横断歩道を使ったり、歩道橋や地下道を通ったりするのが普通だ。
しかしながら、北海道では横断歩道や歩道橋など関係なく、平然と道を渡るという危険な歩行者をしばしば目にする。

おそらく、自分なら大丈夫、これくらいの交通量なら渡れると思ってそうしているのだろうが、歩いている本人はもちろん、車にも被害を与えかねない大変危険な行為である。

まともな考え方ができれば、そんな危険行為などせずに、素直に横断歩道等を利用しようと思うはずだが、なぜわざわざ、自ら危険に飛び込んでいくのかはよく分からない。

道民ドライバーは猛省と改善、観光客は注意警戒が必要

以上、4000字以上にわたって、北海道民の運転マナーの悪さについて書き連ねてきた。

最後に言いたいことは、見出しにもある通り、
北海道民ドライバーは日頃の運転を見直し、危険で粗暴な運転を改善することが必要。
道外や海外から来る観光客は、道民ドライバーの運転に警戒しながら、旅行を無事に終わらせられるよう注意する必要がある。
レンタカーや自家用車で旅する場合はもちろん、公共交通を利用する場合も、注意は怠らないことが重要になる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?