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『ファミリーレコード』全体の構成と各話あらすじ

『ファミリーレコード』についてはこちらを⇒2年以上かけて会社も辞めて書いてる小説、『ファミリーレコード』について

全四幕、十二話構成。

第一幕(近代・現代)……神が死んだ文明社会、戦争の時代


・第一場 日出市(ヒノデシ)

Family Recordの『東京』に当たる。

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主演の牡羊座/有朱は、現代日本での生活への不満から、『不思議の国のアリス』のような夢のなかで『ファミリーレコード』の壮大な物語の「予感」に出逢い、世界へ旅立つ。

プロローグ的な章。


・第二場 雄央州(ユーオーシュウ)

Family Recordの『アメリカ』に当たる。

ベトナム戦争時代のアメリカが舞台。

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主演の射手座/匕太は、社会的成功者である父親との対立、また差別や迫害が渦巻く社会への反発から、家を出て軍に入り、戦争へ行くが、「大義のために人を傷つける」ことの倫理的な葛藤に直面する。


・第三場 黒鐘区(クロガネク)

Family Recordの『ベルリン』に当たる。

冷戦下、東西分裂中のドイツが舞台。

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主演の蠍座/掬生は、元ナチスの親衛隊員で、東ドイツと西ドイツを行き来しながら二重スパイとして任務を遂行していたが、有朱や匕太など国の「外」から来た人物との出会いによって、自分の仕事の「正しさ」を揺さぶられ、苦悩する。

幕間(夢の中)……戦争や迫害で傷ついた人々の避難所


・楽邑(ラクユウ)

Family Recordの『レテビーチ』に当たる。

ベトナム戦争後の南米、ジャマイカをベースにした夢の世界。

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主演の魚座/πは、苦しい生活を強いられている町の人々を救うため、新興宗教を興す。

その宗教の中核には、かつてアメリカのヒッピー運動で盛んに用いられた、幻覚剤の存在があった。

πは幻覚剤による「世界の認識の変容」と、集団で行う「儀式」「祭」によって人々を救済へ導こうとするが……。

第二幕(古代・中世)……キリスト教社会、宗教的迫害の時代


・第一場 廻古街(カイコガイ)

Family Recordの『旧市街』に当たる。

古代ローマ帝国が舞台。

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主演の山羊座/被吏は、格差社会への憤りから奴隷たちを救済するキリスト教を広め、教徒を集めて反乱を起こす。

既存の権威を打ち倒し王になった彼はキリスト教を国教にし、理想の統治を行おうとするが、「いつこの立場から転落するかわからない」という不安に襲われるようになる。


・第二場 水夏郡(スイカグン)

Family Recordの『ストックホルム』に当たる。

中世の北欧、ストックホルムが舞台。

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主演の双子座/天使は、ユダヤ人であるためキリスト教社会に居場所がなく、孤独な逃亡生活を送っていた。

彼のピアノの才能に惚れこんだ魚座/胚が彼を世話し、その中で力を得た彼は、音楽と商売で戦うため外の世界へ打って出る。


・第三場 巫下村(フモトムラ)

Family Recordの『リマ』に当たる。

中世の南米、ペルーのリマが舞台。

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主演の牡牛座/冬羅は、スペインからの侵略者である義父の命令によって、「キリスト教を世界に広める戦士」になるため兵隊に入れられる。

しかし、故郷を滅ぼす義父の手先として働くことに耐えられなくなり、山奥の異教のコミュニティへ脱走。そこでシャーマンになるための儀式に臨む。


・第四場 奏領(カナデリョウ)

Family Recordの『マルタ』に当たる。

大陸に挟まれた地中海に浮かぶ、中世のマルタ島が舞台。

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主演の天秤座/悧麗は、マルタ騎士団の一員として平穏な生活を送っていたが、ある日異端審問の仕事をすることになり、そこで自分の属する組織が異教の人々への理不尽な拷問を行っている現実に直面、葛藤する。

第三幕(未来)……高度文明の未来社会、ユートピアの時代


・新響都(シンキョウト)

Family Recordの『新市街』に当たる。

中東、トルコ辺りをベースにした、架空の未来都市が舞台。

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主演の水瓶座/亜句恵は、SF小説のようなAIの管理する「ユートピア」と、その地下に広がるユダヤ教のコミュニティの双方を行き来しながら、どちらの社会にも息苦しさを覚えている。

真の理想社会とは何なのか、有朱、被吏、天使、冬羅、悧麗、璃緒との対話やチームワークの中で模索し、社会を変革する一大アート・プロジェクトを「上演」する。一つのフィナーレ。

第四幕(再び現代、あるいは夢の中)……信仰の回復、個人の心の救済へ向かう時代


・第一場 火沸島(カフツトウ)

Family Recordの『スルツェイ』に当たる。

アイスランドの南にある無人島、スルツェイが舞台。

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主演は獅子座/璃緒。詳しいストーリーは未定だが、新響都のユートピアで「最大公約数的な幸福を叶える社会」が描かれた後で、もっと個人的な幸福、私が私として生きること、自己表現をすること、などがテーマになる予定。

・第二場 海眠空港(カイミンクウコウ)

Family Recordの『JFK空港』に当たる。

アメリカのJFK空港をベースにした、架空の空港が舞台。

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主演は蟹座/可音。ここまでの物語で「誰かを守るための犠牲」という役を演じてきた可音の救いについて語られる。

可音の精神の奥底、無意識の領域の感情が、核兵器やウイルスなどによる世界滅亡とリンクする中、可音と世界を救うため、匕太が彼女の夢の中に飛びこんで「ヒーロー」を演じ、それを掬生が物語として記述する。
もう一つのフィナーレ。

終幕(物語の外)


・箱庭町(ハコニワチョウ)

Family Recordの『どこでもないところ』に当たる。

どこでもない小さな町が舞台。

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主演は乙女座/明日愛。彼女はこの舞台の脚本家で、みんなを幸せにする物語を書きたいと願いながら、真実を書こうとするとどうしても苦しめてしまう、いつまでも完璧な物語が書けないことへの罪悪感や怒りに苛まれながら、書き続けている。

ひとり、物語の外で苦しみ続ける彼女の部屋のドアを、誰かがノックして、連れ出そうとする。


以上です。

世界地図にするとこんな感じ↓

世界地図

キャラクター紹介は下記でしています。

『ファミリーレコード』キャラクター紹介

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